プリセールから完成までのコンドミニアム価格の動き (その1)
完成後の引き渡しが進行中のNoble Ploenchit(ノーブル・プルンチット)、Edge Sukhumvit 23(エッジ・スクムビット23)、そして3月4日に販売開始となったThe Esse Singha Complex(ジ・エッセ・シン・コンプレックス)といったプロジェクトを紹介してきました。
この3件はどれもお勧め投資物件となりますが、そのお勧めする理由と投資手法の内容は異なっています。
但し、そこら辺の説明を始めると複雑且つ多岐に渡りますので次の機会に回すことにして、今回はプロジェクトのファーストセールから完成後登記前の売買価格に関して説明したいと思います。
これまで何度か説明してきましたが、人気物件のプリセールともなると、アイフォンの新型モデル販売開始カウントダウンの如く、いいユニットを確保すべく売り出しの先日から購入希望者が並び始め、販売開始の頃には文字通り「黒山の人だかり」となります。(参照過去ログ;コンドミニアムプリセールの現場風景)
VIPセールと銘打ち、告知したプリセール開始日前よりお得意様に限定先行販売といった販売手法も一般的であり、そうなると厳密に言えば既に販売は始まっていたりするのですが、一般消費者にとってはこの告知された開始日がファーストハンドプリセールとなります。
人気プロジェクトともなれば、眺望が悪い、間取りが悪い、等といったユニットを除き、瞬く間に成約していきます。そして、完売したユニットタイプは、プロジェクトの完売も待たずにリセール市場(転売市場)に登場します。
このような早いタイミングでリセール市場に出てくるものは、もともと転売目的で購入予約された物件であり、購入価格に10~20万バーツほど加えた価格となっています。
列に並んだ労賃とちょっとしたリスクが価格にプレミアを付けた、といったところでしょうか?すぐ売れるような人気プロジェクトとならなければこの技は使えませんので、そこがちょっとしたリスクとなるわけです。
最近のラグジュアリープロジェクトの予約購入権の確保は、プロジェクトによって多少の開きはあるものの、1ベッドルームで10万バーツ、2ベッドルームで20万バーツぐらいが一般的です。ババを引いたとしても損失はその程度で収まりますので、バンコクのコンドミニアム市場を多少なりとも理解し、販売先を熟知している人にとっては、カジノで賭けるよりもずっとリターン率の高い金儲けとなるわけです。
こういったマーケット参加者の存在は、購入➡登記➡賃貸投資又は自己居住を目的とした購入者にとっては、市場価格を吊り上げる邪魔な存在以外の何者でもないように思えてしまいますが、必ずしもそうとも言い切れない部分もあります。
こういった参加者がいればこそ、ディベロッパーは「プロジェクトセールス絶好調。完売間近!」といった宣伝文句が堂々と使えますし、マーケットでは「今買わなければ。」といった焦燥感が生まれ、そしてプロジェクトが順調に進めばキャピタルゲインに繋がっていくからです。
詭弁的な要素を感じる方もいらっしゃるでしょうが、プロジェクトセールス初期にちょっとしたまやかしがマーケット内にあったとしても、プロジェクトに実力が備わっていれば、そんな些細な現実は吹き飛ばしてしまいます。
人気アーティストのコンサートでダフ屋が暗躍し、1~2千円抜いたところで大勢に影響はないのと同じです。
実際プリセール会場に行くと、「50番の整理券持っているけど、1,000バーツで買わない?」などと持ち掛けてくるタイ人をよく目にします。つまり、実際のダフ屋もいるわけです。しかもこちらは並ぶだけで元手はタダ。
面白いですね?
こんな風にコンドミニアムのプリセール会場もアジアならでは怪しさが漂っており、僕自身は結構好きなのですが、慣れない人は引いてしまうのではないでしょうか?
話が脱線しましたが、人気プロジェクトはファーストハンドプリセールからどのような価格の動きを見せて行くのでしょうか?
次回に続きます。