バンコク コンドミニアム リノベーション奮闘記 (その5)

Pさんから設計図と3D画像が届いたのが6月末、それを基にした2回に渡るミーティング、もう既に7月半ばとなっていました。
次のステップは見積もりとなります。
僕の理解では、PさんからTさんに設計、デザイン、資材等の詳細が伝えられ、それに基づいた見積もりがTさんから届くもの、と期待していましたが、どっこい、ここはタイランド。事はそんなにスムーズに運びません。8月初めにTさんに催促すると、「Pさんからまだ連絡が無いんだよね。」とのんびりした口調。一瞬イラッとしましたが、タイで感情をぶつけても逆効果しかありません。
「あっ、そうなの?もうずいぶん前にこちらには届いているので、Pさんと確認してくれますか?」お盆休みの日本帰国予定が目の前にあったので、「8月末にタイに戻るから、その後でいいよ。」と太っ腹の対応をしました。というのも、資材の仕入れ価格、作業難度、所要時間等をきっちり計算して詳細な見積もりを作成するのがTさんのやり方なので、それらに時間を要するものと思ったからです。
これは失敗でした。自己満足的な寛容さは、Tさんに更なる精神的余裕を与える以外に何のメリットも無かったようです。タイでは、相手の好意に対して、「甘えてはいけない。」等という発想は一切ありません。そのアドバンテージを如何なく利用してきます。
Tさんとは長い付き合いなので、つい油断してしまったようです。以心伝心、かゆいところに手が届く、あうんの呼吸‥等という言葉は、日本にいる日本人同士でのみ意味のある言葉です。海外に置いては、日本人間でも通用しない事が多いのです。ひょっとすると、最近では日本の中でも怪しくなっている、死語へと向かう言葉の一つなのかも知れません。
という事で、8月末に日本からタイに帰国した際に、見積もりが僕を待ち受けている等という事はありませんでした。
タイに戻り、数回に渡る催促の末に、9月半ばになってやっと見積もりがラインで届いたのでした。余談ですが、最近のTさんとのやり取りはもっぱらライン使用となっています。
見積もり合計額は1.3ミリオンバーツを超えていました。これには、ちょっとした衝撃が走りました。70~80万バーツで考えていたので、はるかに予算オーバー。ここまで想定価格と見積もりがかい離すると、一端の価格交渉で何とかなるものでは無い、と即座に悟りました。何かの項目を大きく削るしかありません。
その後、Pさんと数回の打ち合わせを行ったのですが、細かい内容は読者の皆様の興味を引くところでは無さそうなので、省略致します。
Tさんからは、「Pさん指定のデザイン通りに指定された資材を使って改装するとどうしても高くなってしまう。デザイン、資材選びにおいて、妥協できるところは妥協する事によって値段は下がりますよ~。」との説明。この意見には全く同感でしたので、次の項目を妥協し、コストダウンを図りました。
1. キッチン戸棚のパネルを強化ガラスからウッドに変更。
2. リビングのTVパネルの一部に大理石の使用を取りやめ。
3. セカンドベドルームの据え付け本棚を取りやめ。
4. マスターベッドルームとセカンドベッドルームのベッドパネルデザインの簡素化。
5. 据え付けワードローブの内部簡素化
当初のデザイン、使用資材を詳しく説明していないので、こう書いてもピンと来ないと思います。
結局は、大きくデザインを崩したくなかった事もあり、あまり極端な変更には踏み切れず、ほとんどの基本線はそのまま踏襲、となりました。ただ、Tさんが資材の変更などで代替案を多々出してくれた点は、結構なコストダウンにつながりました。
最終的に90万バーツ程で結論となりました。これも又、今後の建築過程で変更が生じる事も十分にあり得ますが、それはそれ。既に10月に入っていたので、年内に終了させたいとの思いもあり、取り敢えずリノベーションを開始する事にしました。
コンドの管理事務所にプランを提出し、改装開始を打診したところ、
1. 業者の責任者に説明に来て欲しい。
2. 保証金30,000バーツが必要。業者が共有部分にダメージを与えた等の問題が生じなければ、改装終了後返金。
3. 改装コストとして、1日200バーツ、又は1ヵ月4,000バーツが必要。
との回答。
全てその通りに手続きを済ませ、10月8日、めでたく改装開始に漕ぎ付けました。最終料金の決定からリノベーション開始は、タイらしくなくスピーディーに展開しました。これはTさんに多謝。
Tさんは、6~8週間で完成させる、と言っていますが、果たしてどうなるやら?
時系列が現在に追い付きましたので、今後は、現場レポートをしながら、ライブでお話を進めて行きたいと思います。

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