2019年度バンコク賃貸ランキング (その2)

下の表が2019年度のヨシダ不動産での賃貸物件ランキングとなります。


※2019年度賃貸物件成約ランキング

特筆事項としては、2015〜2017年連続で首位を守ってきたQuattroが僅差ながらRhythm Ekkamaiに王座を奪われた点が挙げられます。Rhythm Ekkamaiは特にこれといった取り柄のある物件ではありませんが、BTSエカマイ駅近、ショッピングモール隣接と利便性が高い為、古さが目立ち始めたかつての人気物件Noble Reveal等の引越し先受け皿として選ばれたものと見ています。

新築思考の強い日本人テナントにとって、「まだ誰も住んだ事のないピカピカのお部屋です。」といったセールストークは殺し文句になります。今回のトップ15には、新築物件が4件ランクインしています。これは明らかに、新築物件プレミアム効果だと言えます。

総じて施工等に問題の多いバンコクの不動産では、竣工後1〜2年はハード面の不具合、管理マネジメントの問題等が続出し対応に追われる事が多いので、初期問題の収束後が居住ベストタイミングではないかと僕なんかには思われてならないのですが、新築物件へのあこがれはそういった懸念を吹き飛ばしてしまうようです。

ある程度の条件を満たしていれば、どんな物件でも新築プレミアムを享受しますが、その後実力の無い物件は年を経る毎に選ばれなくなっていきます。Rhythm Ekkamaiにおいても今後3〜4年が黄金期では無いかと見ています。エカマイ地区では、インプレッション・エカマイ、ファイン・バンコク、パーク・オリジン・トンロー等が、今後ドンキモール周辺に続々とオープンしてきますので、その競争の渦に巻き込まれていくのが必至だからです。

次点にはなりましたが、Quattroは築9年となった今でも賃貸人気物件として不動の地位を誇っています。8 Thonglor(5位)、Siri at Sukhumvit(11位)、HQ By Sansiri(15位)はQuattroまでとはいかないまでも、安定した賃貸人気を維持しています。

Siri at Sukhumvitはテナント離れが起き、空室が目立つ時期もありましたが、家賃を下げる事により人気が復活傾向にあります。近年の新築物件の半分ぐらいの価格で分譲された為、家賃を下げても十分な利回りの賃貸収入が得られるといった強みがあるのです。

2018年から一つランクを落としているもののRhythm Sukhumvit 42の人気は継続しており、ここも人気物件として定着する可能性が高そうです。

2018年度は11位だったPark24はかなりランクを上げてきていますが、何しろユニット数が多い巨大プロジェクトですので、物件内競争はかなり激しいものと思われます。

アソーク地区からランクインしているAshton AsokeとThe Esse Asokeは共に新築物件です。Ashton Asokeは抜群の立地の良さを有していますので、しばらくは人気を維持するものと予想します。

かたやアソーク通りの半ばといった微妙な立地が気になるThe Esse Asokeですが、ここもまた新築プレミアムで下駄を履いた感は拭えませんが、圧倒的な豪華感により支持を得る結果となりました。

内覧する前には、駅近、スーパー近、通勤に便利等の条件を言っていた人も、The Esse Asokeのラグジュアリー感の前では細かい条件等は忘れてしまうようです。「多少不便でもここだったら住んでみたい。」と思わせる物件なのです。

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