バンコク賃貸募集はどうやるの? (その1)

賃貸物件供給過多のバンコクで空室を抱えているオーナー様、賃貸募集をしたいけどどうしたらいいか分からない、と手をこまねいている方も少なからずいるかと思いますので、バンコクでの適切な賃貸募集方法をわかり易く説明したいと思います。

まず全体の流れから説明します。

賃貸募集から成約までの流れ

ステップ1 賃貸ユニットの告知→メールにて多数の不動産業者にメール

タイでは専任媒介、専属専任媒介等は少なく(と言うかほぼ無い)、一般媒介が慣例です。希少価値のある人気ユニットであれば不動産業者も専任等をありがたがるかも知れませんが、業者側は賃貸物件に対して不足感を持っていませんので、「お宅を専任にしたい。」と言っても逆に迷惑がられだけですので、不特定多数の業者に広く告知し募集するようにしましょう。

そのエリアに強い賃貸業者を割り出して狙い撃ちもいいですが、分からない場合は無差別絨毯爆撃で仕方ないかと思います。

又、送ったメールに対して返信しない業者が大半を占めるはずですので、「内覧希望の顧客がいれば連絡してくるだろう。」と鷹揚に構えるのが適当です。専任ではないということはお互いに拘束力がない事を意味します。「メールしたのに返信が無いのは失礼だ。」等、腹を立てたりしないようにして下さい。

ステップ2 問合せ、内見実施。

対象の顧客がいる場合、まだ部屋は空いているか?どうやって鍵を受け取れるのか?等の問合せが入りますので、速やかに返信するようにしましょう。返信が鈍いと外されますので注意して下さい。

いつ頃内見に来るのかを知らせる業者とそうでない業者がいます。常時内見に対応する為にも鍵は管理事務所に置いておくのがベストです。実際大半のタイ人オーナーはそのようにしています。その場合、不動産業者は身分証明書を管理事務所に預ければ鍵を貸してもらえますので、不特定多数の業者、内見者の入室が可能になります。当然ながら、その場合貴重品等を室内に置いたままにするのは禁物です。

日本人オーナー様の中には、「許可無しで不特定多数の人間が入るのは困るので、〇〇さんにコンタクトしてアポイントメントをとって下さい。」とか、「〇〇さんから鍵を受け取って下さい。」という方がいますが、これは敬遠され内見リストから外されやすいのであまりお勧めできません。

業者は1日に数件を内見しますので、渋滞等で遅れたり、当日の変更が発生したり、と時間確定が難しいのです。その結果「面倒だからその物件は外す。」といった憂き目にあってしまいます。

又、コンドミニアムによっては、オーナーの事前承諾が無いと預かっている鍵を貸し出さない、といったポリシーのところもありますので、事前に管理事務所と確認が必要です。

ステップ3 成約、賃貸契約書締結、入居準備

顧客が物件を気にいると、賃借希望の連絡が不動産業者経由で入ります。

ここで家具家電等のリクエストが入るケースは少なくありません。寝室にもテレビを入れてくれ、化粧台を付けてくれ、キッチン用品を付けてくれ等々、多岐に及びます。見合わないコストであれば拒否し見送りとしてもいいですが、妥当と思われるものはできるだけ応じる方が賢明です。

テレビを例にとれば、タイ人オーナーの賃貸物件では、寝室にテレビが付いているのは当たり前ですので、慣行となっている条件を合わせないと成約にならない場合もあります。追加の家具家電は飽くまでオーナー様所有の備品として将来の賃借人にも使えますので、賃貸競争を勝ち抜く為の必要出費と捉えるのがいいでしょう。

契約書は不動産業者が作成しますが、英語で書かれているケースが一般的です。大変かと思いますが、必ず内容を読み不明点等があれば業者に問合せして内容を明確にするように心がけて下さい。

契約書締結が終わった後には契約に基づいて入居前の準備を進めます。入居前の清掃、約束した備品の確認等が必要ですが、日本にいるオーナー様の場合は賃貸業者に一任して下さい。

初月の家賃と敷金(バンコクでは家賃の1-2ヶ月分)は通常入居前にオーナー様の指定口座に振り込まれますが、当日小切手が支払われるケースもあります。

ステップ4 入居

基本的にオーナー様本人又は代理人、賃借人、不動産業者の三者立ち会いで行い、不具合や破損箇所等を相互確認し画像等で証拠を残しておきます。
これを実施しておかないと、退去時に発見した破損等が賃借人によってもたらされたものか否かで退去時に揉めますのでしっかり行って下さい。

ステップ5 入居中→不具合等への対応

これは不動産業者が行います。水漏れ、エアコン他の家電故障等々多岐に及びますが、ユニット等にダメージが生じた、内装工事が伴う等以外業者は連絡せずに処理するのが一般的です。

ステップ6 退去

入居時と同様に三者立ち会いでダメージ等の確認を行います。賃借人がもたらした明らかなダメージは修繕費を請求する事ができます。通常の経年劣化に関して賃借人は責任を負いませんので、気になる点は業者と確認しながら対処して下さい。

問題なければ預かっている敷金を返金して終了となります。

以上がざっくりとした流れになりますが、ステップ2からは不動産業者側の作業がほとんどですので、賃貸物件を所有しているオーナー様にとってはステップ1が最も重要な局面となります。

次回は主要テーマとなる賃貸募集方法について解説したいと思います。

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