地価が上昇する条件。バンコクと日本の状況を照合してみる②

今回は前置きなしで書きます。
まず下の路線図をご覧下さい

※現在路線図(中長距離の国鉄は含まず)
↓  ↓

※計画路線図(トンローモノレール含まず)
大きな様変わりとなります。
いうなればバンコクは発展途上国以上の位置づけで、先進国とはまだ言い難い面はありますがASEAN経済共同体の中心的役割を担い、現状は開発途上にあるのです。
先進国になるという目標を強く感じます。路線、商業モール、インフラを大急ぎで開発している状況です。といっても、商業モールに関しては既に先進国並みといっても過言ではありません。
よって都内はあちこちで開発工事が進行中で、大問題の渋滞は最近また少しひどくなってきたようなきがします。
日本の場合の多くは、駅が出来てから商店や、多種多様な商業施設が形成されていくことが一般的な進化プロセスでした。どれだけの施設が出来るかによってその駅周辺の地価や価値が定まっていったのではないかと思います。
しかしバンコクの場合は新駅が出来る立地において、既に商業施設が出来ているところが大半を占めますので、価値が上がるか下がるかは想定しやすい状況です。
バンコクの街に出向いて駅前や駅予定地の雰囲気や、どのような商業施設があるかまたは出来るかを見ると、ここは日本の○○町のようになるなとか、ここは状況が○○町と似ているとか自然と思い浮かんできます。
日本の場合は後から開発が後付けで付随してくるので、その商業環境の発展状況までは想像つきにくかったと記憶しています。
スーパーマーケットを一例にとって見ます。新たなスーパーが出来る予定がたち、不動産業者はその情報を積極的に購入検討者にお知らせします。しかしそのスーパーの品揃えが悪くあまり新鮮な商品が揃えられていない、どちらかというと閑古鳥が鳴いている状況に近い、そういうスーパーってありますよね。
これでは町(その周辺)は、あまり伸びないのです。
反面駅から遠いけど人気スーパーがあり品揃えも良い。そうなると駅から距離はあるけど、「あのスーパーがあるならのであれば」と購入に値する条件となります。
逆に駅前でも商業施設等がさほど整っていない場所は都心から近くても伸び悩んでいる町も見かけます。
東京23区内の買い物環境は二極化すると思うのですが、中心に近ければ近いほど大規模なスーパーは少なく、価格の高い古くからある商店街等も残っている場合が多い事が目に付きます。目黒近くの武蔵小山商店街や品川区の戸越銀座は有名な商店街で、まさにその一例となるでしょう。
23区外れのほうに行くと、古くからの商店街は取り壊され、若しくはシャッター通りとなり大規模ショッピングモールが形成されることが多いですね。それだけ大きな土地があり、当然都心と比べれば地価も安いので開発もしやすいわけです。
以前恵比寿に住んでいる友達に幕張のコストコを知らないと言われました。
23区から埼玉や千葉に入ると大型ショッピングモールがとても多くなっていきます。そういった場所にも実は大した時間を要さないでアクセスする事ができます。買い物環境からすれば大型商業施設がある方が圧倒的に楽しいと思います。
たとえばニトリのような建物丸ごと生活用品センターなんて見ているだけでも楽しいし、電化製品ファンにはヤマダ電機等の郊外店舗の方が圧倒的に広いし品揃えも多く、大型商業施設を数件回るだけで休日のショッピングライフを有意義に過ごせるのではないかと思います。
さらに回転寿司にしろ、ファミレス並みの広さで展開しています。スーパー以外にも映画館、ボーリング場等の複合施設があり、都心近くに住んでいる方もこういうところに住みたいと思われた方は少なからずいるのではないかと思います。
バンコクには中心地でもこのような複合商業モールがいくつもあるのです。

※人気モールのメガバンナー
重要なことは、23区域から外れた場合、その土地の人気は商業施設無しでは語れません。勿論それだけでなく、行政や病院等生活に関する環境の整備も含めて考える必要はありますが、どんなに良い行政でも、どんなに有名な病院があってもそれだけでは人気地域にはなりません。
買い物環境も、人気の施設があるとより良い事は言うまでもありません。バンコクの場合はモールと共に発展する背景があり、いたるところにショッピングモールが存在します。
タイ人の志向の変化
今まで電車なんてないのが当たりまえであったバンコク。駅の近さとは全く関係なく、町並みが形成され、買い物環境が整い、コンビニエンスストアもセブンイレブンを始めいたるところに配置され、まるで駅前のような雰囲気の町並みを多く見かけます。
ヨシダ不動産が支店を構えるシラチャの街もまさにそのような雰囲気で、中心にあるロビンソンデパート周辺はまさに駅前の赴きそのものです。
これはタイ人にとって、極当たり前の光景でした。
しかし上記沿線の拡大計画により、コンドミニアムの売れ行きに明らかな志向の変化が見受けられるようになりました。駅前若しくは徒歩圏志向に明確に変化してきました。
上記路線計画図においてもメトロポリス的な路線配置となっています。これだけの路線が計画され、工事着工しています。
人気上昇が予想される物件のプリセールには徹夜組みも現れる状況です。
タイ統計局調査によると、タイ人の平均世帯所得は月20,903バーツ。これがバンコクになる37,732バーツまで上昇します。その層はミドルクラスと位置付けられ、このミドルクラスを中心にコンドミニアムの購入ラッシュが起きている状況です。
従来は駅が少なかった状況下駅がなくても当たり前であったバンコクですが、次々と駅ができることにより駅近物件を求め出したのは自然の流れと言えます。今では多くのタイ人ホワイトカラー層が、日本の大都市と同様にBTS(高架鉄道)、MRT(地下鉄)を使って通勤しているわけです。勿論利用目的は通勤のみに限定される事無く、都民の日常の足として定着するに至っています。
これは当然の原理なのかもしれませんね。
以前特集させていただいた返済比率25%を振り返ってみましょう。37,732バーツX25%=9,433バーツX12ヶ月=113,196バーツとなります。25%をタイに当てはめてよいかは正直わかりません。
バンコクにてタイ人に売れ行きの良い価格帯は100万バーツ中盤から300万バーツほどです。
113,916バーツをタイでの住宅ローン最長期間の25年で掛けると2,829,900バーツ。おおよそ平均的購入価格になるわけです。平均より少し高いかもしれませんね。
何事にもマイペンライ(なんとかなるさ)なタイ人ですが、ここでは計算が成り立っており、しっかりと生活を考えているということですね。
しかしタイ人にとって今後大丈夫だろうか?と思う不安要素が一つ有り、それが僕の中でどうしても拭い去る事ができません。
当シリーズ③ではそこを中心に地価上昇のタイトル内容と共に書きたいと思います。が、その前にプリセールについてもっと詳細に教えて欲しい、と要望がありましたので、一度その内容を挟ませていただきます.

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