賃貸勝ち組になる為に必要な事。(その1)

弊社グループ内にはヨシダ不動産に加えて小林株式会社があり、両社共に賃貸仲介業務を行っております。
何で2つも賃貸仲介の会社をやっているの?と思う方もいらっしゃると思います。
ヨシダ不動産の設立は2011年11月と新しいのですが、小林株式会社は1985年5月設立で実は31年の社歴を有しています。もともと小林豊様が創業し、タイの日系不動産会社としては最古のパイオニア的存在で、事業内容は会社設立サポート、コンサルティング、書籍出版‥等多岐に及んでいます。バンコクでは知名度の極めて高い会社で、現在ある在バンコクの不動産会社のほとんどは実はこの小林株式会社の出身者で占められています。僕自身も自分の所有している物件のテナント探しは小林さんにお願いしていました。
※ヨシダ不動産
ヨシダ不動産
ヨシダ不動産の賃貸HPは、コチラから。
※小林株式会社
小林株式会社
小林株式会社のHPは、コチラから。
話が長くなるので経緯の説明は省略させて頂きますが、2013年10月に弊社が買収し、今はヨシダホールディングス傘下の100%子会社として運営されています。
手前みそとなってしまいますが、ヨシダ不動産と小林株式会社の2社を合わせると年間の賃貸仲介数においてはバンコク最大級では無いかと思います。
仲介数に占める割合は日系企業の駐在員様が圧倒的なシェアを占めており、顧客企業数は1,000社を超えています。
毎日弊社の営業スタッフがお客様を物件内覧にご案内し成約に至っているわけですが、お客様から客付けの依頼を受けながらもなかなか決まらないお部屋も実際数多くあります。結構人気のあるレジデンスで、周りの他のユニットはどんどん借り手が付いているのに、その部屋だけは選ばれずなかなか成約に至りません。
家賃設定が割高だからか?
中には、「この家賃で無ければ。」とのオーナー様もいますが、ほとんどの方は多少の値引きや、○○を家具家電に追加、といった付帯条件を快く受けてくれます。というのも、1か月の空室は年間利回りを8.3%押し下げます。賃貸物件もホテルと同じで、時間と共に在庫が消えていく商品です。極端な話、ホテルの場合部屋が空いていれば一泊100バーツでも泊めたいわけです。
それでは、何故その部屋は選ばれないのか?
そこには明確な理由が存在します。
その部屋の第一印象が悪く、同レジデンス内の他の物件に負けているからです。
眺望、部屋の向きといった購入後の努力で何ともし難い要因は除いて、お部屋の印象に集約してお話を進めたいと思います。
第一印象が悪い、見学者の心を揺さぶらない、心に残らない‥等、たくさんの言い方があると思います。総じて見学者に及ぼす心理的な影響と位置付けましょう。それを司るものは何か?
不動産に精通されている皆様であれば、「そんなの簡単じゃないか?」と釈迦に説法かも知れません。
でもちょっと待ってください。思い込みによる拙速な結論を導き出す前に、タイにおける賃貸不動産の特徴として、家具家電付き、という要素に先ずは着目して頂きたいと思います。
実は、この条件の内部では非常に熾烈な競争が行われています。
日本では家具家電付きでの貸し出しは一般的では無いので、部屋を飾り付けて物件内覧に準備する、と言う習慣は無いでしょう。
逆に、タイでは家具家電付きで貸し出すのが一般的です。借り手マーケットの中核を成す海外からの駐在員世帯にとって、電圧の違う家電類を新たに買い揃える必要が無い、大きな家具を新たに買い揃え要る必要が無い、といった点で便利である事は言うまでもありません。ある意味、顧客志向をベースにした合理的且つ進歩的な発想がそこには見受けられます。
コンドミニアムの賃貸においては、競争相手は他のコンドミニアムだけに限りません。ワンオーナーのアパートやサービスアパート等の他物件種も賃貸マーケットでは大きな存在感を放っており、それらと共に賃貸物件マーケットを形成し、短期長期の賃貸人獲得競争を繰り広げているわけです。そしてそれらの物件種も当然のように家具家電付きでの賃貸を実施しており、物件に寄ってはトースター、炊飯器等まで揃っているケースも珍しくありません。
弊社でお付き合いの深いタイ人オーナー様の中には、一棟のコンドミニアム内に10ユニット以上所有している方もいます。そういった方々は賃貸する上でのお部屋の準備に手を抜く事はありません。ディベロッパーの引き渡しを受ける際には、プロのデザイナーを交えて内装工事の打合せを行います。最近は内装どころか家具家電付きで分譲するコンドミニアムも少なくありませんが、そのような際にでもデザイナーを交えて追加の内装、インテリアデザインの検討をじっくり行います。
そういったオーナー様は、ユニットの内装、ビルトイン家具、インテリアデザインの良し悪しが、同レジデンス内での賃貸競争の勝敗を決する事を熟知しています。だからこそ、妥協する事無くユニットをつくり上げるのです。
賃貸利回りを目的とした不動産投資は、物件購入がそのゴールではありません。賃貸人を獲得して初めて利回りが生じるのです。まあ当たり前の事ですが…。
現在のバンコクの賃貸市場は、一部のスーパー人気物件除いては、完全に借り手市場である事を先ずはご理解頂きたいと思います。ですので、所有する物件を賃貸市場での勝ち物件にするべく努力が不可欠である、点をはっきりと認識する事が重要なのです。
「大枚を払って買ったのにまだ努力が必要なの?」と言う声が聞こえてきそうですが、その問いには「そうなのです。貸す努力は必要です。」と応じるしかありません、但し、「追加の努力とコストを払う事により、選ばれなかったお部屋を選ばれるお部屋に生まれ変わらせる事は可能です。」と付け加えておきます。実際、弊社のアドバイスを積極的に取り入れ、成功を収めているオーナー様も少なくありません。
それでは、先述したような百戦錬磨のオーナー様はどのようにして勝ち物件をつくってきたのでしょうか?今後数回に渡って(飛び飛びになるかも知れませんが)、そこら辺のお話をしたいと思います。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず。
これで行きましょう。

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