2019年の中国人によるタイ不動産投資は大幅減少へ

外国人バイヤーの半数近くを占める中国人による投資は大幅に減少している、とバンコクポスト(タイ英字新聞)が6月17日付けで報じています。


※Chinese veer from condos   出典:バンコクポスト

中国系不動産会社Angel Real Estateの共同創設者のサイモン・リー氏は、2019年1〜5月の5ヶ月間中国人による購入は大幅に減少しており、2019年は半減する見込みだ、と述べています。

米中貿易戦争の影響で対中国元に対して為替がバーツ高に触れたのが原因で、中国人による購入は2018年暮れから停滞が始まった、との事。タイバーツは20%切り上がり1元が4.4バーツ、中国人による投資が始まった5年前の5.8バーツに比べて大幅なバーツ高となっている、との内容です。

為替の動きを確認してみると2015年半ばに5.7バーツの最高値をつけ、現在は約4.5バーツになっている事が下図の為替チャートから確認できます。約27%バーツ高となると、30万元の価格だったのが37.8万元になるのですから、投資家センチメントに大きく影響するであろう事は想像に難くありません。


※中国元-タイバーツ為替チャート 出典:xe.com

バーツ高の影響でこれまで5〜10ミリオンバーツの価格帯が人気だったが、2〜6ミリオンバーツの価格帯にシフトしつつある、と同氏はレポートしています。

他にも、タイはシンガポール、香港、中国と違って、中古市場が活発ではなく、タイ人は新築物件にこだわる傾向があるので、中古物件の流動性の低さは中国人投資家がバンコクの不動産を魅力的に感じない一因となっている、とコメント。

これは僕もかなり共感する部分だなー、と思いながら読み進めると、

日本では8-14%の利回りが得られる、特にツーリストに人気の高い大阪の難波、梅田では日貸しの物件はいつも供給が足りていない状況となっている・・・。うーむ、ちょっときな臭くなってきたぞ。

バンコクでは、5年前は利回りが6-7%あったが、2年前には3-4%に低下し、現在では2-3%に留まっている。かなり極端な感じもするのですが、中国人賃貸市場はそんな感じなのかなあ?

中国人バイヤーによる購入物件の登記前のキャンセルは2%から8%に上昇するとも述べているのですが、これが現実化するとキャンセル在庫が溢れて出てきます。数字の裏付けは見えてきませんが、登記せずにキャンセル人が増えるのは間違いないでしょう。

更に、2棟以上あるプロジェクトの場合、1棟は民泊可能なユニットに設定する、1棟だけのプロジェクトは民泊可能なフロアを設定し、他住民とのトラブルを避ける為に民泊をマネジメントする会社を設ければいい、などと同氏の主張は暴走します。

中国人長期滞在者は日本人のように多くないでしょうから、購入した物件のテナント付は困難だろうというのは想像が付きますが、だからと言ってコンドミニアムで民泊設定を行えばいい、というのは筋が違います。日貸しビジネスにはホテルライセンスが必要、というのがタイ司法当局の公式見解である限りは、コンドミニアムの日貸し、週貸しは飽くまでご法度ですので、マネジメント会社云々以前の問題となるわけです。

最近では、ホテルライセンスを取得するコンドミニアムも出回り始めており、世界的なホテルチェーンがマネジメントを行う新規プロジェクトも散見するようになりました。


※ホテルライセンスを持つコンドミニアム広告イメージ

利回り保証や年間〇〇日はフリーステイ等の条件もありますので、違法な民泊などは忘れてそちらに投資して下さい。

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