値崩れは賃貸相場へも波及 (その5)

再度、前回と同じ賃貸募集の広告を参照下さい。


※バンコクコンドミニアムの賃貸広告

④ヴィタラスクンビット36 & ⑤ウラビティア
4、5は共にスクンビット36に立地する築2〜3年の物件になります。5のウラビティアはBTSトンロー駅から徒歩5分とかからないので十分駅近物件と言えますが、ヴィタラ36はラマ4世通りの方に近いのでかなりの距離があり、駅まで歩く人はまずいないのでは無いかと思います。

スクンビット36は、他にもリズムスクンビット36-38や最近完成したアイデオQスクンビット36等のタワーコンド、上記2物件に加えて日系ディベロッパー“ラトレ社”による168スクンビット36といった7階建て低層コンドがここ数年で乱立し、過酷な賃貸競争になるであろう事は当初より十分予想できました。

参照過去ログ:将来の賃貸激戦区スクムビット36 (その2)注)ウラビティアの記載はありません。

更にコロナが直撃して、予想以上の家賃下落が起きているのは、これまでの文脈と同じなのですが、僕自身が書いた過去ログを再度読み直してみると、スクンビット36の物件に関しては、コロナ前から現状と変わらない程度に家賃相場が下がっていたことが分かります。

参照過去ログ:スクムビット36の新築コンドはやはり苦戦

バンコク居住者で、スクンビット36をトンロー地区として捉える人はまずいないのでは無いかと思います。外国人が賃貸物件を探す際にも、トンローに住みたいとの希望を持ってこの界隈に物件を見に来る人も皆無でしょう。居住環境や生活利便性に天と地の開きがあるからです。一般的にトンロー地区と言えば、ソイ49〜57のスクンビット通りから南側のエリア、そしてBTSトンロー駅駅前でスクンビット通りに面している部分が一般的なイメージとなります。

トンローブランドで売りたいディベロッパーの戦略的拡大解釈に踊らされて購入した人が多いのでは無いかと思います。その結果は悲惨な現状が示している通りです。価格をいくら下げてもテナントが付かない、まるで底無し沼に陥っているかのようです。

実は、バンコクでは人気エリア名のブランド力を押し出さんが為にそのような手法を用いるのが一般的で、ラマ9世駅前にある物件でもアソーク名を冠しているプロジェクトが乱立しています。

ラマ9世とラチャダピーセク通りの交差点には非常に多くの高層タワーが近年完成していますが、賃貸投資家にとってこのエリアはスクンビット以上に苦戦が強いられるかと思います。スクンビット36の現状が可愛く見えるぐらいの状況になるのでは無いでしょうか。

⑥ワインスクンビット77(ワインバイサンシリ)

プラカノン駅近のサンシリ社によりタワーコンドで、立地の良さもあり、従来は予算の低い駐在員、又は比較的所得の高い現地採用者の人気物件でした。当時の家賃相場は2〜2.5万バーツ程でしたが、5年前程から人気に陰りが出てきました。

それでも駅近物件である利点、又プラカノンはエカマイの隣駅で、近年駅周辺には商業施設や日本食を始めとする飲食店が続々とオープンしている上げ基調となっている等が功を奏しており、家賃は2割程下がったものの、むしろ持ち堪えていると評価するのが妥当かと思います。

 

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