バンコク駐在員世帯の賃貸予算について

前回のブログで“駐在員家賃手当てのボリュームゾーン”について言及しましたが、具体的に如何程の家賃手当てを会社より支給されているのでしょうか?

日本人居住区で賃貸投資をする際には、成否を決定付けてしまう程の重要な情報となりますので、是非インプットしておいて下さい。


※バンコク駐在員の家賃補助額一覧2019年度版

弊社の顧客企業のみを対象に提供する情報ですので、現段階では内容詳細を公表できませんので、ご理解願います。A〜O社で表記されているのは、全て弊社を賃貸業社として指定頂いている実在企業で、その中に隠されているのは実数となります。

駐在員数10人以上の企業が対象ですので、どれも大手企業になります。

最下段にある2019年の平均値を見ると、2018年からは微増に止まっている事がわかります。

平均値を見ると当ブログでも折に触れて書いている、単身は5万バーツといった数値を上回っていますが、これは予算の高い金融機関の数値により平均値が上に引っ張られた結果、というのがその理由です。

中央値としては、
単身世帯 5万バーツ
夫婦世帯 6.5万バーツ
子供のいる世帯 7.5万バーツ
とインプットしておけばいいでしょう。

このボリュームゾーンに所有物件の家賃がうまくはまれば、その物件が駐在員層に選ばれる適格物件である事が前提ですが、貸し易い物件になる可能性が高くなります。

上回っている場合は、高値家賃設定をしても借り手がなかなかつかない為、最終的にこのボリュームゾーンに合わせて家賃を値下げする事になり、それに応じて利回りは悪化します。2018〜9年に完成したラグジュアリーコンドミニアムで、実際にこのような状況となった物件は少なくありません。

家賃ボリュームゾーンより低い場合、「安いから貸し易い。」と考えるのは早計です。家賃手当を使い切る事を前提として物件選びを行いますので、逆に不動産屋が連れてこない物件として放置される憂き目に会います。ここら辺は、家賃を自己負担する現地採用社員とは考え方が180度違いますので注意して下さい。

もう一点理解しておきたいのは、家賃手当が5万バーツの場合は、家賃4.5万バーツ程の物件を選ぶのが一般的です。残額5千バーツをインターネット、日本語テレビ契約料、メイドのサービス料等に当てるからです。

駐在員が賃貸住居を選ぶ際には、住居関連経費は極力家賃手当てで賄い自己負担額を最低限に抑える、というのが発想の根元にある点を理解しましょう。

住居関連経費は世帯人数が増えればそれだけ額が増えますので、夫婦や家族世帯であれば5千〜1万バーツが充当されがちです。それも自分の希望する物件との兼ね合いで決まりますので、「ここでどうしても住みたいので。」という場合は、それなりに関連経費幅は縮小するのが一般的ですが、大きな額を自己負担するという例は少数に止まります。

賃貸経営は借り手となるテナントに関するマーケティングの精度が求められますので、バンコクの大家さん希望者は理解しておくといいでしょう。

おすすめ