Sell before transfer

 

バンコクでは注目大型プロジェクトが昨年暮れから今年初めの間に続々と完成し、順次引き渡しが行われています。

 

スクムビットソイ23の抜群の立地“Edge Sukhumvit 23”(サンシリ社)、ソイ39のこれまた好立地“The XXXⅨ”(サンシリ社)、BTSプルンチット駅前“Noble Ploenchit”等がその代表格となります。他にもエカマイ周辺にはRhythm 42、Loft Ekkamai等も挙げられます。

 

※Noble Ploenchit

 

全て高級物件以上のクラスで、この5件だけで3,000ユニット近くが市場に供給された事になります。都心部の高級コンドはタイ人富裕層が投資目的で購入するケースが多いので、確実に半数以上は賃貸マーケットに放出されてきます。

 

これが賃貸市場にどのように影響を及ぼすのかは想像に難くないですが、そこら辺の事情は他の機会に説明したいと思います。

 

本日はタイトルにある“Sell before transfer”について書きます。

 

これはプロジェクトが完成間近になり、多数のユニットが転売される際に普通に目にする文言です。transferは登記移転を意味しており、つまりは「私の購入したユニットをディベロッパーからの引き渡しの前に売りますよー。」と宣伝しているのです。

 

このブログの読者の皆様であればプリセール販売の事情を理解していると思いますが、「何それ?」と要領の得ない方は、弊社のHPプリセール物件とは?を一読下さい。

 

一度ディベロッパーから引き渡しを受け登記してしまうと、それを販売する際には諸税がかかります。特に購入してから保有3年未満で売る際には価格の3.3%に当たるビジネスタックスが課せられます。それを転売価格に反映させると当然売却が難しくなります。というのも登記前に売却してしまえば、移転費用は価格の1%ですみます。10ミリオンバーツの価格であれば23万バーツのコスト差となりますので小さくありません。

 

と言うことで、登記移転の終わっていないユニットを「未だ登記していません。お得ですよー。」と売っているわけです。

転売目的でプリセール購入しているケースは非常に多いので、プロジェクト完成間近になるとこういった物件が大量に放出されてきます。毎年7-8%平均でプリセール価格が上昇するバンコクのコンドミニアム市場ですので、3年のプロジェクトであれば20~30%、4年のプロジェクトであれば25~40%ぐらいで転売価格が付くのですが、それらの転売価格も購入したオーナーが自由気ままに決めるので大きなバラつきが出る事になります。

 

所在階、人気の間取り、方角、眺望等の客観的な評価点積み上げ方式で決まるのであれば話は簡単なのですが、そこに「俺のは素晴らしいユニットなのでこれが値段だ。」といったマーケットを顧みないゴーイングマイウエイ派がいたり、「転売目的で購入したので、自分のものにして賃貸に出す気はさらさらない。早く売らなければやばい。」といった尻に火がついている派がいたりするので、「何でこんなに高いの?」といったユニットや、「これは割安だね?」といったものが日々登場してきます。

 

良く調べないで前者を買ってしまうとババを掴んだことになり、後者であればそれなりに良い投資物件を得たことになります。

 

投げ売り物件もあるのでは?といった淡い期待を抱く方もいそうですが、そのような事は本当に稀で、宝くじに当たる確率ほど低いとは言いませんが、商店街のハワイ旅行に当たるぐらい低いと認識してください。

 

と言うのも、バンコク中心部のプライムエリアのプロジェクトはタイと海外の富裕層が購入しますので、残金が払えないので損切するといったタイプの人はほとんどいません。「売れなかったらプランB。登記して賃貸に回せばいいよね。」となるのが普通です。そしてタイミングをみて数年後売却するのです。

 

十分な手元資金を用意せずに購入に踏み切る酔狂なバイヤーもゼロではありません。しかしながら、損切をしてコスト又はコスト割れで売却するようなケースは市場に出回ることなく取引されることが一般的なので、日本に居ながらにしてそのような情報を察知するのはまず不可能です。

 

逆にそのような情報が寄せられてきたら、「詐欺かもしれない。」と疑った方が賢明かもしれません。

 

弊社にも引き渡し間近になって「売れないので何とかして欲しい。」といったお客様からの要望が寄せられることが少なくありませんが、1-2か月を切っていたりすると何ともお役に立てない結果となります。でもそういった日本人の投資家の皆様は十分な資金を持っており、投げ売りすることなく登記➡賃貸と方針転換を図っています。

 

こういったお客様から相談を受けていると、購入時にきちっとした説明を受けていないケースが多く、気の毒になるほどのひどさに同情を禁じ得ない場合も少なくありません。業者選びは投資の成功・失敗に直結しますので、慎重に行ってください。

 

僕自身はプロジェクト完成間近で市場のテンション上がっていく状況は大好きで、業者や個人から送られてくる売り物件リストをこの値段本当なの?とか高層階なのに割安だねーとかいった感じで楽しんでいます。

 

その価格の必然性と言うか、値付けされた背景をプロジェクトのフロアプランや間取図などを眺めながら推理するのは趣味の一つと言えるかもしれません。理に適わない価格で出ているものも先述の通り少なくなく、怪しい戦後の闇市の香りをつい感じ取ってしまうのはやはりタイだからでしょうか?

 

今年に入りThe Ritz-Carlton Residencesの引き渡しも開始となりました。まだ高層階は工事が終了しておらず、引き渡し期間は長期に及ぶ見通しです。このような超高級プロジェクトでもリセール物件は少ないもののやはり出てきております。

 

リッツですので30万バーツ以上が開始価格となります。つい3年前までは「高い。」の印象を持ちましたが、アソーク、プロンポン、トンローの高級物件はこの価格レンジに届いているプロジェクトも少なくなく、今ではリッツカールトンの冠で駅直結、しかも300メートル超のバンコク一の高層ビルといったプレステージ性を考慮すると割安に思えるほどです。

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※The Ritz-Carlton Residences

 

購入希望の方はまだ間に合いますよ。実は素晴らしい3ベッドルームが割安価格で出ています。

 

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