将来の賃貸激戦区スクムビット36 (その3)

トンロー駅前物件の賃貸事情のお話を続けます。

※トンロー駅周辺物件比較(賃貸)

キーン・バイ・サンシリ
クレスト・スクムビット34
シリ・アット・スクムビット

スクムビット通り沿いの3つのコンドミニアムを比較してみましょう。

 

※トンロー駅前物件地図

物件のグレードや立地条件にさほどの差異がないこの3つの物件ですが、シリ・アット・スクムビットが完成した2010年からキーン・バイ・サンシリやクレスト・スクムビット24が完成した2013〜2014年の間に新築物件の平米単価が40%程上昇している為、同サイズのユニットになるとシリ・アット・スクムビットの方が賃貸価格は割安になる事に加え、シリ・アット・スクムビットの1、2ベッドルーム共に間取りが良く、更に共有施設も同じBランクながら他2物件を上回る充実ぶり、と条件が揃っており、賃貸人気度ではシリ・アット・スクムビットの競争力が現在でもあまり色あせていません。

逆に言うと、キーン・バイ・サンシリとクレスト・スクムビット34の2物件は価格の上昇こそあれ、物件としての進化が伴わなかったと言う事実が低い賃貸競争力の原因になっているとも考えられます。好調な売れ行きを背景に「建てれば売れる。」といったディベロッパーの慢心もあったのかも知れません。そう言った傲慢さがコンドミニアム賃貸人気の明暗を分けたような気がします。

 

※シリ・アット・スクムビット 2ベッドルーム(70平米)

 

アシュトン・モルフ38

2013年に完成したアシュトン・モルフ38は、その意味でいい比較対象になるかと思います。アシュトンはスクムビット通りからソイ38に300メートルほど入った立地、と若干駅から離れている為、立地面では確実に分が悪いのですが、高級レジデンスとしての進化過程を多くの点で見受けられ、それが現在までの賃貸人気の高さに貢献しているものと考察しています。

2つのタワーがあるのですが、低層の方の10階建ての棟は35〜38平米と小さいながら全て高い吹き抜け天井付きのデュプレックス仕様。32階高層タワーの2ベッドルームは、カーブを描いたコーナー窓ガラスを採用するなど、現在のアシュトンシリーズの美しいビルディングデザインの原型となりました。

ディベロッパーのアナンダは、約束した建材を使わなかったり、アシュトン・アソークの引き渡しができなくなったりとあまり良くない話題には事欠かない問題児ではあるものの、非常に進歩的でスタイリッシュなビルディングデザインにおいては、他社より一歩抜きん出ていると思います。最近ではアシュトンのみならず、アイデオQやアイデオ・モビなどのプロジェクトプランも、見ても欲しくなるようなデザインで購買意欲をそそられます。

 


※アシュトン・モルフ38 1ベッドルーム・デュプレックス(37.83平米)

キーンやクレストに比べて慢心する事なく開発に精進したアシュトン・モルフ38は物件価格の大幅な上昇と立地の負目を十分に乗り越えた賃貸需要を獲得しました。立地の悪さを先進的なデザインや間取りで克服するのに成功したわけです。

次回に続きます。

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