賃貸付けのファーストパス

最近になり日本人オーナー様からの賃貸依頼が急増しており、僕の携帯に直接電話がかかってくるケースも少なくありません。内容を伺うに付け、「困っているのだろうなあ?」とただただ思います。

つい先日もオンヌット駅前のアイデオモビを所有しているオーナー様から、他社で購入したユニットだったがヨシダさんのとこで賃貸人を仲介してもらった、とても感謝している、とお礼の言葉を頂き、それがあまりにも丁寧な形だったので逆に恐縮してしまった次第です。

聞くところによると、
購入先の会社は全く賃貸人を見つけることができず、そうこうしているうちにその会社の担当者が(責任者だったらしいのですが)いなくなってしまい困っていた。ヨシダさんのところに依頼したら担当者の〇〇さんが見つけてくれて助かった。それまでは1年ほど空室だった。
との事でした。

1年も空室だったのであれば、うれしがるのも無理はないでしょう。実はもう一件オンヌット駅から離れた物件を持っているのでお願いしたい、と頼まれたのですが、当社では扱いが難しそうなのでお断りさせて頂きました。

様々な理由で賃貸人探しの壁にぶつかり困難に直面するオーナー様達を見るにつけ、その気苦労ぶりは良く理解できるだけに心苦しい限りなのですが、僕がそこでお役に立てる事はほとんどありません。

ヨシダ不動産の賃貸付け優先順位は明確に決まっており、社長だからと言ってそこに立ち入って影響力を発揮する事は無いからです。何らかの意図があって必要と判断された時のみが例外となりますが、それも年に1、2回あるかどうかの異例な措置となります。

賃貸優先順位に関してはこれまでのブログでも折に触れて説明してきましたが、誤解の無いように分かり易くまとめておきたいと思います。

先ずご理解頂きたいのは、当たり前の事ですが「どの住居に住むのか?」の決定は賃借人が決める事ですので、優先順位は物件紹介をするまでのプロセスに過ぎないという点です。

程度の悪い物件や顧客の希望条件に合わない物件を紹介してもヨシダ不動産が信頼を失ってしまいます。賃貸においても当然ながら競合他社がいますので・・・。飽くまで賃借人の希望に最大限沿える中で、優先順位の高いオーナーの物件を紹介していくわけです。

ヨシダ不動産は売買と賃貸仲介の部署と担当者は分けており、個々人が自分の担当する顧客満足度を追求します。ですので、いくら当社で販売した物件だからと言っても、賃貸担当者が「この賃貸顧客には適格では無い。」と判断した場合は、内見の対象からは外されます。

そこで、販売担当者は賃貸チームが積極的に紹介するようにあらゆる手段を講じることになります。

引き渡し後の物件に対して、内装工事や家具家電付けサービスを開始したのもそれが経緯となっています。

参照過去ログ:賃貸は先ず物件内競争から(その1)

弊社が仲介し引き渡しをする物件のほとんどのオーナー様から利用して頂いておりますが、元々は「内装施工をどこに頼めばいいの?どうすればいいか分からない。」といったオーナー様側からの要望を受けて開始した業務です。とは言うものの、適当に体裁を整えればいい等とは勿論考えておらず、
・想定賃貸人の趣向にマッチした内装・インテリア
・利回りを考慮し見合うコストで
といった点に主眼を置き、デザイナー&施工会社に依頼しております。

見栄えの良い部屋は選ばれ易いので、賃貸担当者も積極的に内見物件候補に加えます。このステージに物件を上げなければ、賃貸成約は望むべくも無いのです。

ご存知の読者は多いと思いますが、弊社の賃貸対象顧客層は日系企業の駐在員、及び現地採用者となりますので、日本人居住区及び準居住区以外の物件の場合賃貸シェアはほとんどありません。

最近サムロン以遠の物件も販売するようになり、タイ人及び他外国人を対象とした賃貸営業のポストを置きましたが、そのエリアにおいて当社はよちよち歩きのチャレンジャー、力を付けるまではまだまだ時間を要するものと思います。

ですので、販売する際に担当者は顧客にその点を説明するようにしています。「ヨシダ不動産が強いのは日本人居住区のみで、それ以外はからっきしです。」といった感じで正しい理解をして頂くのです。

弊社の賃貸付けの物件優先順位は次の通りです。

優先順位1(ファーストパス)
弊社で物件を購入頂いたオーナー様の物件が対象になります。
賃貸仲介担当者は物件内容を熟知しており、賃貸顧客の条件が合う限り、必ず内見対象物件リストに掲載され案内が実行されます。

優先順位2
弊社で管理契約を頂いているオーナー様の物件が対象になります。
毎週管理物件リストが更新され、賃貸担当者に送られます。
2020年からの管理費用は、従来含まれていた退去後の清掃、エアコンフィルター掃除等のサービスをオプションとして別料金化し、基本料金を大幅に値下げましたので興味のあるオーナー様はお問合わせ下さい。

優先順位3
賃貸依頼を受けた全物件が対象になります。優先順位は低く、特別なアテンションは払われません。ここには膨大な数の物件が控えています。

ヨシダ不動産のコンドミニアム販売は、賃貸能力の高さを軸足にして拡大してきました。購入して頂いた物件に対しての賃貸責任を担う、が当社の販売事業の1丁目1番地となるのです。

日本人居住区においても賃貸物件が供給過多となっている昨今、コンドミニアムオーナー様のみならず賃貸専用マンションからも多くの空室情報が届きます。現在のような市場環境において、賃貸シェアが高いヨシダ不動産の売買事業は一定のアドバンテージを得ているものと考えています。

賃貸希望者に無理に販売した物件を押し付けるような事は決してしませんが、上記のような取組みを通じて、賃貸成約へのファーストパスを提供している、と理解して頂ければ良いでしょう。

おすすめ