RHYTHM SUKHUMVIT 42 (その8)

読者の皆様、ここで記憶を呼び起こして下さい。以前にこの物件の家賃レンジを45,000~55,000バーツ/月と推定しました。「そんなの覚えてないよ。」、「そこは読んでない。」といった途中参戦の方は、9月5日付の”RHYTHM SUKHUMVIT その4”を一読下さい。この推定家賃が設定されるまでの件をご理解頂けると思います。
先述したとおり家賃は、内装・インテリア、向き、階数、その時の運‥等、様々な要素の影響を受けて確定します。RHYTHM SUKHUMVIT 42は家具付きで分譲されますので、内装・インテリアはマイナス要因に作用するとは考え難い。又、向きは西向きで、所在階は17階ですので、素晴らしいバンコク中心街の眺望が楽します。従って、過去の弊社の賃貸実績からの想定では、50,000~55,000バーツ/月は難い線となります。36階建ての17階ですので、少々乱暴ですが、家賃収入は53,000バーツ/月に設定します。
これで全ての必要な数字が出揃いました。
先回導き出したこの17階・1ベッドルーム・48平米を購入する為の合計投資金額は、8,666,429バーツでした。従って利回りは、
53,000バーツ/月 X 12ヵ月 ÷ 8,666,429バーツ x 100 ≒ 7.3386%
となります。
如何ですか?期待を削がれた方も多いのでは無いでしょうか?タイの不動産投資を謳った数多くのHPでは、今バンコクの不動産投資が熱い、必ず値上がってぼろ儲け、固定資産税も相続税も無いので絶対お得、賃貸収入と価値上昇でおいしい投資、‥等、心踊らされるような内容が満載されています。嘘八百と決め付ける気は毛頭ありませんし、ある程度の信憑性が含まれている事も事実です。ですが、これが歴然たる見込める家賃収入の確かな一例となります。年間の賃貸仲介実績が3,000に及ぶ弊社の賃貸実績を上回る日系不動産仲介業者はありませんし、又今回紹介したデータには一切の歪曲はありません。
上記に加えて、賃貸物件は築浅が選好される点にも留意が必要です。新しい内は未だいいですが、年数を経るにつれ空きが目立つようになります。最初の10年は空室率10%、次の10年は20%等と係数を設ける必要があるでしょう。加えてメインテナンス等の維持費も増大し、10~15年も経てば多少なりとも改装が必要となります。当然ながらこういった経費の増大は、投資利回りを押し下げます。
次にもう一つのモデルルームとして紹介した、2ベッドルーム・80平米の購入金額と家賃見込、そして利回りを見ていきましょう。
モデルルームは以前に紹介した通り、タイプC32で南西角部屋でしたが、具体的な購入金額を問い合わせたところ、「完売。」との返事でした。そこでC32とは全く同じ間取り、広さで対照するレイアウトとなっているC31・北西角部屋を代替例としてサンプリングする事にします。

◇RHYTHM SUKHUMVIT 42 2ベッド2バス 80平米 北西角部屋 32階/36階建て
タイ語の購入予約契約書しか入手できませんでした。すいません。既に1ベッドルームの説明の際に、物件購入金額・分割支払い方式・税金・経費‥等には触れましたので、ここでは単刀直入に必要な数字を以下に列挙します。
● 物件購入金額 15,035,560バーツ(平米当たり187,945バーツ)
● トランスファーフィー 約150,356バーツ(物件評価額の1%)
● シンキングファンド 40,000バーツ
● 管理費1年分 43,200バーツ
● 家電類購入経費 約200,000バーツ
物件購入合計投資額 約15,479,116バーツ
推定家賃 80,000バーツ/月
利回り 約6.2%
上記の通り、利回りシミュレーションでは、1ベッドルームの方が2ベッドルームに比較して約1.1%以上の高利回りが期待できる結果となりました。「購入して自分で住む。」といった計画が無く、単なる不動産投資のみを狙っている方には1ベッドルームの購入をお勧めします。
実は1ベッドルームのチョイスをお勧めするもう一つの理由があります。弊社では、バンコクにおける代表的な日系企業家賃補助額の調査を行っています。弊社では約1,000社以上の日系企業との取引実績があり、その中の15社のみを抽出して毎年数値を記録しているのですが、その内容は取引のある企業には発表しますが、それ以外では社外秘の扱いとしています。「ですので、教えません。」では読者の皆様の理解を得られませんので、差し障りの生じない範囲で漏えいする事にします。家賃補助額は、単身・夫婦・子供1人の夫婦・子供2人の夫婦、といった具合に世帯内容によって違ってくるのですが、想定テナントに関しては、1ベッドルームは単身世帯、2ベッドルームは夫婦又は子供1人の夫婦で設定するのが、弊社の実績上妥当と判断します。弊社の調査によると、単身世帯に53,000バーツ以上の家賃補助額を支給しているのは15社中5社ありますが、夫婦・又は子供1人の夫婦世帯に80,000バーツ以上の家賃補助額を支給しているのは2社に留まります。又、この抽出した15社はどれも名の通った一流企業ですので、家賃支給額のレンジはトップクラスと考えて下さい。つまり、この2ベッドルームの借り手となり得る日本人テナントはかなりの少数派と言えます。更に、駐在員の数は単身者が家族世帯に比べてずっと多い、という事実にも着目が必要です。結論として、客付けにおいても、家賃利回りにおいても、1ベッドルームの方が有利なのです。
これまで8回に渡って家賃収入による投資利回りを説明しましたが、楽しんで頂けましたでしょうか。後半は数字中心の話に終始し、多少食傷気味になっているのでは?

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