賃貸利回りだけ見ても無意味

当ブログの読者の皆様であれば、タイトルを見れば大体予想がつくかと思いますが、タイの賃貸市場に重ねながら説明致します。

3年以上前になりますが、「中古コンドミニアムバイヤーズガイド」のタイトルで、日本人居住区の当時の主要コンドミニアムの売買平米単価、賃貸平米単価、賃貸人気度を数回に渡ってレビューしました。

参照過去ログ:中古コンドミニアムバイヤーズガイド トンロー編(その1)

時間も経ているので既にデータが劣化している部分もあり、その内時間を見つけてアップデートしたいとも考えているのですが、業務の優先順位上なかなかまとまった時間が取れないのが現状です。

当時のブログで書いた以下の部分を参照下さい。


賃貸人気度A
時期にもよりますが、1ヶ月以内で値引き無しで確実にテナント付けできるレベル、としての評価です。
賃貸人気度B
テナント付けに2~3ヶ月程要するレベル、テナントの要求に応えて値引き、家具交換、その他サービスの提供も必要になります。
賃貸人気度C
テナント付けに3ヶ月以上はかかり、半年~1年は空室状態となる可能性を秘めるレベル。テナントの要求にはほぼ全面受諾を強いられるでしょう。
賃貸人気度D
未だ登場していませんが、採算に合わないような値引きをして初めてテナント付けが可能、又はほぼあきらめた方がいいでしょう、といったレベル。家賃も含めて無条件降伏をしてもテナント付けは困難となります。従って賃貸投資には絶対購入してはいけない物件となります。

コンド毎の紹介では賃貸利回りを記していますが、仮に7%となっていても、
A物件 7%に近い額面通りの利回りが得られる
B物件 2ヶ月空室で5.8% 3ヶ月空室5.3%
C物件 6ヵ月空室で3.5%
D物件 ?
となります。

上記は設定通りの家賃で契約できた場合のケースである事をお忘れにならないように願います。値引き、家具交換、付帯サービス‥等の条件を呑めば、利回りは更に下がります。

逆にA物件においては、ピークシーズンともなれば空室が見つからない場合も多く、設定家賃にプレミアを付ける事も可能です。
まさに投資家にとって、A物件は賃貸自由自在、D物件は賃貸の墓場、の様相を呈します。


今回の説明の訴求点に関しては、上記でほぼ全てなのですが、
賃貸利回りの数値がいくら良くても、空室率が高ければ意味がない
という点を改めて認識して下さい。

現地でも「〇〇コンドは利回りが6%以上ありますよ〜。」等の説明をよく耳にしますが、実際は賃貸付の難しい不人気物件であったりします。空室が半年も続けば、3%以上となるわけで、説明で提示された利回りは「絵に描いた餅」以外の何物でもありません。

賃貸人気が高い低いや空室率といった実情は、現地で賃貸実績のある業者でも無い限り情報提供は難しいと思います。長きに渡り賃貸実績を積み上げて来た弊社としては、正しい情報を投資家の皆様にお伝えする事により、日本人の正しい不動産投資に貢献して行きたいと思っています。

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