ラマ4世通りの台頭 (その1)

前回までのブログでバンコクのコンドミニアムが価格調整局面に入っていることは十分ご理解頂いたと思います。売れ行きが鈍化する中、大手ディベロッパーは郊外の廉価物件に主戦場をシフト、そして一等地のコンドミニアムプロジェクトをホテルに振り替える等に大きく舵を切っていますので、年内は目新しいプロジェクトは発表されないのでは無いかと思います。

又、プロモーションプライスで出てくる割安物件、損切り売りされるリセール物件等に目先を変える方が得策になるかと思いますので、それに順ずるものが出て来れば随時ご紹介しますが、ここしばらくはバンコク、パタヤ、シラチャのエリア情報、基礎知識、市場動向、賃貸状況等の説明をしながら、現地の不動産IQを高めるのに役立つ情報を中心に本ブログを展開したいと思います。

1年以上前に新たな時代へ向かうルンピニ公園周辺でラマ4世通り沿いの大型プロジェクト、One Bangkok(ワン・バンコク)、ドュシタニ再開発を紹介しましたが、ラマ4世通りの開発全貌が明確になりましたので、情報更新もかけてご紹介したいと思います。

ラマ4世通りは西の王宮地区からチャイナタウン、ホアランポーン駅(現在のバンコク中央駅)、ルンピニ公園を通り、東ではスクムビット通りに合流するバンコクの主要幹線道路となります。

東西を横断する主要幹線道路としては、他にスクムビット通り、ペッブリー通り、ラマ9世通りがあります。

4つの主要幹線道路とエリアの位置関係を記した下図を参照下さい。


※バンコクの主要幹線道路とエリア

地図上でラマ4世ロードと表記しているのが、ラマ4世通りです。バンコクの歴史にはさほど詳しくありませんが、元祖CBDとも言われる中華街、ホアランポーン駅、ルンピニ公園、ビジネス街であるシーロム、サトーン通りを結ぶラマ4世通りは、元来スクムビット通りをはるかに先行する主要道路であったはずです。

1999年12月にタイ初の(市バスを除く)シティトランスポーテーション、BTS(高架鉄道)としてスクムビット線、シーロム線が開通すると、開発の中心はラマ4世通りに連なるシーロム・サトーン地区からスクムビット地区に大きくシフトして行きました。

従来の商業地であったBTSの起点サイアム駅周辺には大型ショッピングモールが続々と開業。そして、ルンピニ地区の高級住宅街と商業地があるチットロム駅、大使館やオフィスビルが集まるプルンチット駅、ツーリストに人気の歓楽街があるナナ駅、オフィスビル・ホテル・商業モールが集まるアソーク駅、2つの大型ショッピングモールが駅に直結するプロンポン駅、高級住宅街トンロー駅及びエカマイ駅は、大きな発展を遂げた為に、主要幹線道路であるラマ4世通りの用途は交通の要衝に留まるのみで、人が集まり買い物や食事をする場所としての存在感は色褪せて行きました。


※バンコク中心部、BTS&MRTマップ

2003年に入り、バンコク発の地下鉄(MRT)が開業し、アソーク通り-ラマ4世通り-シーロム通り沿いに駅ができた後、アソーク通り、そしてそれに繋がるラチャダピーセク通り周辺は大きい変化を遂げたものの、開発の中心はつい最近までスクムビット通り沿線から離れることはありませんでした。クロントーイ・ルンピニといったラマ4世通りのMRT駅は通過地点といった具合で、スクムビット駅やシーロム駅に比べて乗降者数は極端に減ります。

超ダイジェスト版になりますが、上記のような経緯でスクムビット通りとラマ4世通りはその発展ぶりに大きな明暗を分ける結果となったのです。

そして今、大きく出遅れた感のあるラマ4世通りですが、実はいくつかの巨大開発プロジェクトを起爆剤として大きな変化を遂げようとしています。

いつもの事ながら前置きが長くなり本題に手が届かなってしまうのですが、ラマ4世通りがどのように今後発展していくのかについては次回に続きたいと思います。

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