トンロー人気も駅近へ (その2)

前回に引き続き、トンローエリアの賃貸現状に関しての説明です。

トンロー地区の駅近から2件、中心部から3件のコンドミニアムを抽出して下図にまとめましたので参照下さい。


※トンローラグジュアリーコンドミニアム賃貸比較表

ラヴィクスクムビット57に関しては前回紹介していますが、引き渡し及び内装工事が完了し多くのユニットが賃貸市場に出てくれば、現在5.5〜6万バーツで設定されている賃料も物件内競争が進むに連れ5〜5.5万バーツのレンジに下がり値頃感が出てくるものと思います。そして2019年賃貸人気1位だったクアトロの人気に一定の打撃を与えていくものと予想しています。

実際クアトロの1ベッドルームの家賃は通常5〜5.5万バーツでしたが、最近では表の通り4.5〜5万バーツに下がってきています。これは従来の家賃では空室が出始めた為、オーナーが調整を行った結果なのです。この調整により現在でもクアトロの賃貸需要は下がる事なく維持されています。

ラヴィクの2ベッドルームに関しては、まだ賃貸に出ているユニットが限定的な為、NA(=Not Available)としています。

もう一つの駅近物件シリアットスクムビットは、従来は賃貸人気が高かったのですが、数年前から陰りが出始め、それに応じる形で1、2ベッドルーム共にピーク時より1万バーツ程の家賃減額が行われましたが、現在でも多くの空室が出ています。既に築10年ですのでそれなりの補修が必要になってくる時期ですが、ほとんどのオーナーが必要最低限程度しか実施しておらず、そうなるとどうしても新しく見栄えのする新築物件の方が選ばれてしまいます。

一方クワトロは2011年築と築年ではシリアットスクムビットとさほど変わりませんが、元々天井高3メートルのスタイリッシュなラグジュアリー物件で、お部屋をショールームの如く作り込んでいるオーナーも少なくありません。まさにその点により家賃調整で忍耐需要を落とさない結果になっているのだと見ています。84平米の2ベッドルームはピーク時よりも若干家賃は下がったものの、現在も高い人気を誇ります。クワトロの2ベッドルームには就学児童のいるご家族も多く、これは他のコンドミニアムではあまり見られない状況です。

多種多様なサイズと間取りのあるエイトトンローですが、トンロー中心部では抜群の立地であるにも関わらず空室が目立つようになりました。ピーク時より1万バーツ程の値下げを行っていますが、あまり効果は出ていないようです。


※トンローエリア地図

トンロー中心部の人気は今後も継続していくでしょうが、従来の人気物件の賃料値下げ、値下げにも関わらずの空室増加の傾向を見ていると、移転先として選ばれるラヴィク等の新築駅近物件人気は、駅周辺の発展と共に更なる拡大を続けるでしょう。

但し、トンロー中心部を在住日本人御用達の総合病院サミティベート病院のあるソイ49まで拡大してエリアとして位置付けると、トンローソイ13から病院周辺には多数の大型賃貸専用マンションが軒を連ねており、どの物件も日本人家族世帯で占められており、世帯数はトンロー中心部のコンドミニアムを遥かに上回ります。

その意味では、駅近に移動する単身世帯が増えても、家族世帯はトンロー中心部から動くとは考えられないので、トンロー中心部に加えて、駅近にもう一つの居住コアが誕生すると理解するのが妥当かと思います。

前回のブログでも述べましたが、今年11月完成予定のエッセスクンビット36は駅近人気を更に引き寄せるでしょうし、現在プリセール中のグランドヘリテージトンローや近い将来販売開始になるアナンダ、レイモンランドのプロジェクトが出揃う頃には、トンロー地区における中心部と駅周辺の二極化がより鮮明になっているのではないかと推測しています。

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