バンコク中古物件 Noble Refine

中古物件を物色する際にはネット販売サイトを見る他にも、現地の不動産業者からも情報を貰います。

不動産会社のみならずバンコクにはフリーランスの業者が多数いますので、お付き合いのあるエージェントからせっせと情報を仕入れるわけです。個々のフリーランス業者もオーナー及び他業者とのネットワークを持っていますので、その情報力は侮れません。

そういった業者の一つから、Noble Refine((ノーブル・リファイン)の割安な売り物件情報が入りました。「吉田さん、高層階のいい部屋が何と7.99ミリオンバーツ、もうちょっと値切れるかも知れません。」と、「じゃあ〇〇さん、次からは値切ってから教えてくれる?」などと電話口で話しながら、早速内見の約束を取り付けました。


※ノーブル・リファイン

ノーブル・リファイン 2012年完成 プロンポン駅徒歩4分(約300メートル) 25階建
所在階2X階 1ベッドルーム 50.58平米 7.99ミリオンバーツ 平米単価157,967バーツ

立地はスクムビット通りからソイ26に入ってすぐ左側。ソイ26はソイ24のような華やかさはありませんが、スクムビット通りとラマ4世を結んでおり便利です。又、プロンポン駅まで至近ですので、エンポリウム、エムクオーティエ といった2つの大型商業施設は勿論のこと、巨大な都市公園ベンジャシリパークや日本人に絶大な人気を誇るフジスーパーも又徒歩圏内、周辺には日本食を含む多数の飲食店が軒を連ねます。日本人にとっては、バンコク最高のロケーションと言っても過言では無いでしょう。


※ノーブル・リファイン ロケーションマップ

北側の隣接地では、レイモンランドと東京建物の合弁プロジェクトとなるThe Estelle(エステル)が建築中で、こちらは平米単価30万バーツを超えるラグジュアリーコンドミニアムとなります。

2012年完成なのですが、当時のノーブルデベロップメントのプロジェクトは、デザイン、間取り、共益施設等において、他社に比べて見劣りする部分が多く、ロケーションはいいけど建物がちょっと、というのが一般的な評価でした。

前回紹介したノーブル・リミックスをはじめ、トンローのノーブル・ソロ、ノーブル・オラ、エカマイのノーブル・リビールも又同じ範疇と言えます。

その後、ノーブル・プルンチット、ノーブル・ビー19と33辺りから大きく改善され、ラグジュアリーコンドミニアムの名に恥ずかしく無い仕様に進化を遂げてきました。

ノーブル・リファインにおいても、ロビー周りやフィットネス施設、及びプール等を見ると確かにラグジュアリーコンドミニアムの豪華さは感じられませんし、部屋の使用もフローリングの床材や施工を見ても結構な安普請と言わざるを得ないレベルでした。エアコンはビルトイン仕様ですので、この点は悪く無いと思うのですが・・。

ただ、この立地で築8年、50平米のユニットが8ミリオンバーツを切るのは、ここ最近ではあまり考えられなかった現象です。

現地ポータルサイト、HIPFLATで価格動向をチェックしました。下図を参照下さい。


※ノーブル・リファイン価格動向

販売物件の平均平米単価は198,591バーツとなっていますので、この物件の平米単価はかなり安値設定と言えます。

部屋を確認してみると、そこには香港人女性のオーナーがいて、総改装終了後の清掃をメイドと2人で汗をかきながら行っている最中でした。オーナーと話をしていると、若干の問題はあるものの全体としてかなりいい条件である事が分かりました。


※ノーブル・リファイン 1ベッドルーム 50.58平米 ユニット写真

良い点
1)ほぼ完璧に全改装が行われており、キッチンユニット、家具家電も全て新品。高品質なキッチンユニット、張り替えられたフロアタイルもセンスが良く、リビング&ダイニングの仕上がりは同コンドミニアム内の他ユニットとは大きく差別化されている。
2)オーナーいわく、改装前は中国系アメリカ人テナントが4.3万バーツ、それ以前は日本人がやはり同じ額でそれぞれ3年以上住んでいた。空室だった事はあまりなかった。
3)販売価格には諸税も含まれており、改装したばかりなのでその他の出費は最小限で済む。

悪い点
1)寝室の壁造形はカントリースタイルのレンガ作りを想起させるもので、リビングとの間の白塗り折れ戸もそのコンセプトに沿ったものとなっている。この点は、大きく好き嫌いが出そう。
2)寝室のビルトインエアコンの冷えが悪いので、別途壁掛けエアコンを設置している。使わないエアコンは撤去せずにそのまま残っており、気にかかるところである。ちょっと乱暴な結論だったのでは?
3)ダイニング、ソファー、ベッド、洋服ダンスのどれもが安っぽい。もっとハイグレードなものにして欲しかった。家具にコストをかけないのは、中国系のオーナーによく見られる現象である。

このユニットを4万バーツで賃貸すれば、表面利回りは6%になるので、実質でも 5%以上は確保できそうですが、実情を調べてみると、このタイプのユニットの賃貸料金は値下がり傾向にある事が分かりました。

ユニットの位置がその要因となっています。下のフロアプランを参照下さい。


※ノーブル・リファイン フロアプラン

建物はL字型となっており、その丁度内角に位置している為、バルコニーからの眺望は閉塞感があります。その様子は、右上のユニット写真でも確認できます。

又、北東の隣地で建築されているエステルによる眺望遮断の影響こそ無いものの、北西側のソイ24 と26の間ではオフィスビルの建築が進行中です。距離にして100メートル以上はあるので、さほど圧迫感は無いものの若干の眺望悪化はあるでしょう。

賃貸担当者に聞くと、
A3 A11 A12の角部屋は人気があるが、A11 A12はエステルができれば人気は落ちるだろう。売りに出ているタイプのユニットは選ばれにくく、最近では3.5万バーツが相場。3万バーツまで落とせば確実に賃貸は出る。
との事でした。

話の雲行きが悪くなってきました。3.5万バーツの家賃で表面利回り5.3%、最悪の3万バーツで4.5%となってしまいます。こうなると二の足を踏まずには居れません。

現状出ているノーブル・リファインでは最安値なのですが、費用対条件と利回り予想では手放しでは選べない物件である事が分かります。

現状のバンコク中古物件市場は、悪化はしているもののパニック売りとはなっていない、と前回のブログで位置付けましたが、買い得に見えるがそうでも無い物件が出回り始めている現状はまさにそれに準じているものと思えます。

不動産市場が更に悪化すれば、本物の買い得物件が登場してくるでしょうし、早ければ年内にその現象が始まる可能性もあるものと見ています。

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