バンコク リノベーション奮闘記(その12、最終回)

2月18日、やっとリノベーションが終了となりました。
先回(当シリーズ第11回)を掲載したのが2月2日でしたので、それから更に2週間以上要した事になります。
最後の遅延は必ずしも手掛けてくれた施工会社Tさんチームの責任ばかりとは言えず、最後の最後になって「やっぱりこうして欲しい。」、「これも追加して欲しい。」等のリクエストをした当方側にも大きく起因しています。加えて、床に傷が付いたので補修が必要とか、細かいところの調整等も多々ありました。一応終了とはなったものの、新たに細かい不具合等も見つかったりしていますので、小さなすったもんだは未だ継続しそうです…。
まあ、タイなので仕方なし、とあきらめています。
この改修プロジェクト、昨年6月から構想を開始し、施工会社TさんよりデザイナーPさんを紹介してもらい、先ずはデザインをPさんと固め、次にTさんから見積もりをもらい、10月8日に工事開始。
計画では2ヶ月程で終了する予定だったのが、終わる事無く新年を迎え、終了したのは2月8日。何と2ヶ月以上遅延の結果となりました。
将来的にはリノベーション事業もありかな?等と目論見、自分の所有するユニットで実践してみたわけですが、2ヶ月の納期に4ヶ月以上もかかるようでは、とてもじゃないけどこのビジネスモデルの成立は夢の又夢、と結論付けねばなりません。
納期を守るためには、やはり日本人経営の施工会社を絡めないと駄目なのか?視野を広げ、構想を練り直す必要有り、と痛感しています。
さて、肝心の出来栄えは如何に?
これは90%程の満足度を得ています。特にTさんの現場努力も忘れてはなりませんが、それ以上にPさんのデザイン力が大きく功を奏しているものと思います。
実物の美しさはグラフィックデザインの印象を大きく上回り、使い勝手や収納力も期待以上、と実感しています。
写真でユニット内各所を比較してみましょう。撮影角度、フレーム、時間帯、設置している家具家電等が違う点は予めご了承ください。
リビング&ダイニング1
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
living&dining_1
リビング&ダイニング2
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
living&dining_2
リビング&ダイニング3
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
living&dining_3
テレビ周り

※ビフォー(左)⇒アフター(右)
テレビ周り
ソファー周り
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
ソファー周り
ダイニング
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
dining
キッチン
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
kitchen
主寝室
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
主寝室
第2寝室
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
第2寝室
バスルーム
※ビフォー(左)⇒アフター(右)
バスルーム
大きく変貌を遂げた事は、画像でご確認頂けるものと思います。
今回の改修費用に関して未だ厳密には集計していませんが、
デザイン・内装に1.2ミリオンバーツ、家具家電に50万バーツ
といったところです。
総額1.7ミリオンバーツ、本日の換算レートで535.5万円となります。
家具家電に関しては妥協する事無く散財しましたので、もっと安く抑える事も可能かと思います。
67㎡の小さな2ベッドルームに平米当たり約25,000バーツを費やしたことになります。
“バンコク コンドミニアム リノベーション奮闘記(その2)”で記しましたが、このユニットの予想販売価格は6.25ミリオンバーツ、平米単価93,333バーツですので、販売価格の27%のコストをかけた事になります。
それでは、このコストは販売価格に反映させる事ができるのか?
そうはならないでしょう。
販売を目的にした場合は、“素晴らしいユニット”にするよりも“程度の良いユニット”に主眼を置くべきです。値切られないように補修をする、程度で十分なのです。凝ったデザインで自分の好きなものをつくっても、買主がそれを気にいるかは未知数ですし、よっぽど共感を得た買主で無い限り、それを考慮して代価を払う事は無いはずです。
それでは賃貸価格に反映する事はできるでしょうか?
ある程度はできると思いますが、同コンド内の同等ユニットよりも15%高値設定が限界かと思います。10%程アップというのがより現実的な見方でしょう。
改装前の賃貸実績が29,000バーツでしたので、その10%は2,900バーツ。この投資額を家賃値上げで回収するには49年もかかってしまいます。ばかげた数字ですね。
平米当たり5,000バーツぐらいで補修をするに留め、“他に比して程度の良いユニット”として10%アップを狙い、10年以内で回収、というのが実現可能性のあるプランかと思います。
逆に改装を行わなければ年月を経る毎に難しくなりますので、賃貸利回りを目的とした所有であれば必要最低限の経費と考えるべきでしょう。
又、それには好立地のユニット、という条件を満たさねばなりません。立地が悪ければ、築20年のユニットをどんなに頑張っても借り手を見つける事は難しいと思います。
そういった物件を所有している場合は、築10年ぐらいで出口プランを明確に準備する必要があるでしょう。
今回はかみさんと自分の好みに合わせて突っ走った感が強く、妥協なく自らの趣味に終始した産物以外のなにものでもない、というのが結論です。
では、満足していないのか?
いいえ、大満足です。今回のプロジェクトを通じて多くの事が学べ、結果自分たち好みの住まいが出来たのですから。
自分の好きな住まい、というのは、数字だけの発想でできるわけではありません。
最後にこのユニットから見える夜景画像を掲載して、長きに渡って掲載したリノベーション奮闘記にピリオドを打つ事にします。
※夜景
夜景
尽力頂いた、施工会社Tさん、デザイナーPさん、現場で僕に代わり全てを取り仕切った僕のかみさん、感謝しています。
そして我慢強くお付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございました。
尚、当ブログはまだまだ続きますので、誤解無きように!
引き続きのご愛顧をお願いします。

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