賃貸勝ち組になる為に必要な事。(その2)ケーススタディ

日々多数の賃貸依頼メールが弊社に届きます。記されている内容は、大体以下の通りです。
物件名
所在階
間取り
広さ
物件紹介文
部屋設備
家賃
賃貸開始日
鍵の受取り場所
オーナー(又は代理者)の携帯番号とメールアドレス
写真
特に変わった事はありません。日本では間取図が賃貸情報の要となっていますが、何故かタイでは提供される事はありません。お客様に、「間取図も頂戴ね。」と言われるケースもあり、入手できない際には弊社で作成する事もしばしばです。僕も間取図が重要情報である事には100%同意で、販売時にはウェブサイト、セールスキット等で立派な間取図が提示されるのに、何故その後保管されていないのか不思議でなりません。
タイでは間取図以上に画像が重要資料と位置付けられており、そこからも、実用スペック重視の日本、見た目のタイ、といった考え方の相違が見て取れます。
日本的な発想、これは明らかに必須要素と考えますが、タイ的な発想も必要条件では無いけど十分条件かなとも思え、両方会った方がいい、という結論に僕的には達します。
というのも、賃貸現場においてはこの“見た目の良し悪し”がより強力に勝敗要因として作用しているからです。
補足事項として、鍵の受取り場所に関して、「内覧の際には開けに行きますので連絡下さい。」とか、「友人に預けてあるのでそちらに電話して下さい。」といったケースが日本人オーナー様によく見受けますが、これは大きなマイナス要素です。
いちいち約束を取り付けて面倒くさい手続きをする作業を営業担当者は嫌厭するからです。そういったお部屋は見学に案内せず、管理事務所で鍵を受け取って内覧可能な物件を選択しがちです。タイ人オーナーは大半がそのやり方ですし、どのコンドミニアムの管理事務所も内覧手続き業務を行っています。管理事務所にノートが置いてあり、そこに必要事項を書き込み、IDを預けて(不要の場合もある)、鍵を受け取ります。これがベストですね。
多くの営業マンはオーナー様と約束を取付けようとして、「その日は空いてない。」等と言われた経験があるものです。現状のバンコク賃貸マーケットは借り手市場である事を今一度思い出して下さいね。
前置きが長くなりましたが、賃貸に強いお部屋のケーススタディをしたいと思います。
先ずはオーナー様から弊社に届いたテナント募集依頼メール(英語)の実例を見てみましょう。
Dear,
Please be informed that my room at Quattro by Sansiri is now ready for rent. Please kindly see the following detail of this unit
– 1 Bed 1 Bath ○Floor 53.04 sq.m. building A ,facing south
– Unit number ○○
– Fully furnished with modern decoration and fitted by Siemens in the kitchen
– Equipped with washer/dryer
– Hansgrohe rainshower and bathtub in the bathroom
– 40 inch Sony LCD TV in living area and 32 inch Sony LCD TV in bedroom
– Video door phone in the unit
– 3m High ceiling floor
– 5 mins walk from BTS Thonglor
Exclusive service by Sansiri
– Valet parking
– Free shuttle bus service
– Free shuttle car service (London Cab)
– Butler service
Rental rate is 53,000 Bht/month with at least one year contract. Please feel free to contact me 名前 at 電話番号 if you are interested in this unit.
Rgds,
名前
Mobile : 携帯番号
Email : eメールアドレス
このようにメールと共にお部屋の写真が弊社に届き、弊社は速攻で空室情報としてHPにアップしました。人気物件ですので、すぐに成約すると思います。
ヨシダ不動産の空室情報ページは、コチラでご覧頂けます。
皆様もお部屋の貸出し準備が整ったらこんな感じでご連絡下さい。勿論、日本語でも問題ありません。
さて話が前後してしまいましたが、前段階となる貸出し準備ですが、このメールを送ってくれたオーナー様はどのようにお部屋を仕上げたのか?検証したいと思います。
先ずはリビングダイニングの写真をご覧下さい。
※リビングダイニング
living
いい写真ですね。派手さはありませんが、インテリアをセンス良くまとめている様子が伺えます。高層階では無いのですが、十分に抜けているいい眺望も写し込んでいます。
このQuattroは天井高3メートルもあり、サッシも天井まで目一杯の高さのものを使っているので開放感満点です。
1ベッドで53㎡と十分広いのですが、鏡をうまく使って実際以上に広く見せています。又、壁紙のチョイスと家具の色調がうまくマッチし、コンテンポラリーな居心地の良さを醸成。
ダイニングテーブルの上にあるインテリアライトも目立ちはしませんがいい感じです。
フローリングの床上、コーヒーテーブルの下にラグを強いており、いいアクセントになっていますね。
小ぶりな絵3枚を壁に、造花の鉢植えをコーヒーテーブルの上に、こういった小道具は実は威力を発揮します。多分に現地インデックス等の家具屋に行けば安く手に入るレベルのものかと思います。でも費用対効果は抜群です。
ダイニングテーブル上に飾られたダイニングセットに注目して下さい。これによりワンランク上のグレード感が放たれています。これも家具屋やホームセンターで安価に購入できます。どんなリビングマガジンを見てもダイニングテーブルに何ものせていない写真はありません。理由は説明するまでも無いでしょう。
カッコいいからです。そしてこのカッコ良さが見学者の心の琴線に触れ強い印象を与えるのです。印象に残らない部屋の賃貸契約書にサインするテナントはいません。
因みにこの部屋のダイニングセットはまだ地味な方で、銀の燭台やフルコースディナー用のナイフフォークをセットしているケースも見受けられます。
そして契約時点で、「あれは賃貸には付いて来ないからよろしくね!」とオーナー様から言われます。テナント様も「そりゃそうだよね。」と言って終わりです。
もうお気付きかと思います。家具家電付きが常識であるタイの賃貸市場では、こんな感じで仁義なき戦いが展開しているのです。
自分は負け組なのか?と少しでも思うところがある日本人オーナー様、今こそ覚醒の時です。
次に寝室の写真を見てみましょう。
※ベッドルーム
bedroom
絵等の小道具は先ほど解説した通りです。
カーテンはドレープが効いた高価そうなものが使われていますが、多分さほどの高級品では無いでしょう。
ベッドリネンも折り目を見るとパッケージから出したばかりかと推測します。必ずしも新品を使う必要はありませんが、使用感のあるものはNGです。
カーテン、ベッドリネンといった視界の大きい範囲を占めるものは、それと比例して印象造成力がありますので、安く見える、くたびれている、裸のマットレス‥等は論外と心得て下さい。
最後に写真ですが、実際の部屋を記録するものと考えているオーナー様は認識を改めて下さい。事実と異なる合成写真はご法度ですが、飽くまで見栄えの良いものが勝ちです。ユニットビューティーコンテストで勝ち抜く事をイメージして下さいね。

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