Noble Formトンロー中心部に登場 （その４）
今回は、2ベッドルームユニットを見ることにします。
通常の（デュプレックスではない） 2ベッドルームの設定は、34〜38階のみとなります。
次のフロアプランをご覧下さい。
※フロアプラン34〜36階
※フロアプラン37階
※フロアプラン38階
34〜36階の東西南北各方面、37・38階のファシシティフロアの東南北方面に配置されており、このプロジェクト全体で18ユニットのみとなります。
バンコクのコンドミニアムは、通常1ベッドルームの設定が全体の7割以上を占めていますが、ノーブル・フォームもその例に倣った形になります。
ほとんどが1ベッドルーム、残りが2ベッドルーム、3ベッドルームは設定なし、がここ10年のバンコクコンドミニアムのユニット設定におけるトレンドとなっています。賛否両論ありますが、価格が高騰してきた中で、売る為のマーケティングをした合理的必然性があったのだろうと推察します。しかし、この極端に偏った１ベットルームの供給は賃貸市場に様々な歪みを生んでいます。
元来駐在員世帯は単身が一番多く、子供のいる家族世帯は全体の3〜3.5割程になります。賃貸需要の中核を為してきた製造業のタイ進出は鈍化するばかりでなく、多くの進出企業が経費のかかる駐在員数を減らし、現地の日本人、タイ人で穴埋めをする傾向の中、製造業関連駐在員は減少しています。逆に飲食他のサービス業の進出は増加していますが、こちらは製造業種程に日本からの駐在員は必要としない為、日本人居住区における潜在賃貸需要は減少トレンドとなっています。
この話題に関しては長くなりますので、次の機会にでも説明したいと思います。ここで明確にしたいのは、単身も含めて駐在員層が住むラグジュアリークラスの賃貸需要が減る中、１ベッドルームばかりのユニット設定は継続されていますので、1ベッドルームは完全な供給過多になっているという事実です。この現象はかなり以前から分かっており、僕自身このブログでは常に数少ない2ベッドルームを推奨してきましたし、今後しばらく、この状況が変わらない限り、「予算があれば2ベッドを買って下さい。」といったアドバイスは継続することになります。
ノーブル・フォームにおいても、34〜36階の2ベッドルームが一推しとなります。
北・南・西に面した63.55平米と東に面した73.25平米の2タイプあります。
※2ベッドルーム(63.55平米)、間取り図
63.55平米なので広いといった感じはありませんが、間取り自体はよくできており、いいバランスで仕上がっています。リビングのスパンも3.5メートル確保されており、窓際に設られたラウンジソファーもいいアイディアです。家族3人でも問題なく寛ぐには十分な居住空間を作り出しています。ダイニングは6人掛けとなっていますが、4人分で十分では無いかな？との印象を抱きます。
玄関を入った正面のシューズクロゼット兼洗濯機置きもいい発想なのですが、クローゼット内の棚や収納デザインはもっと工夫できたのでは無いかと思います。
主寝室につながるバスルームにはバスタブもあるのですが、これがかなり小さめで実用性に欠けています。幼児がいるご家族には重宝するとは思いますが・・・。
※2ベッドルーム(63.55平米)、ショールームイメージ
東側の73.25平米は一回り広い分、キッチンがアイランド仕様、主寝室ではワードローブが追加、とパワーアップしています。
※2ベッドルーム(73.25平米)、間取り図
予算に余裕があり、又将来的には自分で住みたい、といった投資家には73.25平米がお勧めですが、一回り広い、若干高い仕様といった差だけでは賃料を63.55平米よりも高く設定するには訴求力に欠けますので、賃料は大きく離れず、選ばれ易いといったアドバンテージに終始する可能性が高いと見受けます。このタイプのユニット数が少ない事から63.55平米でも十分に賃貸競争力を持ち得ますので、利回り的には63.55平米の方が高いパフォーマンスになるかも知れません。
34階西向きで63.55平米のタイプがオンラインブッキングで掲載されており、気に入ったユニットだった事もあり定点観測していたのですが、数日後に売約済みとなっていました。”SOLD”になると価格等は表示されなくなりますが、売れる前に画面キャプチャーをしていましたので、参考までに掲載します。
※34B14(34階2ベッド、63.55平米、西向き)、売約済み
価格は15,514,000バーツですので、平米単価は244,122バーツになりますが、他のトンローのプロジェクトと比較しても割安かと思います。家賃は6〜7万バーツになりますので、利回りは5%以上見込めます。古さが目立ってきたエイト・トンロー、アイビートンローの2ベッドルーム需要を取り込んで行く事は間違いないでしょう。73.55平米の2ベッドでは、完成以降ずっと賃貸物件の横綱の座をほしいままにしてきたクワトロとの競合も視野に入る可能性が高いと見受けます。
比較の対象としては、エカマイ寄りでプロジェクト全体としてはノーブル・フォームより条件的に見劣りする感のあるパーク・オリジン・トンローは36階であれば平米30万バーツぐらいになるかと思いますので、トンロー中心部でトンロー通りに面するこのノーブル・フォームの方がずっとお買い得となります。
既にパーク・オリジン・トンローを買ってしまった人は、歯軋りして悔しがっているのでは無いかと思います。改めて不動産市場の残酷さを身に沁みて実感するばかりです。
