アシュトン・アソーク、プール改修工事終了間近

5月から開始されたアシュトン・アソーク35階のプール改修工事は、当初のスケジュールでは8月末に完了予定でしたが、若干遅れているものの9月半ばまでには終了する目処が立ったようです。


※改修前のスイミングプール


※改修箇所見取り図


※改修前と後のイメージ

昨年できたばかりなのに何故改修工事の必要があるの?水漏れが原因?等の憶測がまことしやかに語られていましたが、実はアナンダが販売する際に掲載していたプールイメージでは明らかに大理石のような模様がある壁と柱であったのが、実際完成したプールではアルミニウム製になっている、とのクレームが昨年11月に開催された区分所有者の総会で挙げられ、「糾弾すべきた。約束通りのものをちゃんとつくらせるべきだ。」との方向性が過半数で採択されました。その流れの中で、交渉の末アナンダ側がその過失を認めアルミニウムから大理石に張り替える工事を実施した、と言うのが経緯となっています。

2フロア分の高さの巨大な壁や柱のアルミニウムを全て剥がし大理石に張り替えるのですから簡単な話ではありません。結局は4ヶ月の工程を見込む作業として着手したのはいいのですが、納期が守られないのはタイでは毎度の事。むしろこのような大改修で2週間程の遅れ、は上出来と言えるのではないかと個人的には思っています。


※改修中の現場風景

35階近辺の階の住人はさぞや騒音に悩まされたのでは無いでしょうか?


※張替えを終了し、最終タッチアップ作業中の様子

プール改修がやっと終わるなーと安心するのも束の間、次はセミアウトドアロビーエリアの改修が始まりました。


※改修が始まったセミアウトドアロビーエリア

こちらは雨風の侵入を防ぐロールカーテンを付ける作業ですのでプールほどは時間がかからないものの、次から次へと工事中となる建物の姿を見るにつけ、「いつ落ち着けるのかなー?」と思ってしまう次第です。

アシュトン・アソークは竣工後も地上階とルーフトップのガーデンエリアの整備、ソイ19側にセキュリティ付き出入り口の設置等々多くの改修を行っておりますが、ディベロッパーだけの工事に留まらず、多くの区分所有者が所有ユニットの内装工事を進めているので、施工業者等の出入りが実に多くなかなか落ち着いたレジデンスの佇まいにはなっていません。

反面、多くの点が改善されている事も確かなので、区分所有者にとっては資産価値上昇の一助になっているのでは無いかとは思うのですが、賃借人にとっては迷惑以外のなにものでもありませんので、喧騒のバンコク市街中心の立地とは言え、早くに落ち着いて居住できるレジデンスとしての静けさを確立して欲しいと考えています。

最後にアシュトン・アソーク関連の時事として、9月1日より管理会社がJLLからSMCに入れ関わる事を付け加えておきます

JLLは広く知られる世界的な不動産会社でレジデンス・オフィス・商業ビルの管理業務には特に高い定評があります。タイにおいても数え切れないぐらいのビルディングの管理業務を行なっています。日本でもJLLの名前を耳にしている人は多いのでは無いでしょうか?

一方、SMCはタイの会社で僕は正直知りませんでした。ハイドスクムビットや幾つかのアイデオ等のレジデンス管理は行なっているようです。売買・賃貸業務で弊社が案内するコンドミニアムに該当するものが無かった為知らなかったのですが、規模ではJLLに遠く及ばないものの大きな会社ではあります。

タイで長期に渡りビジネスを手がけていると、現地系の会社の不得手部分が良く理解できるのですが、報連相の徹底、チームワーク、顧客意識、業務のマニュアル化といった点はその内の一部です。勿論総じてタイの会社全てが当てはまる訳ではありません。きっちりやる会社も少なからずあります。

但し、そういった特徴的な弱さはその国の教育、文化、社会的な固有性の中で長きに渡り育まれているものなので(勿論それによるプラス面もマイナスを打ち消して余りあるものがあります)、それを客観的に理解し判断できるリーダーが強い意志を持ってレベルアップしなければ、サービス受諾者、特に日本のような優れたサービスに慣れている日本人顧客の眼鏡に叶う事はありません。

ビルディングマネジメントでは一日の長があるJLLはそのような弱点を克服している組織だと評価していますので、僕自身はこの入れ替えには反対です。

アシュトンアソーク竣工後、一時は裁判沙汰で登記できないといった深刻な問題に直面しながらも良くやってきたと評価しています。尤も竣工当初はアナンダよりアポイントされての業務委託でしたので、アナンダを忖度しながら管理を行ってきた事は確かだとは思います。それを脇に置いたとしても、又細かい間違いは多々あるものの、全体的にエクセレントまでは行かないまでも十分な合格点を付与できると思っています。

SMCは区分所有者の理事会により選抜された会社です。当然、十分な検討が為されての結論ですが、僕自身はこの移管にリスクを感じています。杞憂である事を祈るのみです。

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