明暗を分けるパタヤのコンドミニアムロケーション (その2)

タイの有力不動産ニュースサイトによれば2018年6月末時点で、約14,000ユニットのコンドミニアムが市場で販売されている。その内訳に関しての記述はないので、プリセールなのか中古なのか全く分からないのですが、多くの売れ残り在庫が市場では溢れている、と理解すべきなのかと思います。

前々回、前回のブログで説明した通り、簡単に買えない程の人気プロジェクトもあれば、完成間近になっても多くの在庫を抱える不人気なものもあり、勝敗は明確に出ているものの、実際は、前者は稀なケースで、多くのプロジェクトが後者のケースに該当します。

売れ残り在庫を抱えているプロジェクトは、主にジョンティエン地区に集中しています。

パタヤのエリア地図を参照下さい。


※パタヤエリアマップ

ジョムティエン地区はパタヤの南側に広がるエリアで、スピードボートやパラセイリングが引っ切り無しに行き交い何かと騒々しいパタヤビーチとは一線を画し、数キロに渡り白い砂浜のビーチが伸びるのどかなビーチリゾートとなっています。歓楽街パタヤの喧騒を嫌いのんびりとしたビーチライフを送りたい、といった向きの欧米人を中心に従来から人気のあるエリアでした。

パタヤ同様に海岸線に沿ってビーチロードが走っている為、パタヤ北に位置するウオンアマット地区、ジョムティンの南に位置するナジョムティエン地区のようにビーチにダイレクトアクセスできるようなコンドミニアムやビラ等はありませんが、ビーチロードに沿ってホテル、タワーコンドミニアムが建ち並んでいます。

ビーチフロントとなるビーチロードに沿ったコンドミニアムプロジェクトも少なからず売れ残り在庫を抱えていますが、ビーチロードに並行するジョムティンセカンドロードに面したプロジェクト等は比較にならない程の大量の在庫を抱えています。


※ジョムティンセカンドロード地図


※ジョムティンジョムティンセカンドロード風景


※ジョムティエンセカンロード周辺プロジェクト

ジョムティンセカンドロードは2010年頃に開通したと記憶していますが、当時パタヤ不動産景気はピークに向けて一直線といった好況であった事もあり、この開通を境に周辺には多数のプロジェクトが一挙に滑り出しました。勿論、最高の立地となるジョムティンビーチに沿った土地は既に枯渇しつつあったのもその要因となっています。

地図に掲載したコンドミニアムは代表的なものを任意に抽出した一部であり、実際は他にも大小多数のプロジェクトがあります。

セカンドロードに面した物件はタワー建築の認可が降りますが、内部に入ってしまうと認可は降りない為、大型ラグーンプールを囲んで7-8階のレジデンスを建てる形式が主に採用されました。

パタヤ地区においてはこのスタイルがよく見られますが、タワーコンドと違い海の眺望叶わない為、それを埋め合わせるようにテーマパークさながらのウオータースライダーやラグーン等を設け付加価値を与える戦術を常套手段としたわけです。これが又かなりの趣向を凝らしてつくり込まれている事もあり、見慣れない人は購買意欲を強く刺激されるようです。

又、価格も平米単価5万バーツ〜とタワーコンドに比べて半額近くで購入できるものもあり、内陸側で不便ではあるものの「予算は無いけどどうしてもパタヤに住みたい。」といったパタヤファンの購入者には力強い味方となったわけです。

但し、怒涛の如くこの手の新規プロジェクトが市場になだれ込んだものの、2014-5年を境にパタヤの不動産市況は下降に転じてしまい、その結果多くの在庫が積み上がり、そのようなプロジェクトのオーナーディベロッパーはその在庫に今現在も苦しめられているのです。

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