バンコク築深コンドミニアムVS新築コンドミニアム (その1)

バンコクCBDで見かける築深タワーマンションは一体どんな感じなの?と気になっている投資家は多いのでは無いでしょうか?

弊社においても、プリセールと築浅5年以内のコンドミニアムが売買取扱いのほとんどを占めており、築10年以上の売買物件は扱った事はありません。

実際バンコクでは中古コンドミニアム売買取引件数は新築の4分の1程度に留まっており、中古物件取引が80%以上を占めるアメリカやイギリス、新築思考が強い日本の36%と比較しても中古物件の流動性が低い事が伺えます。

平米単価で言えば同エリアのプリセール・新築物件の半分以下の価格設定、見た目麗しいとまでは言えないもののさほど古さを感じさせない外観の中古物件が多数市場に売りに出されていますが何故か売れません。

日本人同様に新築思考が強い国民性なので・・・、と簡単に話を終わらせる前に、何故中古物件の流通が鈍いのかを掘り下げて検証してみたい、というのが今回のテーマです。

バンコクにタワーマンション的な外観のコンドミニアムが登場したのは1990年代になってからの事ですが、その頃でもまだまだ土地付き一軒家思考が強かったと記憶しています。

僕がバンコクに初めて訪れたのは1993年、その後1996-2000年の5年間は全く別の業種の仕事で駐在していました。

郊外に住んでいる社員がほとんどで、渋滞の中(その頃既にひどかった)2時間程かけて親と同居する郊外の一軒家から通勤する社員も少なくなく、1時間以内の通勤時間であれば恵まれた通勤ライフと考えられていました。

現在でも1時間以上かけて通勤する社員はいますが、オンヌットやプラカノンのコンドミニアムをローンで買って、又は借りて住んでいるという社員の割合が増えてきています。

日本人社員に限って言うと、会社のすぐ近くから徒歩、BTSやMRTで2〜5駅以内のコンドミニアムに住んでいるのが主流です。

因みに弊社はアソークにあり、BTSアソーク、MRTスクムビット駅からは徒歩5分圏内のロケーションです。

1999年12月に開通したBTS(高架鉄道)、2003年に開通したMRT(地下鉄)は急ピッチで路線が拡大され、今では通勤、通学では欠かせない存在です。不動産屋と顧客を案内する事が多い仕事柄、社用車を当然よく利用しますが、一人で動く場合は駅から遠い場所以外は僕自身通常はBTS、MRTを利用します。渋滞が激しいバンコクでは圧倒的な時短に繋がるからです。

土地付き一軒家思考が消失したとは言いませんが、急速に都市化が進んだバンコクでは、公共交通期間は拡充しても車両の交通量は一向に減ら無い為渋滞が緩和される事は無く、バンコクのホワイトカラー層がより職住接近のライフスタイルに向かうのは世界の潮流通りの必然となっています。

1990年代コンドミニアム創世記においては、バンコクCBDにおいても平米単価は2〜3万バーツ、現在プライムロケーションのコンドミニアムの平米単価は20万バーツを突破していますから、10分の1程の価格だった事になります。

1990年代までは手元資料がなく遡れないのですが、2000年代に入ってからの地区別平均平米単価のグラフが見つかりましたので、下に掲載します。


※バンコク高級コンドミニアム地区別平均平米単価 2000-2014年 (出展:CBRE)

このグラフによると2000年のスクムビット地区における高級コンドミニアムの平均平米単価は4万バーツ程ですので、ざっくりした計算ではあるものの1991〜2000年の10年間で2倍、2000〜2019年の20年間で4倍以上になった事になります。

バンコクのコンドミニアムの価格上昇の流れをざっくり掴んで頂けたと思いますので、次回は築深コンドミニム実例を取り上げる中、一体どのような感じなのかを掴んでいきたいと思います。

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