キャピタルゲイン?インカムゲイン?目的に適った物件の選び方。(その3)

先回は駅近が必ずしも選好されない事情を説明しました。
今回は日本人居住区に隣接するエリア、プラカノン、そして更にその隣のオンヌットに関して触れていきたいと思います。
人気急上昇中の2つのエリアに関しては、過去数回に渡り説明していますが、今回は表記のテーマ「目的に適った物件の選び方」の視点に立って考えていきます。
BTS沿線、プラカノン駅周辺はどのような町か?
値上がりが続くオンヌット周辺調査してきました
不動の日本人居住区のはずだったアソーク~エカマイ地区から何故プラカノン~オンヌットが選ばれるようになったのかを先ず考えてみましょう。
1.割安な家賃相場
最初に思いつくのは、アソーク~エカマイ地区とプラカノン~オンヌット地区の家賃相場の違いです。単純比較は難しいものの、各地区を代表するコンドミニアムの1ベッドルームの家賃(1ヶ月)を見てみましょう。尚、データは弊社賃貸実績の実数値です。
アソーク~エカマイ地区
Siri Residence(プロンポン ソイ24) 11階 60㎡ 49,000バーツ
Noble Refine(プロンポン ソイ26) 23階 55㎡ 45,000バーツ
The Address Sukhumvit 28(プロンポン ソイ28)18階 45㎡ 45,000バーツ
Aequa(トンロー ソイ49)25階 55㎡ 60,000バーツ
Noble Reveal(エカマイ ソイ63)17階 52㎡ 40,000バーツ
※Siri Residence
Siri Residence
※Noble Refine
Noble Refine
※The Address Sukhumvit 28
The Address Sukhumvit 28
※Aequa
Aequa
※Noble Reveal
Noble Reveal
プラカノン~オンヌット地区
Skywalk(プラカノン ソイ69-71) 15階 54㎡ 35,000バーツ
WYNE by Sansiri(プラカノン ソイ48)18階 43㎡ 35,000バーツ
Ideo Verve(オンヌット ソイ79) 7階 45㎡ 25,000バーツ
Rhythm Sukhumvit (オンヌット ソイ50) 17階 45㎡ 35,000バーツ
Q House Sukhumvit 79 (オンヌット ソイ79) 15階 44㎡ 35,000バーツ
※Skywalk
Skywalk
※WYNE by Sansiri
Wyne by Sansiri
※Ideo Verve
Ideo Verve
※Rhythm Sukhumvit
Rhythm Sukhumvit
※Q House Sukhumvit 79
Q House Sukhumvit 79
上記価格比較からざっくり言って、プラカノン~オンヌット地区の方が1万バーツ以上安い事が分かります。
2.日本人居住者の多様化
アソーク~エカマイ地区の物件を賃貸するのは、例外もあるもののほとんどが日系企業の駐在員となります。1ベッドルーム、つまりは単身用のユニットで40,000バーツ以上の家賃を企業が負担するわけですから、大半は一流企業となります。
タイの進出企業数は2015年で4,000社を超えており、製造業を中心にありとあらゆる業界の会社が進出していますが、全ての企業が駐在員の為に高額な家賃を支払えるわけではありません。
又、タイ進出企業で働く全ての社員が日本から派遣されているわけではなく、現地採用枠の被雇用者も少なくありません。現地採用の日本人は一般的に家賃手当てを企業から支給される事はありませんので、家賃に割り当てる予算は駐在員に比べかなり少なくなります。
上記のような状況の中、アソーク~エカマイ地区に住むのは一流企業の駐在員、そして家賃5万バーツ以上のコンドミニアム、サービスアパートに住むのは社内でも高い役職の人となります。
それではプラカノン~オンヌット地区住むのはどんな人か?
1で紹介したようなこのエリアにおいての高額コンドに住むのも、やはり多数は駐在員となります。中でも、家賃手当てが抑えられている企業の駐在員、別にフジスーパー等の日本的なライフスタイル拘らない人、バンナー・チョンブリ方面に勤務し通勤時間を短く抑えたい人‥等となります。
又、現地のスーパーにおいても豆腐、納豆、カレー粉を始め多くの日本食材が現地のスーパーで売られているケースも多く、「現地のスーパーで十分。」といった方も決して少数ではありありません。オンヌット駅前には大型スーパー“テスコロータス”があり、近隣に居住する多くの日本人が利用しています。又、アソーク~エカマイ地区にはかないませんが、プラカノン~オンヌット地区も日本食店が数店あります。
加えて、現地採用社員の方でも高額所得者は少なくありません。そのような人の中には2~3万バーツのコンドに住んでいるケースも見受けます。
日本人居住者の雇用、収入形態の多様化により、居住エリアも拡大しているのです。
3.多数の高級コンドミニアムが完成
プラカノン~オンヌット地区の目に付く新しいコンドミニアムのほとんどが2010年以降に建てられ、2013、14年と供給数は加速の一途を辿りました。セキュリティ面、品質面において、日本人の住める水準の集合住宅の供給が伸び、それが需要とマッチしたのも日本人居住者数が短期間で増加した大きな理由の一つとなっています。
そして、先述した生活利便性が整い、相乗効果が発生したのです。
上記の家賃比較は1ベッドルームユニットに限り行いましたが、実は明確な理由によるものです。
何故か?
その理由は、プラカノン~オンヌット地区では、アソーク~エカマイ地区に比して家族世帯は圧倒的に少ないからです。
賢明な当ブログの読者の皆様なら既に薄々感付いておられるものと確信致します。プラカノン~オンヌット地区においても日本的な生活をする環境は整ってきたと先述しましたが、とは言え、フジスーパーに始め、サミティベート病院、日本語幼稚園、学習塾、果てには宅配弁当に至るアソーク~エカマイ地区の利便性には遠く及びません。
「異国で住むのだから…。」と高い志を掲げる冒険心に満ち溢れた単身駐在員ならまだしも、お子様を抱えるご家庭にはやはり高いハードルです。お子様のいないご夫婦世帯においても、「あんたは運転手付きの車で会社に行くからいいけど、残る私はごめんだわ。」と正論を展開する奥様には抗しきれません。
一方、家賃手当てを支給する企業側も、「家族だとプラカノン以降はきついよね。」といった思いやりが醸成されており、家族帯同の社員にはタイに赴任させない、夫婦世帯以上はぎりぎりでもアソーク~エカマイ地区に住める手当てを支給、といった対策を講じます。
弊社では、物件により例外はあるものの、アソーク~エカマイ地区においては2ベッドルーム以上のユニット、プラカノン以降は1ベッドルームの購入を推奨しています。
これには、プラカノン以降は家族世帯が住まない、の他にも理由があるのです。
それに関しては、次の機会にご説明したいと思います。しばしお待ち下さい。

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