バンコク コンドミニアム リノベーション奮闘記 (その7)

今日は主にキッチンのお話です。
去る10月26日、再度進行状況の確認に足を運びました。
取り壊しの部分は(実際ほとんどそうなのですが)、既に終了しており、電気の配線、エアコンのパイプ等の取り付けが進んでおりました。
※キッチン現状
キッチン現状
キッチン家具、設備も完全に入れ替えになるのですが、先ず迷ったのはキッチントップ(調理台)です。キッチントップの上に別途カウンターを取り付けるので、それをそのままリビング側の壁として使う事は当初から計画していました。分かり難いと思いますが、下の写真の赤枠の部分です。
※キッチンカウンター+外壁
キッチンカウンター+外壁
素材は大理石で、ライトエンペラードの名前が付いています。
※ライトエンペラード
ライトエンペラード
これは結構ポピュラーで、日常的に良く目にします。思い出してみたら、これより色調の濃いバージョン、イースタンエンペラードは僕の日本のマンションの玄関たたきに使われていました。年に3回ほど短期滞在するだけなので、すっかり忘れていました。多分にこれを選んだのもそのイメージが脳理に残っていたからかも知れません。
何れにせよ、これに合わせてダイニングのミラーの色調を選び、ダイニングセット、ソファー等も既にフライングで買ってしまった経緯もあり、これは固定、変更する考えは全くありません。非常に気に入っている部分でもありますので…。
話を戻します。迷ったのはキッチントップ、調理台の部分です。
全体の調和を考え、こちらも同じライトエンペラードを使おうと施工会社のTさんに打診すると、「吉田さん、マイディー。」との回答。マイは英語のNOTで、ディーはGOODの意味。つまりTさんはNGとの見解です。
「吉田さん、調理台として使うキッチントップに大理石はリスクが高い。例えば、レモン汁なんかを垂らすと即変色してしまいますよ。グラナイト(花崗岩)を使った方がいいよ。」との意見です。
Tさんはプロ意識が高く、明確なポリシーを持っています。かと言って、頑固とかそういうキャラクターでは無く、話しぶりは非常にソフト、お客の話もちゃんと最後まで慎重にモニターします。
つまりは顧客の立場になったプロ意識をきっちり持っている人物です。10年以上に渡り付き合ってきましたので、Tさんの意見は十分熟考に値する事は僕も心得ています。
自分なりに調べてみました。日本のネットサイトにはあまり情報が多くなかったので、英語のブログなんかを読んでみると、やはり食品や調味料が大理石の割れ目等から染み込み変色し易い事が分かりました。
実際パタヤのコンドで白い大理石を使っていた際に変色が生じ、回復できなかった経験を僕自身しています。
とは言うものの、花崗岩に比べ大理石の見た目はやはりゴージャスでスタイリッシュ、部屋の印象を華やかに引き立てます。
カミさんもこれにはかなりの抵抗を見せ、「暗い色調の大理石だったら大丈夫じゃない?」と主張。Tさんはこれを否定…。といった感じですったもんだの挙句、キッチントップは黒い花崗岩を使う事に決めました。
※ブラックグラナイト(黒色花崗岩)
ブラックグラナイト
見た目も大事ですが、やはりキッチンでは実用重視、ということで決着です。キッチンキャビネットには白い光沢のある化粧板を使うので、カラースキーム的にもリスク無し、と考えたのもこの選択の理由でした。
キッチン家電としては、2メートル高の冷蔵庫(スペースが無いので観音開き型は断念)、洗濯機(タイではキッチンに設置すのが一般的)、電子レンジ(ビルトインタイプ)、食洗器(ビルトインタイプ)、換気扇(勿論ビルトイン)、以上は全てシーメンス(ドイツ)、IHクッキングヒーターはガゲナウ(ドイツ)を購入、全てドイツ勢となりました。テレビ、エアコン等は全て日本メーカーにしますので、ご容赦を!
僕は日本家電の信奉者なのですが、ことキッチン家電に関しては、ヨーロッパ製好みです。ヨーロッパ製なら何でもいいというわけでは無く、エレクトロラックス(スエーデン)、シーメンスの2社に限定となります。価格は多少高めですが、使い勝手や耐久性、デザインに関しても日本製以上と感じています。
※電子レンジ
電子レンジ
※食洗器
食洗器
ガゲナウは初めての購入ですが、評判がいいので選びました。日本では一般的となっているIHヒーターは、タイでの普及は2~3%も無い程です。
※ガゲナウIHヒーター
ガゲナウIHヒーター
ガスなの?と日本の方は考えられるかと思いますが、タイのコンドミニアムのほぼ100%がオール電化です。従って、例外を除いたほぼ100%が電熱線方式のクッキングコンロを使用しています。これがまた使い勝手が悪く、熱くなるまで時間がかかります。そして、ひとたび熱くなると熱調整が難しく、すぐ焦げるは、フライパンは長持ちしないはで、いいところがありません。日本では5分程でつくれるインスタントラーメンをこれでつくると10分以上かかります。
従って、ちょっと高かったですが、IHに踏み切る事にしました。放熱を考慮して、空気フローを設けた設置が必要なのですが、Tさんは取り付け経験があるようで、「マイミーパンハー。」と心強い限り。マイはNOT、ミーはHAVE、パンハーはPROBLEM、つまりはノープロブレムという事です。
今日はタイ語口座みたいですね?
オーブンはいらないの?と不思議に思う方もいるかも知れません。タイでは「どんな料理でもお任せ。」的な大型のかっこいいオーブンが売られており(大体ヨーロッパ製)、実際パタヤの自宅ではエレクトロラックスのビルトインオーブンを持っていますが、全くと言っていい程使用実績がありません。
何故か?
ほとんどのケースは、小型のオーブントースターで用が足りる。使った後、網やトレイを洗うのが面倒(かみさんいわく)。が主な理由です。実際、日本にあるような魚焼きグリルが一番便利だと実感しています。
キッチンスペースも限られていますので、無用の長物は避け、実用的なオーブントースターを買う事にしています。
もう一つ説明しておきたいのは、換気扇(クッキングフード)についてです。驚く事に、タイの換気扇の大半は煙を建物外に排気しない仕組みになっています。ほとんどのケースは、天井裏に排気し、そこからはどこも行かない、といった具合です。ひどいものになると、室内の天井に向かって排気します。これに至っては、排気と言うよりも、煙をまわしているだけで何の役にも立ちません。実際、これを使い続けると壁と天井の色が変色します。ただの欠陥建築ではないですか!
※換気扇(クッキングフード)
換気扇
実際、このユニットも、天井裏にだけ排気する仕組みでした。ですので、Tさんにパイプを屋根裏に通して、室外排気システムをつくってもらう事にしました。これで安心です。
部屋の全面改装をすると、思いがけずタイの住宅の特徴と言うか欠陥が浮かび上がってきます。自分自身でそれらに向き合う事により、弊社の不動産サービスをより充実させる一助になるものと考えています。(本当ですよー。)
まだリノベーションは続きます。
頑張ります!

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