プリセール物件がリセール物件より高い、といったねじれ現象

つい先月の話になりますが、PARK24(パーク24)の1ベッドルームを購入したい、との依頼をお客様から頂き、早速探したところ、ディベロッパーの直販価格の方がリセール価格の方が割高になっている事実に気付きました。

パーク24はこれまでに何度となく当ブログでも紹介してきましたが、登記直前の投資ターゲットとしてAshton Asoke(アシュトン・アソーク)と共にお勧めしてきたプロジェクトでもあります。

※パーク24

このプロジェクトに関しては、投資有効性を考えて、以前から2ベッドルームのユニット、開口部に難のある既存の1ベッドルームを2つコンバインしたタイプではなく、最初から2ベッドルームとしてデザインされた角部屋を特に推奨してきました。

実際僕自身も角部屋の2ベッドを購入し賃貸投資をしておりますが、予想通り満足のいく結果となりました。

もともとパーク24はノーブル・ディベロップメントの社長だった人が独立して開始したプロジェクトだったのですが、プロンポン駅からは若干遠いもののソイ22と24をまたぐ立地の良さ、5ライ(8,000平米)を超える大きな敷地、高層タワー5棟とレストランが入る低層1棟の大型開発、などで注目を集めていました。

もともとノーブルにいた関係からか、高級感では及ばないものの、その開発コンセプトはプルンチット駅直結のノーブル・プルンチットに近いものがあります。

2〜3年前は何度かお客様をショールームにご案内していましたが、1ルームマンションに一般的に見られる間取りの27-30平米の1ベッドルーム、そしてそれをつなげた2ベッドルームを見て、正直あまり魅力を感じていませんでした。

でも売れ行きは好調だったようで、ショールーム会場で売れた部屋を赤で示す売れ行きチャートを見ると、フェーズ1として販売されていたタワー2、3はほぼ完売状態でした。

プリセール開始当初の売り出しは平米単価17万バーツ前後だったと記憶していますが、その頃にはディベロッパーも平米20万バーツ以上に価格改定を行っており、フェーズ2として販売開始となったタワー5、6は、最初こそ平米20万バーツ程で売り出しましたが、タワー4が香港の不動産会社に1棟売りしたの契機に、その後は家具付きで25万バーツ前後の価格に値上げをしたと記憶しています。タワー4を買収した会社は、サービスアパート運用する投資物件として平米26万バーツ(家具家電付き)、3年間の家賃保証6%を付けて販売していました。タワー5、6の価格改定もこれと呼応する形で行ったのではないかと思われます。

後で聞いたところによると、このサービスアパート投資のこのユニットは、中国国内では6% x 10年の家賃保証を付けて大々的な販促を行っていたとの事です。こういった販売手法はどのディベロッパーも良くやりますので、「ずるいじゃないか。2重価格じゃないか。」と目くじらを立てていては、アジアの不動産投資の世界で渡り合って行くことはできません。尚、このサービスアパートは大手サービスレジデンスマネジメント会社、アスコットグループが手がけますので、この点においては間違いの無い仕掛けになっているかと思います。アスコットは、サマーセット他複数のブランドを展開しており、その一つサマーセットトンローには日本人も多く住んでいます。

昨年9月頃だったと思いますが、オリジン社がこのパーク24のプロジェクトを買収し大きな話題となりました。オリジン社に関しても過去ログで触れておりますので、そちらを参照ください。

オリジン社と野村不動産の共同開発プロジェクト ナイツブリッジ・プライム・オンヌット(その1)

 

フェーズ1の引き渡しは昨年10月頃から始まったと記憶していますが、それと共にバンコク中心部プライムロケーションのコンドミニアムのラグジュアリープロジェクトでは過去起きなかった異変が表面化してきました。

フェーズ1は既に完売していたと思いきや、実はそうでは無かったようで、オリジン社からは「どんどん販売して下さいね。」との打診がありました。フェーズ1のプリセール当初のプライス平米17万バーツ台であれば、ソイ24 のラグジュアリーコンドミニアムのリセール相場は20万バーツを超えている中、登記前新築物件としては当然買い得となります。

と言う事で販売価格を見ると、平米22万バーツ〜となっていました。一方リセール物件は平米17万バーツ〜となっています。

この価格差は一体どういう事なのか?

