キャピタルゲイン?インカムゲイン?目的に適った物件の選び方。(その1)

実は…、
今までブログを担当していたGENさんが昨日付で退社となりました。不動産業者としての長い経験に裏付けられた興味深い内容の連載でしたが、残念ながらこのブログで目にする事は無くなります。
及ばずながらしばらくは僕が担当させて頂きます。従来通り週3回ぐらいの記事アップを目標にしますが、何分筆不精の体たらくであまり自信はありません。
とは言え、バンコク不動産の情報発信の一翼を担い(ちょっと大げさですが…、そういった気概を持って)皆様の期待を裏切らないように頑張ります。引き続きご支援の程をお願い致します。
かなり前になりますが、次の記事を同ブログで記しました。
今後のセミナー活動についてのヨシダ不動産の考え方

このスタンスはその後も変わる事はありませんが、内容を改めて読んでみると、多少誤解を招くかな?との印象を受けますので、要点を整理し、改めてその主張を明確にしたいと思います。
ヨシダは日本で開催するセミナーに対しては否定的である、といった印象を頂いた方もいらっしゃるかと思いますが、それは誤解です。投資家を始めとした皆様にタイ不動産に対する理解を深めて頂く事はとても重要であると認識しておりますし、そういった情報提供をされている業界の皆様には敬意すら抱いております。
否定的に感じている部分はここではなく、そのセミナー活動に乗じて、未だ十分な知識を得たとは到底思えないような方々に、不動産販売を実行する、といった点です。
何故か?順を追って説明したいと思います。
海外の不動産を購入する目的は、主に次の通りです。
1. 居住用
2. 別荘(セカンドハウス)用
3. 投資用
その中で一番多いのは、3.投資用、となり、それもまたキャピタルゲイン投資、インカムゲイン投資に大別されますが、両者をねらうのが一般的です。
キャピタルゲイン投資は物件価格の上昇を通じて利益を上げる事、インカムゲイン投資は家賃収入で利益を上げる事、シンプルに説明するとこうなります。このブログの読者様に対しては、釈迦に説法、となってしまいますが、ご容赦を!
セミナーに参加しての海外不動産購入において、キャピタルゲイン投資を目的とした方に限っては大きな問題を生じることは無いでしょう。
地球儀を回しながら、この地域の不動産価格は上昇している、政治経済も安定的、為替も強含み等の下調べを自ら行い、ムフフフフ、これは不動産投資のチャンスとモチベーションが高まる中、タイ不動産セミナーに参加し、講師の方に説明を受け疑問・心配事をクリア。それでは、今回紹介を受けたコンドミニアムを購入してみようか…。
こういったシンプルなプロセスを通じての購入においても、キャピタルゲインのみを目的とした投資であれば大きな失敗は無い場合の方が多いでしょう。不動産市況のいいバンコクの不動産であれば、大体どの地域を選んでも、ほぼ同じような条件下で物件の価格上昇は起きていたからです。上げ幅の差はあるものの、スクムビット地区は上昇したが、シーロム地区は上がらなかった、という事はありません。又、好況下であれば、都心部に限らず、郊外の価格も大なり小なり上昇を見ます。
この現象は、バンコクに限らず、ここ5~10年のアジアの主要都市において同様に見られました。
但し、これはキャピタルゲイン投資に限ってのみ言える事で、家賃収入によるインカムゲイン投資となるとそうは問屋はおろしません。(ちょっと古典的に言い回しになりますが…。)

弊社グループはバンコクの賃貸仲介において30年に及ぶ歴史を持っており、特に日本人居住区の物件情報量においては競争他社の追随を許さず、先進的なデータベースで集中管理できる体制を備えています。

日本人のお客様が購入した物件の客付け依頼は毎日のように寄せられますが、その中には、「ランカムヘン地区のコンドです。」、「戦勝記念塔近くです。」等といったものも少なからずあり、そうなると弊社ではお役に立てる可能性はゼロです。賃貸のお客様はほぼ100%が日本人ですので、日本人居住区から遠く離れた物件の客付け能力は有していません。お役に立てない旨を伝え、お詫びと共に丁重にお断りする以外ないのが現実です。
となると、外国人もしくはタイ人への賃貸となりますが、話は簡単ではありません。
外国人の居住エリアは日本人以上に多様性はあるものの、やはりスクムビット地区、シーロム・サトーン地区、ルンピニ地区がその大半を占めます。そうです。日本人居住区とほぼ変わらないのです。違いといえば、日本人家族世帯が比較的に敬遠するナナ地区に多くの外国人が居住しているぐらいでしょうか?
それでは欧米人、香港やシンガポール等からのアジア人に賃貸する場合を考えてみましょう。先ずは欧米系の不動産会社、地場のタイ不動産会社に賃貸の依頼をします。勿論全て英語、もしくはタイ語での対応になります。続いて、言葉のみでは無く商習慣、文化の壁が立ちはだかります。当然ながら日本人が考えるようには考えてはくれませんので、取引の端々でカルチャーショックとの戦いを強いられます。
無事賃貸に漕ぎつけても心配は続きます。果たして大事な資産であるユニットを大事に使ってくれているだろうか?ルールは守ってくれているだろうか?この心配は、自分の経験値と予測が及ばない賃貸人がいるからこそ起こる事で、同国人たる日本人に貸す際には生じることはありません。
業界で次のような話がよく聞こえてきます。
●契約期間内に解約された。部屋に大きなダメージが出ていた。デポジットをとっているので問題は無いとたかをくくっていたが、修理コストはそれ以上かかってしまった。
●インド人に貸したら香辛料のにおいが消えない。(人種差別の意図はありません。)
●入居後、絶えず様々な要求を突き付けてくる。
このようなケースは日常茶飯事で、枚挙に暇はありません。
一方日本人は、部屋をきれいに使う、ルールを守るといった点では定評があり、タイ人オーナーに限らず欧米人オーナーも日本人テナントを選好します。
スクムビット地区に高級物件を所有し賃貸に出しているタイ人オーナーの多くが日本人テナント狙いである、と言っても決して過言では無いでしょう。そうです。タイ人の賢明な不動産投資家は誰に貸すべきかを良く知っているのです。
次に欧米人賃貸人も見込めず、タイ人賃貸人を想定せざるを得ない場合。
これはさらに厳しい状況です。悲観的な状況と言ってもいいでしょう。部屋をきれいに使ってもらえるか?等と心配する以前に、家賃の回収でつまずく状況に準備する必要があります。テナントは支払わない、仲介業者は助けてくれない、この状況に日本人として立ち向かう事は不可能に近いのではないでしょうか?警察が助けてくれる、等とは夢にも思わない事です。弁護士を雇う⇒裁判を起こす、くらいまで心の準備をしておいた方がいいでしょうね。
日本人居住区で買えばいいんでしょ?
と言われればその通りなのですが、話はそれだけでは終わりません。
日本人居住区のどの物件を買うかで、勝者と敗者に分かれるからです。
この辺の事は次回に折りを見て、じっくりとお話したいと思います。30年の実績を持つ弊社の真骨頂を垣間見て頂けるものと確信致します。
先ずここで明確にしておきたい事は、
現地に精通せずにセミナーを通じて不動産購入する行為⇒キャピタルゲインで成功はできてもインカムゲインで成功する事はできない
という点です。
本日のお話はここまでです。ご精読、多謝。

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