変化するMRTペッブリー駅周辺 (その2)

MRTペッブリー駅周辺には、昨日触れたライフ・アソークを含めて既に5件のコンドミニアムが完成しています。

各物件の位置関係は下の地図を参照願います。

 

※MRTペッブリー駅周辺 コンドミニアムマップ

グレードの違いはあるものの、どの物件も駅近となっており、交通利便性は抜群です。MRTペッブリー駅の構内にあるメトロモールには、グルメマート(スーパー)、コンビニ、ファーストフード店などがオープンしており、すでに生活利便性は上昇を始めています。そして前回述べたように、シンコンプレックスが完成すれば、このエリアの人気をジャンプさせる起爆剤となることは簡単に想像がつくわけです。

このエリアで最初に登場したのは、AP社の最高グレードに位置付けられるアドレス・アソークで、2012年に竣工しています。アドレスの名に恥じない豪華な共益設備を有するラグジュアリー物件ですが、その頃は駅があるだけで、買い物、食事をする場所がなく、非常に不便な住環境となっていました。ペッブリー通りに面しているのはいいのですが、目の前がフライオーバーとなっており、タクシーなどは全てそちらに流れて行ってしまい、電車を使わない限りはムムムといったところがありました。

「物件そのものはいいけども、ちょっとね。」ということで、やはり賃貸人気は今ひとつ。ですので、物件価格も他エリアのコンドミニアムに比べてさっぱり、のパフォーマンスとなっています。

では、他のコンドミニアムはどうなの?

気になるところですよね?

このエリアのコンドミニアムの賃貸状況、利回りの一覧を作成しましたので、参照下さい。

 

※MRTペッブリー駅周辺コンドミニアム賃貸状況

青字で示されている3件はまだ建設中の物件です。又、ライフアソークは賃貸が始まったばかりの為その趨勢が読めませんので、賃貸人気度は未確定としています。

コンドミニアムグレードに関しては、下表を参照下さい。

 

※バンコクコンドミニアムグレード表(2018年8月時点)

賃貸人気度の評価基準に関しては、過去ログと下表を参照下さい。

関連過去ログ:中古コンドミニアム バイヤーズガイド トンロー編(その2)

 

※賃貸人気度評価基準

賃貸状況の一覧を見ていると面白い事に気付きます。

AP社の最高グレードに位置付けられるアドレスと一般グレードのライフが同じハイクラスの価格帯に属している点です。物件を見れば素人目にもグレードの違いは一目瞭然なのですが・・・。これに関しては、ライフがアドレスの6〜7年後に売り出された、という違いのみがその理由となっています。プリセール価格は土地価格と共に継続して上昇をしたものの、賃貸人気が振るわない既存の中古物件の価格上昇は鈍かった事によりこの結果を招いたのだと思います。当然、新築と6年落ちの中古といった端的な違いはありますが、僕の目には明らかな歪み現象に映ります。

ライフの方がより駅近(100メートル)なのは事実ですが、アドレスアソークも十分に駅近(220メートル)ですし、裏にはエアポートリンクマッカサン駅もあります。そしてこの路線をドンムアンースワンブンーウタパオの3つの国際空港を結ぶ将来の新幹線にする計画が進められています。その頃にはマッカサン駅は、前回のブログで説明したような大開発が行われ、一大ターミナル駅へと進化します。つまりアドレス・アソーク周辺は大躍進を遂げるのです。

アドレス・アソークの建物そのもののグレード感はラグジュアリークラスと評価して全く問題のないレベル。つまりラグジュアリーコンドミニアムがハイクラスの価格帯で購入できるわけです。

それを考えればアドレスを買った方がいいような気もするのですが、プロジェクト終了まであと10年ぐらいはかかるのかな〜?もうちょっと奮発してQアソークを?待てよ、アイデオ・モビ・アソークの完成前物件も悪くなさそうだぞ、等々考えると迷いが生じ、混迷を極めてしまうのも肯けます。

Qアソークの利回りは4.5%の低い結果となっていますが、これは物件価格の上昇が収益率を悪化させたのがその理由です。このエリアの他物件に比べて、Qアソークは賃貸人気が最も高く、それが物件価格を押し上げ収益率の悪化を招いたのです。

今後の1年以内にイデオ・モビ、ロフト・アソーク、エッセ・シンコンプレックスが完成してきますが、どれも時間を待たずに完売した人気プロジェクトですので、このエリアの賃貸事情に大きな変化をもたらすものと考えています。

但し、このエリアは日本人が極端に少なく、弊社の賃貸実績も両手で数える程なのが実情です。スクムビットのアソークまで一駅といった地の利の良さですが、日本人居住区が極端な供給不足でも起こさない限りはこのエリアに日本人が大きく増える事はないと思いますし、アソーク〜エカマイの日本人居住区で供給が不足するような事態は起き難いと考えています。

さらに賃貸価格帯を見ると、ほとんどの日本人エクスパットはこのエリアを選ぶ前にプラカノン、オンヌットを検討すると思います。

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