バンコク賃貸募集はどうやるの? (その2)

不動産賃貸仲介業者には、日々大量の賃貸物件情報が届きます。読者の皆様が所有しているだろうコンドミニアム物件のみならず、賃貸専用アパート(一棟もの)、サービスアパートからも寄せられます。

コロナウイルスで中国人ツーリストが激減している現在、日割り貸出し(ホテル使用)はしばらく分が悪いと見てとったサービスアパートからは、特に多くの値引きプロモーション情報が届きます。

通常サービスアパートにとって日割り貸出しする方が収益性は高いので、ツーリスト市場が活況の時は常にそちらの客層にターゲットを絞り、そうでない時は収益性こそ若干低いものの中長期のビジネス滞在市場にターゲットを広げていくのが彼らの一般的なマーケティング手法です。

但し、それは立地にも関係しており、アソーク、プロンポン、チッドロム、シーロム等のツーリストの多いエリアで行われるやり方で、トンローといったツーリストが少なくエクスパットが多いエリアではその限りではありません。

早速話がそれましたが、今回は賃貸募集の告知を不動産業者に対して如何に行えばいいのかについて説明します。これについては、以前にも一度詳しく説明した記憶がありますが、いつだっけな?ブログを6年もやっていると自分の書いた事すら忘れがちです。

既に経験を積んでいるオーナー様には特に目新しいものは無いと思いますので、そういった人は特に今回は読まなくてもいいかと思います。

転売目的でプリセール物件を購入したものの、コンドミニアム売買市場が冷え込んでいる今、予定せずも賃貸運用する事になっている人は結構多いと思います。「購入先の業者にやらせればいいじゃ無いか?」と思いがちですが、販売した業者が賃貸に強いとは限りませんので、購入したが売った業者は頼りにならないので自分で何とかしなければ、という状況に陥っているオーナー様が今回の対象となっているとお考え下さい。

前回説明した通り、タイでは一般媒介が通常ですので、できるだけ多くの不動産業者にメールするのが得策です。実際、コンドミニアムを賃貸に出しているタイ人オーナーはそのようにしています。

弊社に届いた賃貸依頼のメールを参照して下さい。


※賃貸募集、コンドミニアムオーナー様からのメール

Dear Allの冒頭文宛先は、多数の業者に一斉配信している事を意味しています。送り先の宛先(メールアドレス)は必ずBCCに入れて下さい。個人情報に厳格な日本の皆様には常識事項と思われますが、宛先に入れてしまうと全てのメールアドレスが表示され受信者全員に知るところとなります。実際タイでは気にせず宛先に入れ配信する人が少なくありません。迷惑な話です。

赤字記入している項目が最低必要事項となります。

内覧時の鍵の受領方法は非常に大切です。前回も書きましたが、思い立ったら、迅速確実に面倒な手続きなく見られるような環境を整える事が早い成約に繋がります。

携帯番号の他にラインIDもあれば、多忙の時でもテキストのやり取りができるので便利です。日本ではfacebook messengerを使う人が多いようですが、タイではライン、中国人顧客の場合はwe chatがデフォルトツールとなっています。

他にも
・いつから賃貸可能なのか?(例えば即なら、available nowとかeffective immediatelyとか書いて下さい。)
・部屋の向きと眺望(例えばNorth facing、Unblock city view等)
次にこのメールと共に届いた添付画像を参照下さい。




※賃貸募集メールの添付画像

まあまあの水準でリビング、キッチン、寝室、バスルーム、洗濯機置き場と大体の撮りどころはおさえていますが、目を引く程のものは正直ありません。
フルファーニッシュ(家具家電付き)で賃貸するのが一般的なタイの市場では、インテリアの良さを画像で可能な限りアピールするのが賃貸成功に繋がります。「この部屋だったらいけるな!」と画像を見た業者の感情を揺さぶるような画像であれば最高です。とは言え、誤解を抱くようなレタッチ等嘘はダメです。

上記画像以外に、眺望写真、コンドミニアムの共益施設写真、フロアプラン、間取図があれば言うことありません。


※眺望写真サンプル


※共益施設写真サンプル


※間取り図、フロアプランサンプル

手間をかけたく無い横着な不動産業者は、写真が揃っていないと自分で探すのは面倒なので自社HPに掲載しない、顧客に紹介しない、ぐらいの事は平気でします。できるだけ業者が手間をかけずに済む、という点にポイントを置くといいでしょう。

そんな面倒臭いことをしなきゃ無いの?と思うオーナー様も多いかと思います。大枚払って買ったにも関わらず更にあれこれはしなければいけないのはうんざりだ、といったところかと思いますが、供給過多のバンコク賃貸市場の中で、頼れる不動産業者と協業関係を築けて無いオーナー様にとっては、こういった運用努力こそが明暗を分けるものと認識下さい。

タイの不動産業者はオーナー様の想像以上に横着で怠惰です。(勿論ヨシダ不動産は違います。但し、当社は過去ログでも説明した通り、明確な優先順位の下に動いている点をご理解下さい。参照過去ログ:賃貸付けのファーストパス)そういった業者をうまく動かすには、自国の環境で育まれた必然的なキャラクターに変化を促そうとしても土台無理な話ですので、オーナー様自身がその商習慣に合わせて必要な努力を払うしかありません。

海外不動産を購入するのですから、オーナーの皆様は富裕層である事はよく分かりますが、タイの状況を的確に理解し、適切な賃貸運用に踏み出して貰えればと思っています。

日本人駐在員世帯の賃貸需要が強い2〜4月は特に好機となりますので、空室を抱えている人はネバーギブアップの精神で是非頑張って下さい。

読者の皆様の賃貸運用の成功を祈っています。

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