明暗を分けるパタヤのコンドミニアムロケーション (その1)

前回に引き続きパタヤ地区についてお話しします。

過去ログ:セントラルパタヤ明暗を分けた2つのプロジェクトでは、サンシリのベース・セントラル・パタヤとチューリップグループのグランド・アベニュー・レジデンスの2つの物件を比較しました。

ベース・セントラル・パタヤはその後価格上昇を続け、プリセール価格から4割程上昇、民泊運営を目的にパタヤで不動産投資をする中国人には一番人気となっているようで、外国人区分はなかなか中古市場にも出てこない有様です。

第2弾として今年5月に販売されたエッジ・セントラル・パタヤでは、外国人区分は平米単価17万バーツ〜とパタヤでは高額設定にも関わらず、正式プリセールを待たずに完売するという異常事態となりました。そしてこれも外国人区分ユニットはリセール市場であまり目にする事はありません。

エッジ・セントラル・パタヤがプリセールされた際の経緯は次の過去ログを参照願います。

過去ログ
プリセール開始まで1ヶ月を切った EDGE CENTRAL PATTAYA
EDGE CENTRAL PATTAYA、プリセール前のし烈なユニット争奪戦
EDGE CENTRAL PATTAYA プリセール前に外国人区分ユニット完売!

一方、暗転したグランド・アベニュー・レジデンスはそれまでのマネジメントチームを一掃し、新経営陣でプロジェクトの立て直しを図りました。既に1年以上も完成引き渡しが遅れているプロジェクトですが、新経営陣の取り組みは功を奏し、ホテル部分を除き来年早々には引き渡しが行われる模様です。

外国人区分ユニットの転売市場は振るっていませんが、購入価格と同じか若干のディスカウント(損切り)をすれば買い手はつくような状況となっています。もともと平米単価はベース・セントラル・パタヤよりも安値設定となっていますから、価格上昇後のベース・セントラル・パタヤやエッジ・セントラル・パタヤと比較すると立地、低層、ブランド力等でどうしても見劣りはするものの、開いた価格差の魅力で選択する実需購入者、投資家は市場には少なからずいるようです。

立地はメイン通りから若干入り込んだエリアになりますが、買い物、外食、エンターテイメント等には非常に便利。又、低層なので海の眺望等はありませんが、室内のつくりはベース・セントラル・パタヤ以上のグレードになっていますので、プリセール価格より安く買えるのであれば自己居住を考えている外国人にはあながち悪くない選択だと僕の目には映ります。

上述の通り、グランド・アベニュー・レジデンスは大きな値引きをする事なく転売が可能ですので、やはりパタヤ中心の立地に助けられているところが大きいのだと思います。その背景には、中国人の個人旅行者をターゲットにした民泊の巨大マーケットがある事は間違いないでしょう。


※パタヤマップ

中国人のタイへの年間渡航者数は1000万人に届いてきており、日本人渡航者の7-8倍。又、日本人と違いその過半数はパタヤに宿泊する日程になっていると聞きます。

過去ログ:多様化が進むパタヤの人気ロケーションでは、外国人滞在者のマジョリティーが欧米人やロシア人から中国人へと変遷する中で、選ばれるロケーションがビーチフロント等ビーチリゾートならではの海岸エリアから買い物や食事等に利便性の高いパタヤシティ中心部に比重が移ってきた状況を説明しました。


※ビーチフロントにタワーコンドが並ぶWong Amat Beach(ウオンアマットビーチ)

当然そこには欧米人やロシア人のように長いバカンスを楽しむ中・長期の滞在と旅行者を中心とした短期滞在といったライフスタイルの違いが、滞在時のニーズそしてそのロケーションの選択を根本から変化させているのです。

このような状況が進む中、パタヤでは多くの売れ残り在庫を抱えているエリアが出現しています。

次回はそれについて説明したいと思います。

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