なりふり構わず在庫一層へ向かうディベロッパー

前回より1カ月以上も経ってしまいましたが、予告した通り、あの手この手で積み上がった在庫一掃に励むディベロッパーの様子を見ていくことにしましょう。

先ずはノーブルディベロップメント社。


※ノーブル社のプロモーション広告

オーソドックスに値下げキャンペーン戦術です。

プロジェクトによって発売時期は前後するものの、おおよそ3年ほど前に設定された一般プリセール価格をベースにした価格設定と見受けます。

VIP顧客にはこれより安い価格で販売されたはずですが、さすがにそこまでの値下げとなると不信を買い顧客離れを誘発してしまいますので、そこまでは踏み込めないといったところでしょうか。

実際この手の広告を見て販売現場に足を運んだお客様から話を聞くと、「低層階で眺望が悪いユニットのみが広告の価格帯で、いいユニットになると全然値段が違う。」との事でした。

つまり魅力のない売れ残りユニットがバーゲン価格で売られているに過ぎず掘り出し物はなし、というわけです。もっとも、ラインアップされているプロジェクトは発売当時もまずまずの人気でしたので、必然の成り行きといったところでしょう。

このあたりの内情を知らない人であれば、「安い。」と思い込み買う事もあるでしょうから、ディベロッパーとしてはその辺が狙いなのかも知れません。気をつけましょうね。

2番バッターはオリジン社。


※オリジン社のプロモーション広告

こちらは利回り保証キャンペーンです。しかも8%を3年間、となかなかのインパクトです。24%の投資利回りが回収できますので、投資家にとっては魅力的な数字です。

既に引き渡しが終了しているタワー2、3では、プリセール価格で購入した価格をベースにする場合、利回り5%以上はあるはずです。但し厄介なのは、27㎡前後の1ベッドルームの供給が多く、そちらのオーナーはテナント獲得に苦戦を強いられているはずです。

利回りを少なめに4%と見積もれば3年間でリターンが12%上乗せされますので有利なのですが、懸念されるのはその12%が一般プリセール価格に上乗せされているのではないか?という点です。

事実確認をしていないので何とも言えませんが、僕はその可能性が高いと思っています。オリジン社のプリセール価格、市場でのリセール価格を比較して購入するのがいいかと思います。

このパーク24は日本人居住区の中心となるソイ24にある為駐在員人気もまずまず。タワー3はアスコット社がサービスアパートとして貸し出していますが、弊社の賃貸部門では人気物件の一つとなっています。


※アナンダ社のプロモーション広告

こちらは、購入後支払い開始は2年後から、といった珍しいキャンペーンです。対象プロジェクトは10件に及び、中にはアイデオ・モビ・アソーク、アイデオ・モビ・ラマ9等まあまあの人気プロジェクトもラインアップされています。
価格は下げないけど、支払いは2年先ですので、資金手当ての時間は十分ありますよ、という事らしいのですが、僕には合点がいかない内容です。

楽天的な発想でローン地獄に陥りやすいような性格の消費者を対象にしているのでしょうか?どういうギミックがあるのか不明ですが、モラルハザードを強く感じるのは僕だけでしょうか?

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