シラチャ、2つのスカイプロジェクトの狭間で揺れ動く思惑

昨週木曜日の事、知り合いのタイ人の奥様が友人奥様3人を率いて、シラチャ勤務中の僕を訪ねてきました。皆バンコクから連れ立っての訪問です。以前から、スカイを転売したいので相談に乗ってくれと言われていた事は記憶していました。やはりその話でした。
外国人区分所有制限ルールのあるコンドミニアムで、タイ人の購入者がその転売の相談に日系不動産会社を訪れるのが異例である事は、タイの不動産諸事情に明るい読者の皆様であればご理解頂けるものと思います。
4人は30~50代の富裕層マダム族といった風情で、一般的なタイ人からは2ランクアップの派手目な装い、ちょっとしたハイソオーラを放っていました。何でもこの3人は不動産投資仲間のようで、バンコクを始めホアヒン、シラチャ、パタヤ等でコンドミニアムを所有し賃貸利回りを得たり、プリセールで購入して完成前の転売でキャピタルゲインを得たりといった投資活動をグループ間で情報交換をしながら営んでいるわけです。
さて、このスカイですが、イオンショッピングモール、サービスアパート、ショップハウス群、そしてスカイコンドミニアムを開発する大型複合プロジェクト“ゴールデンシティ”として3年ほど前に誕生し、スカイは瞬く間に完売、その後の転売取引も活発に行われてきました。
※イオンショッピングモール
イオンモール
イオンモールは昨年暮れに営業開始、ショップハウス群内にも飲食店を始め、マッサージ店、漫画喫茶等が続々とオープンしています。サービスアパートのSUNTARAは2棟の内1棟が開業済みで既にほぼ満室といった状況です。もう1棟は計画変更しコンドミニアムとして販売中となっています。
さて、その完売したスカイプロジェクトですが、建築遅延中で完成登記は今年の11月ぐらいにずれ込む予想です。
本題に戻ります。
4人のマダムは様々なサイズの1ベッドルームユニット6部屋を所有、という事は一人で複数購入している人もいるわけで、立派な不動産投資家と言えます。
転売の理由は、至って簡単。当初は賃貸投資を考えていたが、不景気で日本人が減っている中、今後1ベッドルームの供給が増えればテナントの確保が困難になると共に利回りの低下が懸念される、という事です。なるほど、なかなかの情報力も備えているようです。タイ人マダム投資家を侮ってはいけません。
先ず日本人が減っている点、これは事実ですが、劇的に減っているという状況でも無く、今までのような右肩上がりの伸びからスローダウン、そして減少に転じた、というのがより正確な見方です。
そして、そこに重なる将来的な1ベッドルームの供給大幅増という要因、このダブルインパクトが問題を深刻にしています。現在建築中のプロジェクトで今後1~3年で完成するコンドミニアムとして、
・スカイ
・マリナベイフロント
・ラダプラス
・ナイツブリッジ
等、中心部だけでも4件が挙げられます。そしてそれを上回る数のプロジェクトが郊外で進行中となっています。但し、郊外のプロジェクトの賃貸はこと日本人に関しては現実性が無く、競争相手として除外してかまわないでしょう。実際、車で10分弱の郊外に結構なビーチフロント物件があるのですが、何度内覧にご案内しても成約する事は無いので、最近は案内も止めてしまいました。
1ベッドルームの供給が増えるのはコンドミニアムだけでは無い事を忘れてはいけません。ゴールデンシティから徒歩10分程のところにバンコクでは有名なシティリゾートが間も無くオープンします。これも又1ベッドルームの供給に拍車をかけ、競争激化の要因になるとみて間違いありません。
さて、その提示された6ユニットに関して、自ずと湧く疑問がありました。「外国人区分ですか?」これはタイ人オーナーなので愚問ですが、外国人の配偶者名等での購入もあり得ますので一応聞いたところ、「○○番だけが外国人区分であとはタイ人区分です。」との回答。ややはり予想通りです。スカイの外国人区分も当然既に完売していますので、タイ人区分を外国人に転売するには、配偶者等のタイ人名での購入、又はタイ法人の設立が必須となります。
僕の返答は決まっています。
弊社のお客様はほぼ100%日本人なので、タイ人区分は取り扱いません。この○○番の外国人区分ユニットのみ請負わせて頂きます。
昨年まではこのスカイの再販マーケットは好況を呈していたのですが、先述の要因もあり今年はいい価格が付かなくなりました。20%以上のキャピタルゲインを乗せて好調に売れていたのが、状況一転、今では微々たる儲けを確保するのに躍起です。
状況変化を決定付けたのは、今年に入って発表されたスカイ3プロジェクトの存在です。それもロビンソンデパートの真向かい、といったシラチャではベストな立地。ここであれば、ロビンソンだけでなくイオンモールへのアクセスにも便利です。
※スカイ3建設予定地
スカイ3建設予定地
1ベッドルームが中心になるようですが、僕は2ベッドルームを増やすようにディベロッパーに打診しています。間取りプランや価格は未だ発表されていませんが、リーク情報として、最安値のユニットで35㎡、3ミリオンバーツ~、のうわさが飛び交っています。事実とすれば平米単価8.57万バーツ~。ロケーション、高層40階タワーといった事を考え含めれば、いけそうな値付けです。
スカイは昨年こそ平米8万バーツ台で転売されていましたが、現況では7万バーツ台と値ごろ感が出ています。そしてこのスカイ3の登場で、スカイの転売価格の上限キャップが付けられたと見ていいでしょう。つまり8万バーツを超えることはもう無いということです。
援護するわけではありませんが、スカイにも利点があります。イオンモール目の前の利便性、早くできる分テナントを見つければ即利回りを得られる…。
多くの日本人がスカイを購入していますが、賃貸利回りを考えている人はのんびり構えていると遅れを取りますよ。他の部屋に先んじて自分の部屋が選ばれる方策を早めに検討する事をお勧めします。
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