プラカノン以東の賃貸投資の重要点 厳しい家賃交渉

スクムビット地区、プラカノン以東エリアの賃貸投資の話を継続します。

前回もご紹介したオンヌット駅前の人気物件アイデオ・モビ・オンヌット(スクムビット81)ですが、いくらで買えるのか?又、家賃相場は? に関して説明します。

弊社でオーナーから預かっている販売在庫の一部をリストにしましたので、参照願います。


※アイデオ・モビ・オンヌット、販売ユニットリスト

全て中古物件のリセールですので、ユニットの所在階や眺望、室内の状態、オーナーの要望により、価格に大きなバラツキが出るのは説明するまでも無いでしょう。

特にタイでは価格ベンチマークを示すデータ収集と市場に衆知するシステムが未成熟な為、整備されている先進国市場とは違い、オーナーの考え方一つで値付けが大きく異なります。又、実際の取引額と土地局に申告されている販売価格が違う、のが商習慣となっている点もその背後にあるもう一つの大きな理由となっています。

当然そういったユニットは売れずに残るのですが、急いで売る必要もないのか、「この値段で売れなかったら売らない。」といった妥協なしの姿勢を改めない人も少なくありません。市場価格より高く売るのは買い手の信任を得られないので弊社も値下げ交渉をするのですが、売り手が頑固な場合は弊社にとっても時間の無駄なのでさっさと手を引いちゃうのが日常です。

掲載している販売リストを見ると、平米単価14〜16万バーツ(49〜56万円)となっています。

販売価格は、
スタジオ(1ルーム) 21〜22平米 3〜3.2ミリオンバーツ(1,050〜11,20万円)
1ベッドルーム 30〜32平米 4.7〜5.1ミリオンバーツ(1,645〜1,780万円)
2ベッドルーム 43平米 6.1ミリオンバーツ(2,135万円)
です。

前回のブログでも説明した通り、プラカノン以東では2ベッドルーム以上のユニットは賃貸需要が下がるので、弊社では賃貸投資物件としては推奨していません。

アソーク〜エカマイや他のCBDエリアであれば、ユニットの希少性(スタジオ、1ベッドルームの供給が極端に多い)、賃貸需要、売りやすさを見据えて、逆に2ベッドルーム以上を強く推奨しています。

CBDエリアの場合スタジオ・1ベッドルームと2ベッドルーム以上のリセール平米単価を比較すると、2ベッドルーム以上の方が高値になっているケースが多いのですが、このアイデオ・モビ・オンヌットの価格表を見ると、プラカノン以東のエリアではその傾向が無い事を裏付けています。

販売リストの赤い四角で囲んだ部分は、テナントが付いているユニットで、
スタジオ 22平米 家賃1.5万バーツ 利回り5.6%
1ベッドルーム32平米 家賃1.9万バーツ 利回り4.5%
となっている点に着目して下さい。

弊社もアイデオ・モビ・オンヌットには多数のテナント付けを行っていますが、弊社の賃貸実績を見ると、
スタジオ  21〜23平米 家賃1.4〜1.7万バーツ
1ベッドルーム 30〜31平米 家賃1.7〜2.1万バーツ
となります。

これはバンコクで賃貸業務経験があれば誰でも常識的に知っている事なのですが、現地採用で働く日本人が借り手の場合、かなり細かい家賃交渉が入ります。そして500〜1,000バーツ(1,750〜3.500円)の差で決定的になる事も少なくありません。

これは潤沢な家賃手当てが支給される大手企業駐在員とは大きく状況は異なります。冷静に考えれば、家賃手当てが支給されるエリアの賃貸市場の方が異常なのかも知れません。

ここで理解しておきたいのは、家賃交渉次第で賃貸利回りが1%程増減する点です。もともとCBDエリアに比べて家賃ベースが低いエリアなのに、更に利回りが1%下がるのは受け入れたく無いところかと思います。但し、価格にこだわり過ぎて1ヶ月空室ともなれば、やはり利回りは0.83%減少しますので、判断に迷うところであります。

あまりに大きな家賃差で無ければ、通常僕は妥協して賃貸契約する事をオーナー様に勧めています。

賃貸不動産もホテルと同じで、時間と共に在庫が消失する商品です。1月30日の一泊が空室であれば、時計の針が0時を打った時点でカボチャの馬車に変わり、収益チャンスは永遠に失われます。そしてゆっくりとではあるものの、時間と共に物件は古くなり劣化していきます。又、翌日を待っても借りてが現れるとは限らないのです。

とは言え、その後もっと高く借りたい、というテナントが現れるかも知れませんので、飽くまでオーナー様の最終判断に委ねる事にしています。

尚、販売物件リストにテナントが付いていないユニットが多いので、「結構空いているんだな?」との印象を持つかも知れませんが、実際は他に比べて空室率が低い物件です。

テナントが入ってしまうと、賃貸契約上、バイヤーが内覧する為にテナントの事前同意が必要になる等がある為、テナントが無い状態のお部屋を優先しているという事情があるのです。

一方、中国人投資家の中には、「現実の利益の方が部屋だどう見えるより重要だ!」と考える人も多く、見ないで買う場合も少なくありません。ある意味では「ごもっとも。」とも感じるのですが、不動産商品をただの金融商品と割り切るのは心理的に簡単ではありません。

そこら辺を狙っているオーナーは、テナントを付けてから割高に販売価格を設定する傾向にありますので、そういった考え方も理解しておくと役立つかも知れません。

プラカノン以東エリアの賃貸市場に関してさらっと説明しようと思って書き始めましたが、いざ始めて見ると奥が深くなかなか終われなくなってしまいました。文章が長くなり読むのも大変かと思います。押し付けがましいのは山々ですが、どうしてそうなのか?をわかる事はとても大事な事だと思っていますので、是非お付き合い願います。

さて、今回の内容は、
プラカノンそこから東は値切られる
と覚えて下さい。

おすすめ