賃貸業務を通じて思う事あれこれ (その2)

前回のブログでは、賃貸は適切なマーケティングとセールス戦略を実施した後は運次第、と書きました。該当ユニットに適切な手段を講じても、それに適合する潜在テナント候補がいるかいないかに最後は委ねられる、という事を言いたかったのですが、改めて考えると、それを日本人テナントのみを対象にして当たり前のように発想できる、というのはすごい事ではないでしょうか?

永住権保持者を除く長期滞在者数が世界1位のバンコク、そしてその大多数がスクムビットという限られたエリアに集中して居住する、という特殊な背景がその裏にある事は言うまでもありません。そして弊社もその特殊条件をテコに事業展開しています。

日本人駐在者を対象にした賃貸業から日本人投資家へのコンドミニアム販売業務、管理業務の順で事業展開して弊社は、購入して頂いたテナント付けも95%以上は自前で行なっており、他の同業者への依存度は非常に低いのが実情です。賃貸事業を長年に渡り営む中で日系企業の顧客数が多いというアドバンテージがそれを可能にしており、それこそが弊社が売買事業を行う上での軸足となっているわけです。

そこら辺の事は、過去ログ:日本人の日本人による日本人の為の不動産投資 IN Bangkok 日本人の為の圧倒的な利便性、スクムビットとは? を参照下さい。

最近は日本人投資家の購入する物件は、ラマ9世、ラップラオ等に広がってきていますが、これらの地区で日本人は住んでいません。キャピタルゲインを目的に購入した人も多いと思いますが、転売が難しくなっている状況で所有して賃貸する方向転換する場合、現地系業者との取引が必要になる為、それなりの語学力と現地商習慣の理解が必要になる事をお忘れ無く。


※バンコク 路線図、投資エリア (出典:タイナビ

僕は日本のお客様にスクムビットの物件を勧める際に、「うちがダメになった場合でも他に日系業者がたくさんいますので安心ですよ。」と半ば冗談まじりで説明するのですが、多くの日系業者がいるという事もスクムビット地区の不動産投資の大きな利点である事は言うまでもありません。

最近はヨーロッパの途上国やアメリカの田舎町等での投資物件が紹介されるのを目にするようになりましたが、不動産は購入した後こそが大切です。英語も覚束ない人が現地語しか通用しない国で不動産を所有すると言うのは大変な事で、荒れた大海原にボロ船で航海に出るような自殺行為としか僕の目には移りません。

又、投資対象地域に日本人業者が2、3あったとしても、いつ無くなるかわからないと言うのが現実かと思います。

バンコクにおいても、日本人が住まない地域で賃貸運営をする場合、日系業者に依頼しても、目の前の日本人顧客で手一杯の中、他地区の物件は放置プレイに会うのが関の山、というのが現実かと思います。その様な状況下にある人は心してかかって下さい。僕のここで書いている事を高い確率で実感する事になるかと思います。

日本人地区においても、適切な手段を講じても運任せの部分がある事は先述した通りですが、他の地区に関しては、当初から全てを運任せにする様なものですので、僕には無用なリスクをとっているとしか思えないのです。

アソーク〜オンヌット地区は購入予算が高いので手が出ない、と言う場合は、スクムビット線のオンヌット以東の駅近物件をお勧めしています。現地採用者の日本人でそちらのエリアに住む人は増えていますし、他アジア人、欧米人のエクスパットの居住者も増加中なので、中国人や韓国人エクスパットに限定されるラマ9世地区よりは供給数からの観点からも有望かと思います。

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