在庫一掃プロモーションが引き起こす市場ねじれ現象 (その2)

前回のブログで、
在庫一掃に向けあの手この手を打ってくるディベロッパーの動きは今後更に加速し、条件のいい物件がそうではない物件よりも安価に売り出される、といったねじれ現象は今後も頻繁に現れるのではないかと予測しています。

と書きましたが、それを実証する為に幾つかの物件を抽出して比較してみましょう。


※コンドミニアム比較表

立地、建物グレード、設備、ディベロッパーの評判等の条件が複雑に絡む不動産は、一般の商品と違い単純比較してこちらが良くてあちらが悪いと客観的に判断するのは困難であり、それに加えて、買う目的も投資、自己居住、投資+自己居住等に分かれますので、全ての買い手に等しく物件価値を固定する事も出来ません。

例えば、立地だけ論ずるにおいても、エリア、駅近か否か、スーパー近等の生活利便性などなど様々な要素があり、その評価基準や優先順位も決して単純ではありません。

上記の物件は全て弊社のHPで掲載しています。個々にリンクは貼りませんが、物件詳細に興味のある方はそちらをご覧下さい。

バンコクのコンドミニアムを十分に把握していれば、価格にねじれ現象が生じている事が見て取れると思います。但し、エリア、駅近等の評価基準が僕のものと違えば、その見方も異なる事は十分にあり得ます。それについては敢えて否定致しません。

価格以外の要素を比較してみましょう。

*ディベロッパー*

評判こそはまちまちですが、上から3社は全て上場企業であり、甲乙付け難いのですが、メトロポリスに関してはやはり知名度で劣ります。但し、それがビルディングクオリティの優劣に直結する事には決してなりません。上場している大手ディベロッパーでも評判の悪い会社は少なからず存在します。

という前提ではありますが、タイのコンドミニアム市場においては、ディベロッパーのブランディングが日本以上に浸透していますので、無名ディベロッパーの物件は比較的割安価格に設定される事が一般的です。又、売却時の売り易さにも大きく影響しているのは事実です。

日系ディベロッパー又は有名企業との合弁は概ね肯定的に市場に受け入れられています。これはタイ人バイヤーに限らず、中国人も含めて人種に限らず同様に言える事です。これこそジャパンブランドの面目躍如といったところでしょうか?

余談になりますが、海外において、日本人と日本企業はこのジャパンブランドによる恩恵を有形無形に受けています。これは日本の先人達が個人、及び企業レベルで築き上げてきた偉大な遺産であると僕は思っています。我々の世代で絶やす事なく、この信頼を次の世代に繋いでいきたいものです。

オールインスパイア+日系2社=SCアセット=MQDC>メトロポリスプロパティー

*最寄り駅*


※BTS路線図

エカマイ>オンヌット>プナウイティー>サムロン

インプレッション以外は全部駅近になります。

*タワー/低層*

チェンバー以外は全てタワー物件

*特徴*

商業モール、オフィス、レジデンスの総合開発であるウィズドムに軍配が上がりますが、敷地を出るとローカルタウンですので、エリア全体としての利便性はインプレッション・エカマイとチェンバーに分があります。

表には記載しませんでしたが、家賃金額と表面利回りを予想すると、

インプレッション・エカマイ 800バーツ(2,800円)/平米/月〜 6.9%
チェンバー 600バーツ(2,100円)/平米/月〜 5.8%
ウイズドム101・コネクト 600バーツ(2,100円)/平米/月〜 4.9%
メトロポリス 400バーツ(1,400円)/平米/月〜 5.1%

となります。

当然ながら市況により家賃も少なからず動きますので、その点はご了承下さい。

インプレッション・エカマイは2階に限定した利回りなので有利に見えますが、低層階は上層階よりも当然貸し難いので、そのリスクは常時存在する事をお忘れなく。インプレッション・エカマイを売る為に殊更いい事を並べ立てたいといった意図は毛頭ありません。

ウィズドム101・コネクトは街を形成するといった他とは希望の違う複合プロジェクトというアドバンテージはあるのですが、非常に多くの中国人が買っているので、家賃競争に晒されるリスクを感じています。

多数の中国人が買っているのは昨今どのプロジェクトでも共通している事なのですが、このウィズドム101においてはその割合が突出しているものと見ています。

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