2022年コンドミニアム市場展望 (その2)

次にコンドミニアムの販売価格を見る事にします。

2)販売価格の推移

下のグラフは、都心部(CBD)、都市隣接地域(City Fringe)、郊外(Bangkok Suburbs)に分けた平均販売価格の推移で、2021年第二四半期時点(=半年前、速報性に欠けておりすいません)の数値です。その後も概ね横ばい〜微減が続いていると理解すれば間違い無いかと思います。

都市部は平米単価240,609バーツで前年同時期より9.8%減少、都市隣接地域は平米単価116,225バーツで前年同期比21.1%減少、郊外は64,390バーツで19.5%の減少、と全ての地域で一様に販売価格の減少が見られますが、中でも都市隣接地域の落ち込みが顕著となっています。

2019〜20年の間にオンヌット〜ベーリン間で多数の新規コンドミニアムが完成し在庫が積み上がった為に、激しい値引き合戦が大手ディベロッパー間で勃発、それは中古物件の販売価格にも自ずとは波及した事が主な要因となっています。その現象は都市部でも同様ですが、完成ユニット数と需要の関係で、都市部の方の価格が底堅かったとの結果が明確に出ています。


※バンコク地域別コンドミニアム平均販売価格の推移、2021年第二四半期時点 出典:Knight Frank Thailand

3)新規販売コンドミニアムの需給状況と販売率

2021年第二四半期には合計2569ユニットが新規プロジェクトとして販売さ、993ユニットが売約となりました。売約率は37.3%で昨年同時期の14.4%で大幅に改善されていますが、これは郊外の新規大型プロジェクトがかなりの割安で販売され事が要因となっています。ですので、市場が上向いたと判断するのは時期早々です。

都心部において新規販売コンドミニアムは皆無で、これは第三四半期も継続されます。新規販売のほとんどは、郊外のプロジェクトとなっていますので、この統計こそ地域別に見ないと大きなミスリードを起こしてしまいますので、その点は十分にご留意下さい。


※バンコク新規販売コンドミニアムの需給と販売率、2021年第二四半期 出典:Knight Frank Thailand

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