底値買いのベストな方法 (その1)

先月4回に渡って書いた「バンコクのコンドミニアム市場展望」では、1〜2年程の調整は続くもののその後上昇に転じるだろう、との予測をしました。

海外からの投資額が最大の中国自身が深刻な不動産バブル(こちらは調整なんて言う生半可なものでは無さそうです)を抱えている、米国の金融引き締めによる不動産へのダウンサイド圧力等々、グローバル市場の状況も決して芳しくはありませんので、調整期間においても更なる価格下落はあり得るものの、完成在庫一層が相当に進んでいる、バンコクCBDにおける新規プロジェクトがほぼ皆無な状況の中で、それは限定的では無いかと見ています。

一方で、中国の不動産市場の混乱は逆に不動産投資マネーを中国国内から海外に向かわせるといった見方もあります。一党独裁統制国家ですので海外へのマネー流出に相当な力技を使う事は十分予想できます。但し、そのような投資マネー流出への引き締めは過去何度も実施されましたが、そのような状況でも手段を選ばない中国人のバイタリティは怯む事なく、有りとあらゆる方法で海外不動産の購入を進めてきました。引き締め政策の度合いにもよりますが、このイタチごっこは絶える事は無いでしょう。

又、不動産といった資産は、グローバル市場環境はさほど大きな決定要因ではなく、飽くまでローカルな市場要素で動きます。米国の引き締めの影響で新興国のマネー流出が懸念されるといったニュースをよく目にしますが、住居用不動産には直接的な影響を及ぼす事はないと考えています。逆に米ドルが上昇する事により、恩恵を被る香港ドル、シンガポールドルを始めとした通貨も多いので、海外の個人投資家にとっては逆に為替アドバンテージとなるのではないでしょうか。

1999年ごろから起きた不動産市場の変調は、住宅ローンの厳格化等が引き金となり2000年に入ると顕在化、コロナがそれに拍車をかけた、超ダイジェスト版ではそんな流れになりますが、既にコンドミニアム価格の下落は2年程経過、限定的な価格調整が更に2年までは続く、そのように定義すると、今後の2年は底値買いに絶好の期間となります。

海外投資にはどうしても為替の問題が付いて回りますが、長期に渡り強かったバーツも昨年から下落が続いています。海外投資家にとっては、これは大きな追い風となります。但し、日本円も最近は下落傾向にありますので、下落通貨同士としては為替妙味があまりないですね。


※タイバーツ−米ドル、為替レートの動き、1年前より10%強下落


※タイバーツ−日本円、為替レートの動き、1年前とあまり変わらない

総論、概略はこのぐらいにして、どのような買い方が有効なのか?を具体的に考えていきたいと思います。

海外では見え難い、プリセールといった購入券取引があるタイ不動産ならではの特徴的な価格の動きを捉えながら説明していきたいと思います。

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