The Fine Bangkok -The First Light from Japan-

前回掲載した6件の新規プロジェクトの中でも、最も新鮮味を感じたエカマイのプロジェクトThe Fine Bangkok(ザファインバンコク)から検証する事にします。


※ザファインバンコク

前回のブログで記載した一覧からこのプロジェクトの部分を以下に抜粋しました。

 

このプロジェクトはサンキョウホームタイ法人と京阪不動産の合弁事業ですので、100%日系ディベロッパー資本のプロジェクトとなります。その点では日本の大手ディベロッパー+タイ大手ディベロッパーの合弁とは事業形態が全く違います。

既に三井、三菱、野村、東急他の大手ディベロッパーが合弁事業を手がけてきましたが、過去にも説明したようにそれらのディベロッパーは出資、日本での販売業務以外にはノータッチでしたので、日本のマンションのノウハウ等が投入される事は皆無で、プロジェクト立案、デザイン、建築等の主要部分は従来通り全てタイ側ディベロッパーが担ってきました。

ですので、日系ディベロッパーが出資した物件を見ても、デザインや間取り等で目新しさというのは全く無く、それまでのタイ側ディベロッパーのコンセプトに大きな変化を目にすることはありませんでした。

今回日系ディベロッパーの資本100%で行われているこのプロジェクトは、その流れとは大きく違っています。

先日ショールムームの視察に行って来ましたが、間取りづくりに日本のマンションデザインのノウハウが見て取れ、「タイにもやっとこの時が来たか。」といった、新時代を予感させるといったら大げさですが、新たな進化の第一歩が印象付けられた次第です。

タイのコンドミニアムは玄関のドアを開けるとダイニングキッチンやリビングが全て丸見えというのが一般的で、玄関という空間も全く考えられておりませんでした。これは近年ユニットサイズが日本並みになりつつあるのが原因とかいうのでは無く、生活文化そのものに根付いた生活様式やリビンクオリティの違いがあり、そこまでの強いニーズが無かったというのがその理由ではないかと僕自身推測しています。言い方は乱暴になりますが、生活水準における先進国と発展途上国の違いがそこにあったのだと思います。

実際玄関口の床素材にセラミックや石材等が使用されるようになったのはここ5年程の事で、備え付けのシューズクローゼットに関しても同様です。多数のプロジェクトにおいては、未だに玄関スペースなし、収納なしと従来通りの仕様が継続しているのが現実です。

ザファインバンコクでは、玄関という明確な空間がデザインされているだけで無く、訪問者が玄関口からリビングエリアを見えないようにレイアウトされているユニットが全体の半数以上に及んでいます。

詳細は下の間取図を参照下さい。


1ベッドルーム、ユニットタイプ1A 34.5㎡


1ベッドルーム、ユニットタイプ1B 35㎡


2ベッドルーム、ユニットタイプ2A 55.5㎡


2ベッドルーム、ユニットタイプ2B 56.5㎡

上記のユニットはどれも玄関口からリビングエリアが全く見えない、又は見え難いレイアウトとなっている事が分かります。

このプロジェクトのキャッチフレーズとなっているThe First Light From Japan1(日本から最初の光)は、日本のマンションノウハウが投入されたバンコク初のプロジェクトを意味しているものと思いますが、それはこの間取りづくりにも体現されているわけです。

その他のプロジェクト詳細情報に関しては、弊社のHP又は公式HPを参照下さい。

価格は平米17万バーツ〜となっており、今回紹介するプロジェクトの中では最安値です。中層階以上の中心価格帯は平米20万バーツ前後となり、過去ログ:完成後登記前バーゲンリセール情報 (その2)でも取り上げたRhythm Ekkamai(リズムエカマイ)の価格帯に重なってきますので、僕が投資家だったらどっちを選ぶかな?と考えると、うーむと首を傾げて思案のしどころとなってしまいます。

リズムエカマイは駅近という圧倒的な強みを持っていますので、日本人賃貸等の特異条件を考慮しない場合、ユニバーサルな資産価値としてはこちらに軍配がどうしても上がります。又、完成目前で来年早々には引き渡しが始まりますので、プリセール物件を購入に伴うリスクはほぼありません。但し、一括資金が必要になります。

投資価値としてはリズムエカマイには一歩及ばないものの、現行の新規プロジェクトとしては価格もおさえられております。プリセール物件の支払いプランですので、物件価格の30%ほどの手元資金は必要になりますが、残金は完成予定の2020年9月の決済となります。

ザファインバンコクの真骨頂は100%日本のディベロッパーによる開発で日本のマンションノウハウが投入されている点にあります。

又、駅近ではないものの、パワーモールや現在建設中のドンキホーテ等までは徒歩数分と生活利便性は悪くありません。トンローの人気エリアも徒歩圏内に捉えています。もともと富裕層の豪邸が並ぶ高級住宅地ですので、比較的静かな住環境となっている点もポイントが高いのではないかと思います。

投資的側面では完成目前のRhythm Ekkmaiに分があるものと判断しますが、自己居住目的であればザファインバンコクの選択肢は十分あるものと感じます。エカマイのラグジュアリーコンドの価格帯は平米20万バーツになりつつある今、ザファインバンコクの平米17万バーツ〜の価格帯は、その内容を鑑みるとリーズナブルなのではないかと思います。

但し、完成前のリズムエカマイと価格が拮抗している状況を考察するにつけ、当初のテーマとなっている“不動産市場の潮目の変化”を否定する要素感じられませんので、完成前の転売益を目的とした投資にはリスクが高いものと思います。投資手法としては、購入→登記→賃貸利益(又は自己居住)→(登記後5年以降)売却という形になるかと思います。

尚、東側にCeil by Sansiri(3棟で14、17、8階建)と西側にM Thonglor(22階建)がありますので、ユニット選びには注意が必要です。


※立地図

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