在庫一掃プロモーションが引き起こす価格ねじれ現象 (その1)

本ブログをご愛読して頂いている方であれば、バンコクのコンドミニアム市場は売れ行き鈍化で在庫が積み上がっている状況は十分ご理解頂けているかと思います。
在庫を抱えているディベロッパーが販売攻勢をかける中で、限定的にではありますが、日本人居住区内においても魅力的な価格の物件を目にするようになりました。
エカマイのドンキホーテ周辺に日系企業の合弁によるプロジェクトが集結している状況を以前ご紹介しましたが(参照過去ログ:エカマイに集結する日系合弁事業によるコンドプロジェクト)、その中のプロジェクトの一つ“インプレッション・エカマイ”が2-3階のフロア限定で平米13.9-14.9万バーツのプロモーション価格を発表したところ、流石に割安さが響いたのか結構なスピードで売れて行きました。

 


※インプレッション・エカマイ、2-3階限定プロモーション

プロジェクト詳細に関しては、弊社のHPを参照下さい。

プリセール発表時には平米17〜22万バーツぐらいの値付けだったと記憶していますので、 最低層階とは言えこのエリアではかなり割安な価格設定となります。

BTSエカマイ駅からは離れていますが、ビッグCのあるパワーモールは斜向かい、開業したばかりのドンキモールも徒歩すぐ、そしてトンローへのアクセスも良好です。


※インプレッション・エカマイ、ロケーションマップ

エカマイはトンロー同様に昔から富裕層の豪奢な一軒家が並ぶバンコク屈指の高級住宅街ですので、比較的閑静な住環境が整っています。とは言え、超高級ナイトクラブが多数ありますので、深夜からは別の顔を見せたりもするようです。

今年に入りタイ証券取引場に見事上場を果たし勢いのあるオールインスパイア、JR九州、フージャース3社の合弁事業による開発で、グレードはラグジュアリークラス設定。他日系企業の合弁事業による周辺プロジェクトと比較すると、パーク・オリジン・トンロー>インプレッション・エカマイ>ファイン・バンコク=リズム・エカマイ・エステートといった位置付けになるかと見ています。

タワーBの2-3階限定となりますが、北側は低層の一軒家ですので、眺望は抜けており閉塞感はありません。南側は7階建てのレジデンスがありますので、北向きほど眺望は良くありません。


※北側眺望


※南側眺望

と言う事で、プロモーション開始直後瞬く間に北側は完売。南側も数ユニットを残すのみとまずまずの盛況ぶりとなりました。

さすがに駅近ではないものの、日本人居住区中心部、高級住宅地といった立地条件のラグジュアリーコンドミニアムで平米13.9万バーツとなると、周囲にある築5年以上の中古物件Ceil by SansiriやAlcove Thonglor 10のリセール価格に接近しますので、市場価格を理解している投資家が「買い」の判断をするのはごく自然の成り行きなのかなと感じます。

低層階といったデメリットはあるものの眺望はさほど悪くない、となれば上層階のユニットとの価格比較では十分お得感があるものと思います。

又、もっと奥の立地で現在建築中となっている低層8階建てのtaka Hausは平米単価15〜22万バーツで既にほぼ完売していますが、それと比較してもインプレッション・エカマイがどれだけ買い得なのかが分かります。

在庫一掃に向けあの手この手を打ってくるディベロッパーの動きは今後更に加速し、条件のいい物件がそうではない物件よりも安価に売り出される、といったねじれ現象は今後も頻繁に現れるのではないかと予測しています。

半年以上前から、機会がある毎に、

大幅な価格上昇が背景にある販売率の低下は、転売益狙いの購入に対しては大きなリスクとなるので、これまで多数を占めた転売狙いの購入者は減少に向かう。プリセール買いの投資必勝方程式は既に崩壊したと考えたい。
昨年暮れから目立ち始めた登記前投げ売り物件は、賃貸投資をする場合は資金効率が良くお勧めするが、一括購入できる投資家に限定される。
バンコク不動産市場が黎明期から安定成長期へと入る中、
・プリセールプロジェクトには飛び付かず慎重に検討
・登記前投げ売り物件の情報収集
・賃貸に強い築浅中古物件の検討
と、トータルに見る視野が必要となっている。
(2018年12月10日発行の弊社発行のニュースレターより抜粋)

と、訴求してきましたが、この内容は今正に現実となっています。

バンコクCBDにおける在庫一掃プロモーションでは、オンヌット駅以降の郊外の駅近プロジェクトよりも割安な設定をされるケースも散見していますので、幅広く市場を見ながら投資物件を選択すれば、キャッシュポジションを持つ投資家は大きなアドバンテージを握る事ができます。

但し、その投資手法は高度なインテリジェンスを必要とします。日本でたまたま得た情報を鵜呑みにして飛びつくとまず失敗しますので、過信は禁物。信用できるプロの意見に是非耳を傾けるようにして下さい。

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