ポストコロナのタイ不動産市場はどうなるのか?

数回に渡り、投げ売り物件等を見ながら、タイの不動産市場の現状を紹介してきました。

損切り投げ売り物件ばかりの話でしたので、不動産市場のダウンサイドばかりにフォーカスをあて悲観論に終始したが為に、読者の皆様にはバンコクの不動産市場が現実以上に悪い印象に映ったのでは無いかと思います。

鎖国のような様相を呈している現状で、直近のタイ不動産市場においては確かにいいニュースはありません。しかし、この低迷はあと3年以上続くだろう等と巷ではまことしやかに囁かれていますが、僕はそうならないものと思っています。

得体の知れない感染症として出現したコロナは、その感染力が強いが故にあっという間に世界中に拡大、ヨーロッパ各国、アメリカ他で多数の死亡者が発生、世界中の主要都市で緊急事態令のもと都市封鎖が実施されました。日本においても都市封鎖までには至らなかったものの、経済活動のみならず日常の行動が大きく制限されたのは記憶に新しい事で、このような不動産関連のブログで言及するまでもありません。あまりにも急激な出現であったが為に事態は必要以上に深刻に受け止められ、錦の御旗を掲げるが如く、政府の経済対策も大盤振る舞いとなりました。日本では10万円の補助金が配られましたが、一律に配られるのが妥当だったのかは大きく疑問が残るところです。富裕層においては全く必要な無いお金だと思います。

しかしながら、コロナの最悪期は既に終わっています。

行動制限をしたからと言って、住居需要が無くなるわけではありませんから、コロナの感染症は一般的には不動産需要とは何ら関係が無いはずです。それではなぜタイの不動産市場はこれだけ大きく影響を受けたのか改めて考えたいと思います。

そしてコロナ後はどのように市場が動くのかを自分なりの予測を加えます。

タイの不動産市場は、自国の富裕層需要に中国人(アジア周辺国の華僑含む)を中心にした外国人マーケットを新しいフロンティアとして取り込み、アジア通過危機後過去20年の長期に渡り成長を続けました。日本人、ロシア人(パタヤ地区では中国人が来る前のバイヤーとして中核を担った)等の他外国人も近似した動きを見せましたが、中国人バイヤーに比べたらわずかな数字であると言っていいでしょう。

急激な値上がりに対しての需要減退が引き金となり2018年頃より調整が始まったところに、2019年のホームローン厳格化等が重なり市場は更に悪化、そこに今回のコロナが激しい追い討ちをかけました。

コロナは人の移動、集合を規制するので飲食、観光、プロスポーツ、エンターテイメント、風俗等には急激な打撃を与えますが、本来不動産市場とは無縁の筈なのですが、前述の通り、移動を必要とする中国人需要を大きく取り込んでいた為、コンドミニアム市場は大きな需要減となったわけです。

あくまでタイに来られなくなったのが理由であり、中国人バイヤーの資産力、購入意欲が落ちてない以上、移動規制が無くなれば、中国人市場は回復すると見ていいでしょう。価格的な折り合いが付き、中国政府が更なる資本規制をかけない限り、以前の状態に戻るかそれ以上に伸びるのでは無いかと推測します。

一方、日本人は上がればまだまだ上がるとの高揚心に溺れ、反面下がるとまだまだ下がるとの恐怖心から思考停止に陥り易い傾向が強いと思います。しかしグローバル市場では、安ければ買われ、割高であれば売れない、といったシンプルな合理性が普通に働きます。思考停止のまま臆病な行動を取る者は、合理性で割り切られつくられた流れの尻馬に乗ることしかできません。又、そのような及び腰の市場参加者は得てして食い物にされる危険性を孕むというのが、20代からの人生のほとんどを海外で過ごした僕が経験則から学んだ内容です。

コロナ打撃は最悪期を既に脱しており、政府が膨大な金融緩和策を行なっている故に流動性の高い株式は既に回復を見せています。但し、この金融緩和は副作用を伴う特効薬なので、処方を誤ると更に大きな害悪を引き起こすリスクを抱え込でしまうのですが、僕は経済専門家ではありませんので、その点はここで言及しません。

現状コロナ感染拡大は続いていますが、医療現場での対象施術のスキルは向上し、重症化率と死亡率は格段に改善されています。コロナに対する恐怖心も2〜4月の出現直後に比べれば、見えない恐怖から実体が理解できてきて心理的な秩序が構築されて来たと見ていい。最悪期を脱したとするのはそう言った意味合いです。

ある意味、コロナで受けた一番受けた打撃はマインドの萎縮なのでは無いでしょうか。ワクチンも時間の問題ですので、移動規制に巻き込まれてしまった東南アジアの不動産需要はコロナ禍から早々に脱却するだろうと思います。

但し、コロナ前に起きていた市場調整はまた別の問題ですので、一緒くたにして考えてはいけません。とは言え、コロナ禍で進んでいた在庫一掃セールはその要因に対して、ポストコロナにおいてはその解決策として機能するのでは無いでしょうか?

底値買いを狙うのであれば、中国人の移動開始までが期限と見て行動するのが妥当かと思います。ワクチン処方が一般的になる頃は、今現在に想いを馳せて、あの時が買いだったんだろうなあ、と思い出す事でしょう。

底値で買いたいと狙っているバーゲンハンターの人は、そう言ったホゾを噛む事のないように、うまく立ち回って下さい。

と言っても、中国人の移動が始まるまでは、日本人も同様にタイ渡航は制限を受けますから、行動に移すにはなかなか高いハードルとなりますので、強い覚悟を持って臨む必要があるかと思います。

コロナ禍の今現在でも、ヨシダ不動産では少ないながらお客様の物件売買を実施しております。大多数の人が、日本にいるままタイ不動産を売却、購入する事は不可能と考えているでしょうが、実際は一定の手続きで問題なく行う事ができます。困っている人は弊社までお問い合わせ下さい。

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