在庫一掃セールで気になるプロジェクト (その1)

昨年以上に悪化しているバンコクの不動産市場、大半のディベロッパーは新規プロジェクトを次々と延期、凍結し、脇目を降る事なく在庫一掃に奔走しているのが現状です。


※ノーブル・プルンチット広告 現在の広告

既に完成して2〜4年経っている売れ残り物件の中には、「安いなー。」と思われる広告も目にするようになりましたが、実際コンタクトしてみると広告に偽りありとまでは言いませんが、期待を裏切られるケースがほとんどです。

例えば、ノーブル・プルンチットでは大々的なキャンペーンを張る中、その広告でワン・プライス平米当たり20万バーツと謳っているので、「売れ残り在庫は全てその価格?」と思い込みますが、実際はその価格で売っているユニットはごく僅かです。

実は2ヶ月ほど前に、ノーブル・プルンチットから平米当たり19万バーツワンプライスのダイレクトメッセージが届いたので僕自身で問合せをしてみたのですが、その価格のユニットは1件だけで他は全部ほぼ従来通りの価格でした。


※ノーブル・プルンチット 平米19万バーツの告知

因みにその価格のユニットはC棟13階西向きの1ベッドルームでした。2〜4階の低層階では無いので、ノーブル・プルンチットとしてはまあまあの安値と言えますが、B棟の南向き、C棟の西向きの1ベッドルームは全てスタジオルームみたいな間取りになっており、人気がありません。実際ノーブル・プルンチットの売れ残り在庫はこのタイプのユニットが大半を占めています。

参照過去ログ:大型プロジェクト、ノーブル・プルンチット完成! (その2)

日本で言われるところのパンダ価格というわけですが、1ユニットだけその価格なのにワン・プライスというのは何を意味しているのでしょうか?さっぱりわかりません。

2ベッドルームに興味があったので、B棟2ベッドルーム69.95平米はあるか聞いたところ、3、4、40階にあり、3階は15.4ミリオンバーツ(平米22万バーツ)、40階は19ミリオンバーツ(平米27.2万バーツ)、全く魅力的な価格ではありませんでした。

最もノーブル・プルンチットは、1年半ほど前からずっとこのような広告戦略を続けており、始めた当時は平米当り23.5万バーツ〜の表示で、今よりずっと高めでしたが偽りの無い広告手法をとっていました。

参照過去ログ:価格のねじれ現象 (その2) Noble Ploenchit(ノーブル・プルンチット)は現在も販売中???


※ノーブル・プルンチット2018年6月の広告

若干価格を上げてきたのは、19万バーツの広告で結構在庫処理が進み、追い込みに入っている印象です。それともまだ在庫があるのに、19万バーツで反応が良かったので、価格を吊り上げたのかな?

いずれにしても、ワンプライスという欺き方(失礼!巧みな市場操作が適当?)を見ると、なりふり構わず待ったなし的なディベロッパーの真意が伺えます。

それでもBTSプルンチット駅直結し広大な敷地を持つラグジュアリー物件ですので、2013年のプリセール開始時の価格が平米16万バーツ〜を考慮すれば、価格は底堅いという事ができます。

実は売れ残りが相当数あり大バーゲンとなれば是非買いたい物件の一つだと思っています。

と言うのも、下記はバンコクポストの2019年9月14日付けの記事から抜粋したものですが、ノーブルは香港ランド(香港ディベロッパー)との合弁で近隣に新規コンドミニアムプロジェクトの開発計画があり、売り出しは平米単価30万バーツ〜と発表しています。

Thongchai Busrapan, Noble’s chairman and co-CEO, said the joint venture condo will have unit prices above 300,000 baht per square metre and launch in mid-2020.

今の低迷不動産市場でこの計画?と違和感を覚えますが、発表から6ヶ月以上経っていますので、既に見直されている可能性もありますが・・・。


※香港ランドのプロジェクト 出典:バンコクポスト

上記プロジェクト計画にあるイギリス大使館跡地(セントラルエンバシー隣地)に商業モール+オフィス+ホテルの複合プロジェクトが進めばプルンチット駅周辺の価値は上昇が見込まれますので、ノーブル・プルンチットの平米20万バーツ〜は悪く無い選択肢だと思っています。

現在市場悪化の中で、バンコク中でこういった在庫一掃セールが行われていますが、ノーブル・プルンチットのような条件が揃った物件の価格は、ピークプライスからは下落してはいるものの、プリセール時やその後の販売価格変遷を見てもさほど崩れていないというのが実態です。

プルンチット駅周辺はバンコクの中でも有数の一等地ですので、数年後にはなってしまいますが、不動産市場が回復基調にのれば、今の値段が割安に見えるような価格上昇をするのでは無いかと見ています。

バンコク郊外で大きく値崩れしているようなプロジェクトはやはりそれなりで、予算が許すのであればバンコクCBDの優良プロジェクトの底値狙いをする方が、運用又その後の出口プランも見通すことができ投資としての成功を収め易いと思っています。

もっとも、条件のいいユニットが手に入るのであれば、が前提になる事をお忘れなく!売れ残り物件はいつもこの点が高いハードルになります。

売れ残り、なので仕方ないと言えばそれまでなのですが・・・。

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