賃貸契約業の舞台裏

 

前回はEDGE Sukhumvit 23のユニット完成後即賃貸契約をまとめたお話をしましたが、賃貸利回り狙いの投資家の方には興味のあるポイントかと思いますので、弊社のテナント付作業の裏側を簡単に触れてみたいと思います。

 

現在多数のユニットオーナーの方と物件管理契約を結んで頂いております。勿論有料なのですが、弊社では日系他社の価格の半分以下といった格安設定をしているせいか、管理契約数は急ピッチで増えています。

 

管理内容は長くなりますのでここでは言及しませんが、管理契約を頂いた場合最優先でテナント付を行いますので、最近はタイ人オーナーからの申し込みも少しずつ増えてきています。

 

日本人オーナーが日本にいながらの賃貸経営を基本に管理サービスを提供しておりますので、管理内容には正直タイ人オーナーにはあまり意味のない支払い代行等の管理項目も含まれているのですが、日本人テナントを早く見つける為の関所手形のように捉え、これで部屋が埋まるのなら安いもんだと考えている節があります。

 

但し、どんなユニットでも簡単にテナント付できるわけではありませんので、そこら辺は契約時に十分な説明を行うことになります。弊社は駐在委員を中心に日本人テナントが99%ですので、それに適さない立地の場合はお断りするケースもあります。又、日本人が住むスタンダードに見合わない内装、インテリアなどもNGです。

 

これは欧米人オーナーの方によく見受けられるのですが、元々自己居住を念頭に置いて購入したせいかもしれませんが、かなり自分の趣味に偏ったというか、一般人には奇抜としか思えないようなインテリアのお部屋をよく見かけます。キッチンキャビネットが真っ赤だったり、壁が壁画のようになっていたり、照明が少ない為暗すぎたり、巨大な仏像の絵が飾ってあったりと、一度「欧米人オーナーのお部屋あるある」を写真付きで特集したいぐらいです。

 

※奇抜なインテリアのお部屋(イメージ)

 

※仏像インテリア(イメージ)

 

似たような趣味の人もいるのかな?と思いながらも管理契約などは結ぶことなく引き上げてくるのですが、そういったお部屋は勿論空室が続きます。弊社では内覧にご案内することは決して無いからです。そんな部屋に案内すれば瞬く間に信用は失墜する可能性は大、勿論そんなリスクは犯しません。

 

ある程度の出費で改善できるようなお部屋であれば、マイナーなリニューアルを依頼することもありますが、あまりにもひどくオーナーの方が自信満々の場合は、時間の無駄を避け、失礼の内容にお付き合いをお断りしております。

 

管理契約を締結した後のテナント付は、弊社の最も得意とすると業務となります。

 

賃貸物件を求めているお客様の依頼は、インターネットや電話などで入ってくるわけですが、実際はそういったウオークイン的な一般賃貸客よりは、弊社を賃貸業者として指定頂いている現地日系企業の総務様やその会社から紹介された駐在員のご本人からお問合わせを受けるのが大半です。前者をBtoC、後者をBtoBとした場合、比率は1:9といったところでしょうか?

 

ヨシダ不動産は設立が2011年ですので社歴は短いのですが、2013年に買収しグループ会社となった小林株式会社は1985年設立です。創業32年となるバンコクの日系不動産会社のパイオニア的存在です。32年の間に顧客となり、社内データベースに登録されている企業数は1590社にのぼります。。

 

※小林株式会社HP抜粋

 

※社内データベースシステム(CRM)画面

 

JETROの資料によると2016年4月時点でタイ商工会議所に登録している日系法人数は1707社、タイ商務省の資料によると2014年11月までに法人登録された日系企業は累積8890社ですので、1590社の累積顧客企業数は手前味噌になるものの驚くべき数字と言えます。

 

日系企業の場合、公正さの兼ね合いから複数の不動産業者をしているのが一般的ですが、弊社を一社指定というところも少なくありません。嬉しい限りです。

 

その場合は総務の担当者様から「4月に新しい駐在員が5組きます。2組が家族で後は単身ね。」といった感じでオーダーが入ります。その会社の予算は勿論の事、会社の所在地や選んでいい物件悪い物件は熟知しておりますので、後は半ば自動的にことが進んでいくわけです。

 

こういった日系企業からの指定を受けるのは実は簡単ではありません。日系企業、特に大手企業は一般的に敷居が高く、ぽっと出の不動産業者が連絡をしても電話にも出てくれないでしょう。設立したばかりの実績のない業者では全く相手にされないわけです。

 

一社の顧客を獲得するのですら大変なのですから、1590社の顧客データベースを築き上げるまでには想像を絶する程の、と言うと大げさかもかもしれませんが、多くの人間により大きな努力が払われたことは間違いありません。

 

1590社と言う顧客企業こそが弊社のかけがえのない宝物だとつくづく思います。

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