MRTラマ9世駅周辺もコンドミニアム建設ラッシュ (その2)

前回はバンコクのニューCBDに生まれ変わるポテンシャルを秘めたラマ9世駅周辺に関して説明しましたが、実はこのエリアはニューチャイナタウンというもう一つの顔を持っています。バンコク市民の間では第2のチャイナタウンとしてのコンセンサスが既に醸成されている節もあります。

ラマ9世駅とタイ文化センター駅の中間点、タイ証券取引所の隣に中国大使館があります。それが理由となっているのかは定かではありませんが、この地区では中国人が急ピッチで増加しています。

※中国大使館、第2チャイナタウン地域

中国から来てバンコクに居住するエクスパットの人数も2011年の9,000人から2018年第二四半期は24,000人までに増加しており、中国企業の進出がその背景にある事はいうまでもありません。タイの労働許可証の取得数に関しても、全体の21%が日本人でトップ、中国人14%と第2位につけています。

一般的には会社から支給される家賃補助は日本、欧米に企画するとまだ低い為、スクムビット等のプライムエリアではツーリスト以外はあまり見かけません。その予算で見合う利便性の高い場所としてラマ9世地区が選ばれているのかもしれませんが、裏付けはとっていませんので、実際のところその事実関係はわかりません。

私的な経験で言えば、一度ラマ9世で日本人のお客様が所有しているコンドミニアムのテナント付けを行った事がありますが、見に来る人の9割は中国人で実際借りたのも中国人テナントでした。

タイカルチャーセンターの次の駅ホイクワン駅前のプリセール物件のショールームに足を運んだ時も来客の100%が中国人客でした。販売スタッフも中国語を話し、パンフレットも中国語でしたので、もともと中国人投資家をターゲットにしたプロジェクトだったわけです。

ラマ9世駅やその隣駅に留まらず、ラチャダピーセク駅ぐらいまのコンドミニアムのバイヤーの圧倒的多数が中国人と見て間違い無いかと思います。

近い将来、ヤワラー(本家本元のチャイナタウン)のように、このエリアも中国語の看板で埋め尽くされる日が来るのでしょうか?

そして建設ラッシュが進行中のラマ9世通りを挟んで南側の一角ですが、こちらもやはり中国人バイヤーが圧倒的な存在感を見せています。

この一角だけで、既に完成したコンドミニアムと建築中のプロジェクトを加えると主要なものだけでも10件以上を数えます。
この地域のコンドミニアムマップを作成しましたので、下の地図を参照ください。

※ラマ9世駅南側コンドミニアムマップ

アナンダは最高グレードのアシュトン、スーペリアグレードのモビを投入しています。ラマ9世通りとアソーク通りの角地に建設中のアシュトン・アソーク・ラマ9は平米単価20万バーツ以上の値付けをしていたと記憶しています。

さらにAP社はリズム、ライフ、アスパイアのブランドを展開しています。リズムは北に向かって左側にリズム・アソーク、アソーク通りを挟んでその向かい側にリズム・アソーク2の2件を竣工させています。

このエリアのコンドミニアムを視察し、コンドミニアムのグレードに関して気付いた点があるのですが、その内容は後ほど触れたいと思います。

ニューCBDのポテンシャルを秘めたラマ9世駅周辺の発展は今後も続くと思いますし、建設中のコンドミニアムに関しても最近は陰りが見え始めた部分もあるものの中国人による旺盛な投資を背景として、ある程度のキャピタルゲインも期待できるのでは無いかと思います。

但し、こちらもペッブリー駅周辺のコンドミニアム同様に、日本人テナントが増える要素はさほど無いかと見ています。

おすすめ