2022年コンドミニアム市場展望 (その4)

バンコクのコンドミニアム価格下落に関して、1〜2年の価格調整後に上昇に転じる見通し、とこれまでに述べてきたもう一つの理由としては、地下の上昇が現在も続いている点が挙げられます。

タイ政府住宅銀行(GHB)不動産情報センター(REIC)の発表した資料を基に説明していきます。

下表はバンコクの開発用地の地価指数推移一覧です。


※バンコク開発用地地価指数、2021年第4四半期

タイ仏暦2563年=2020年、2564年=2021年となります。

2020年は17.1〜30.3%年といった高い前年比だったのが、2021年は1.7〜11.2%と大きく鈍化している事は確かですが、上昇が続いていた事が分かります。

2012年からの推移をグラフにしたものを参照願います。


※バンコク開発用地地価指数、2012〜2021年

右肩上がりの上昇が続き、2021年は微増に転じています。

エリア別の地価上昇率トップ5は、以下の通りです。

1. BTSライトグリーンライン(BTSスクムビット線)沿線で前年比15%
2. 建設中の都市鉄道オレンジライン東側区間(バンコク中心部のタイ文化センター~バンコク東部ミンブリ)沿線で前年比14.6%
3. 建設中のモノレール・イエローライン(バンコク中心部ラープラーオ~バンコク南郊のサムットプラカン県サムロン)沿線で前年比12.7%
4. バンコク東郊のスワンナプーム空港と都内を結ぶエアポートレイルリンク沿線で前年比10.8%
5. MRTバンスー〜ホアランポン沿線 で前年比10.7%


※2021年第4四半期前年比上昇率トップ5路線沿線の開発用地地価指数


※2021年第4四半期前年比上昇率トップ5路線沿線の開発用地地価指数マップ

BTSスクムビット線は相変わらず強いですね。BTS、MRTが建設中の沿線に対する期待度で地価指数が上昇するのとはまるで意味が違います。既に開発がされ切った感のあるスクムビット線沿線ですが、現在もオフィスビル等の建設があちこちで進行中です。

特にBTSプルンチット〜プロンポン駅間では、大型オフィスビルやショッピングモールの開発が見られ、コロナ不況どこ吹く風?といった勢いが感じられます。コンドミニアム新規開発こそなりを潜めているものの、バンコク経済はその向こうにある将来に対して揺るぎない自信を持っている事は一目瞭然です。

読者の皆様におかれましては、タイ渡航が叶わない状況が続いていますが、現在進行中のスクムビット沿線やルンピニ公園周辺のワンバンコク、シンドーン地区(ランスアン通りとトンソン通りの間)の開発を一度見れば、バンコクの将来像を垣間見ることができるかと思います。

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