最寄駅はプラカノン、立地はラマ4世通り“Ideo Sukhumvit Rama4”(その2)

前回に引き続きアイデオ・スクムビット・ラマ4の紹介です。

32階建タワー、総邸数642、2022年完成予定となっています。敷地はタイの土地面積単位で3.2ライ強(5,200平米強)です。アソーク〜エカマイ地区の高層タワープロジェクトでも1ライ台の敷地が増えている中、それに隣接するプラカノン駅周辺でこれだけの広さを確保している点は結構なアドバンテージかと思います。

最近のアナンダのユニットデザインによく見られる曲形コーナーウインドウ等はこのプロジェクトでは見られません。全般的に派手さは無いものの、より堅実で実生活に便利なレイアウトが施されている印象を強く受けます。

アナンダには上位となるアシュトン、アイデオQといったブランドがあり、アイデオはラグジュアリークラスには位置付けられておりませんが、このアイデオ・スクムビット・ラマ4に関しては、ユニット天井高が2.9メートルの設定となっており、上位ブランドアシュトン・アソークの2.7メートルを大きく上回っています。

この事実からも、タイのディベロッパーのブランディングには一貫性がない事を改めて感じます。この辺の事情はアナンダに限った事ではなく、クオリティハウスやA Pといった他社ディベロッパーにおいても見受けられます。Qハウス、リズムの名前を冠するプロジェクトでもグレード、クオリティはまちまちです。

その辺の事情については、過去に書いておりますので参考にして下さい。

参照過去ログ:コンドミニアムのブランディングを信用するのは危険

代表的なユニット構成であるスタジオ29.5平米、1ベッドルームプラス44平米、2ベッドルーム65平米を紹介します。

スタジオ29.5平米


※スタジオ29.5平米間取図



※スタジオ29.5平米ショールームイメージ

タイのコンドミニアムショールームの特徴となるコテコテに装飾されたインテリアはここでも健在ですが、デザイナーのセンスの良さは認めざるを追えないところ。但し、引き渡し時についてくるのは、キッチンユニット、バスルームユニット、エアコン、ワードローブ程度ですので、そこら辺を認識して心躍らせ過ぎない程度にイメージして下さい。
特記事項として洗濯機がバスルームに設置されている点が挙げられます。タイのコンドミニアムではキッチンに据付けられるのが一般的なので、異例といってもいいでしょう。日本では浴室の洗面所に設置するのが一般的ですので、概念的には日本スタイルに近付いた事になりますが、浴室と洗面が分かれていないところが依然相違点として残ります。

1ベッドルームプラス44平米


※1ベッドルームプラス44平米間取図




※1ベッドルームプラス44平米ショールームイメージ

3〜4年前から発表された駅近プロジェクトで、38平米以上のサイズからこのプラスという間取設定が目につくようになりました。プラスというのはベッドをおけるギリギリのサイズの個室のあるレイアウトを指し、居住者の家族構成に応じて寝室、書斎、リビング等に活用できるようになっています。反面、書斎ぐらいにはいいのですが、寝室やリビングで使うには手狭となってしまいます。又、窓際開口部に配置されるとリビングルームに開口部が無くなってしまいますので、一長一短の使い勝手というのが事実です。

外国人の夫婦・家族世帯がこのタイプの部屋に住むとは考えがたいので、駅近に住みたいが予算に限りのあるタイ人実需層をターゲットにしたレイアウトにしか思えません。

因みにこのショールームはプラスの個室を寝室として使用しています。44平米のユニットサイズなので何とかなっていますが、上述した通りリビングの開口部が無くなる点を考慮すると、日本人テナントをターゲットにするにはこのレイアウトは不向きと感じます。

クローズキッチンに洗濯機が逆戻りしているところを見ると、スタジオにおいて洗濯機を浴室に設置しているのはスペース的な制約が理由となっているのかも知れません。ちょっとがっかり。

2ベッドルーム65平米


※2ベッドルーム66平米間取図






※2ベッドルーム65平米ショールームイメージ

こちらのレウアウトはとても良く出来ています。マスターバスルームにはバスタブと独立シャワールームが併設されておりますので、シャワーを浴びる機会が多いバンコクでは便利です。セカンドバスルームは第2寝室とホールからのマルチアクセスです。

このユニットの最大評価点は、キッチン、リビング、バルコニー、寝室、バスルームのサイズバランスです。65平米(ショールームは65平米ですが間取図は66平米?となっています。まあタイでは良くある事なのですが・・・)のコンパクトサイズにどの部屋も無理なくレイアウトされており、これ以上のバランスは望めないのではないか?といった印象です。

日本のように玄関スペースを設けない点がそれを可能にしたとも言えるでしょう。

バルコニーはリビングと第2寝室に渡ってやはり適度なサイズで設けられています。何度も言ってきましたが、タイではバルコニーも専用区分になりますので、最近のダウンサイズされたユニットで大き過ぎるバルコニーは居住空間を圧迫するだけでいい事は一つもありません。

シューズクローゼットの収納具やキッチン棚の上段にオイルダンパーで簡単に下げられる食器収納具は利便性が高く、この点も実生活に根ざした進化具合が見て取れます。因みにパナソニック製(メイドインチャイナ)となっていました。



※食器収納、シューズ収納

タイのコンドミニアムはデザインがゴージャスでかっこいいが使い勝手が考えられていない、と言った共通認識がありましたが(飽くまで日本人としてで、タイ人はそう持っていないかも知れませんが)、アイデオ・スクムビット・ラマ4においては実生活における利便性を考えた設計がある程度垣間見られる点は評価していいかと思います。

但し、実用面を考慮した設計に関してはまだまだかと思いますので、是非とも進化を続けて欲しいものです。

次回はこのプロジェクトのベストユニット、お買い得ユニットに関してご紹介します。

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