ディベロッパーのオリジン社としては、フェーズ2となるタワー5と6を家具は付いているものの平米25万バーツ〜でプリセールしている手前、フェーズ1のタワー2と3をリセール相場の平米17万バーツ〜で売ることは自殺行為となります。

一方タワー2は51階建532ユニット、タワー3は29階建300ユニットもあるこのフェーズ1、しかもその大多数が27〜30平米の1ベッドルームとなります。賃貸需要では強さを誇るソイ24の立地と言えども熾烈な賃貸競争が展開することは火を見るより明らか、と賃貸投資目的のバイヤーの目には映るでしょう。又、それ以前に転売狙いの購入者も多くいた為、結果昨年暮れから年明けにかけては仁義なき転売戦争が勃発。多くの物件がプリセールに近い価格で出ていました。勿論水面下では損切りに踏み切った売主も少なからずいたはずです。

登記前のリセールですので、ディベロッパーと転売オーナーのどちらから購入しても手続きにそれ程大きな違いはありませんし、登記費用他のコストも全く変わりません。

そのような状況なので、ディベロッパーから購入する酔狂なバイヤーはほぼ皆無、プリセール当初の価格を逃したバイヤーを始め大多数の購入希望者はリセール物件に殺到しました。条件の悪い1ベッドやコンバイン2ベッドばかりでなく、眺望の良い2ベッド角部屋も少ないながらもリセール市場にラインアップするに至ったのです。

確証は得ていませんが、フェーズ2の売れ行きにも大きく影響を与えたはずです。安売りには踏み切りたくないオリジン社、しかしながら転売市場では価格水準を下げられてしまった現実がそこにはあり、何としてでも突破口を見出さねばなりません。

ここで冒頭にお話ししたお客様からの1ベッドルーム購入のリクエストが届いた先月5月まで時計の針を進める事にします。

フェーズ1のリセール物件は全て登記が終了している為、価格水準は平米20万バーツほどになっていますが、それでもオリジン社が直売するユニットよりは割安感があるため、当然弊社としてもリセール物件をお勧めしました。登記後は移転登記費用が嵩みますので、オーナー負担などの条件の良いものを選ぶといった注意も払いました。

現在もパーク24のHPでは2ベッドルーム12MB~、とプロモーションをしていますが、問い合わせたところ3階部分との事。53~54平米で計算するとやはり平米22万バーツを超えています。

※PARK24、HPトップページ

上記の話をダイジェスト版にまとめるとざっと以下の流れとなります。数字の誤差は若干あるでしょうが大体こんな感じかと思います。

パーク24は17万バーツ前後でプリセールを開始、リセール価格の上昇を当て込み順次値上げしながら温存していた在庫を販売、その価格は完成前に22万バーツに切り上げ、フェーズ2を平米24~25万バーツでプリセール開始、リセール市場では価格低下し投げ売り物件なども登場、フェーズ1+2の在庫が継続

プリセールを開始した当初のディベロッパーはオリジン社ではないので、この問題の発端は当然以前の会社にあります。

策に溺れ、自らの策にはまり、そしてオリジン社による買収に至ったのです。

ワイルドですね~。

そして昨今、この価格ねじれ現象をあちこちで目にするようになりました。

そしてこの状況は、物件を一括購入する資金力のある投資家には大変な好機をもたらすのです。

興味のある方は、以下の過去ログを順番に流し読みして下さい。

年内注目の完成物件!Sell Before Transfer、狙い目のプロジェクトは? (その1)

年内注目の完成物件!Sell Before Transfer、狙い目のプロジェクトは? (その2)

年内注目の完成物件!Sell Before Transfer、狙い目のプロジェクトは?(その3)

Ashton AsokeとPark24を選ぶに当たって (その1)

Ashton AsokeとPark24を選ぶに当たって (その2)

やはり目が離せない年内完成のSell Before Transfer物件

間も無く終了!パーク24の登記前ファイナルリセール。

新しい局面を迎えたバンコク不動産投資

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