日本人の為の圧倒的な利便性、スクムビットとは?

当ブログでは主にコンドミニアムの売買にテーマを絞って書いていますが、僕が責任者を努めるヨシダ不動産はもともと現地に住む日本人への賃貸仲介でスタートした会社です。おかげさまで、今ではバンコク、シラチャ地区では最大級の日本人賃貸シェアを扱うまでに成長しました。

バンコク地区での賃貸仲介の90%以上がスクムビットに集中しており、中でもアソーク、プロンポン、トンロー、エカマイ地区でその大半を占めています。内覧が集中する週末は勿論の事、ほぼ毎日のように複数の営業スタッフがお客様をご案内しているのは、実際はこの狭い中に限定されており、シーロム・サトーン地区やルンピニ地区に行く機会はさほど多くありません。最近レジデンスが急増しているBTSスクムビット線のバンチャク駅以遠やラマ9世等ともなれば、月に一度あるか無いかといった少なさです。

※バンコクエリアマップ

それでも賃貸仲介を開始した7年程前は、シーロム地区などはもっと多くの賃貸需要があったと記憶しております。シーロム・サトーン通りには銀行、商社を始めとして多くの日系企業が事務所を構えていますが、一部の単身者を除きほとんどのお客様がやはりスクムビットに住んでいます。

渋滞が激しいバンコクですから、単身者の方であれば会社の近くに住んだ方が便利でしょうし、シーロム界隈はビジネス街のみではなく巨大な商業エリアでもあるので、生活利便性も決して悪くは無いはずです。

その理由は実に簡単です。

それだけスクムビット地区が日本人の生活に便利な条件が揃っているから、という事に他なりません。

そして利便性は加速度的に増しており、その環境に慣れてしまうと他のエリアに住めなくなってしまう、というのが実感なのでは無いでしょうか?

※スクムビット日本人居住エリア

私自身この会社を始める前には、アジアを中心に4ヶ国5都市に居住しましたが、バンコクのスクムビット程発達した日本人生活環境を目にした事がありません。

5年以上居住したオーストラリアにおいては、1990年代だった事もあり、美味しい和食を口にするのは簡単ではありませんでした。シドニーでは少数ながらもそれなりの和食を食べられるところもありましたが、ちょっとした郊外の町に行って興味半分で日本食店に入ると、刀を背中にサヤがけし忍者の格好をしたウエイターが注文を取りにきたり、コース料理を頼むと味噌汁から出てきたりといった有様で、おまけに料理自体も「これが和食ですか?」と首を傾げたくなるような状況でした。

香港やシンガポールではオーストラリアに比べてずっと和食事情は進んでいましたが、結構高く又数自体もバンコクの比ではありません。もっとも、美味しい中華料理には事欠かなかったので、広東、潮州、北京、上海、四川、客家と専門分化したレストランに専ら通っていました。

一方、スクムビット地区の日本飲食店のラインアップには目を見張るものがあります。例えばトンカツだけでも、和光、さぼてんといった有名店を始め多数のレストランが日本から進出していますし、すき家、吉野家などの牛丼チェーンは勿論の事、焼肉、ラーメン屋、居酒屋などでも日本の有名店が揃います。

※日本飲食店が軒を連ねる日本村(トンロー

タイ居住の邦人数は大使館の在留届出数だけで7万人をゆうに超えますが、登録していない人を含めると10万人以上いる、というのが一般的な見解です。更に日本人には根強いタイファンが多く、1年のうち数ヶ月タイで過ごす、という人も少なくありません。

外食の話に偏ってしまいましたが、勿論日本人生活利便性はそれに止まりません。

ラマ9世通りにある日本人学校へのアクセスが良好の為、スクールバスの送迎もスクムビット地区全体を網羅しています。シーロム方面に住んでしまうと、どうしても送迎が早朝、夕方になってしまい、児童も長時間バスに乗る羽目になってしまいます。

又、スクムビットは多くの日本人が通勤するアユタヤやチョンブリ方面を結ぶ高速道路への乗降口が近い、といった利点もあります。交通渋滞の激しいバンコクでは、これが住居選びの大きな要因となります。

従来から高級住宅地であったトンロー、プロンポン地区は上記の2つの重要な要素を兼ね合わせていたことから、日本人駐在員世帯が住むようになりました。

そして現地の日本人の台所には欠かせない存在となったフジスーパーが登場。トップス、ビラなどには無い日本の食材や日用品を揃え、現地スーパーの不便を感じていた日本人の拍手喝采を浴び、現在では4店舗を営業中。更にエカマイに新店舗を開業予定です。 (掲載後、7月24日に「出店の予定は無い。」との連絡がフジスーパーの担当者の方から届きました。謹んで訂正させて頂きます。)現地の日本人マダムの中では、住居探しの際にフジスーパー徒歩の条件にこだわる人も少なくありません。日参するわけですから、奥様にとっては優先順位の高い条件となります。

※フジスーパー

他にも保育園や幼稚園、日本語が普通に通じる総合病院、子供の塾や予備校、奥様の習い事教室、旦那様のゴルフの打ちっ放し、酒屋の配達など、これでもかというほどに日本人の生活利便性は徹底され、この磁力に争うのは不可能、といったところまで進化を果たしたのです。

それと同時進行で、多くの賃貸専用豪華アパートやサービスアパートがこの地区には数多く揃うようになり、セキュリティの高さは勿論のこと、日本人好みの間取りつくりやファシリティの完備など進化を積み重ねてきました。アパートと言っても日本でよく見る〇〇荘のようなものではなく、高層タワー、全室角部屋、大浴場やゴルフシュミレーター完備などのハイソ設定となっており、一般の人が思い描くアパートとは全く別物です。日本のマンション住まいの人が羨むような住環境が整っているのです。

プロンポン、トンロー地区では、全世帯が日本人というアパート物件は決して珍しくなく、そのようなところでは敷地内の告知板などはすべて日本語標記となっています。

上記のような経緯の中で、年月をかけて、スクムビットでは不動の日本人居住区が形成されるに至ったのです。

なぜ通勤時間を犠牲にしてでもスクムビット地区に住むのか、お分り頂けたでしょうか?

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