バンコク築深コンドミニアムVS新築コンドミニアム (その7)

1995年完成、アソークの一等地にそびえるタワーコンドミニアム“ラスコリナス”の現状に関して、前回のブログで大体ご理解頂けたのでは無いかと思います。

平米単価が近隣の新築コンドミニアムの約半分、築深ならではの広々としたユニットにアソーク交差点付近のスーパーロケーション等々非常に魅力的に感じますが、実際は売買、賃貸共に芳しくありません。

その理由に関して、今回は斬り込んでみたいと思います。

先ず大手ポータルサイトHipflatに掲載されている賃貸広告を見て下さい。


※ラスコリナス賃貸広告 (出典:Hipflat)

総邸数195に対して何と421件の募集広告が掲載されています。同一物件の重複広告が多い事はこれまで説明した通りですが、いくらなんでも多過ぎないか?といった印象です。

広告主となる不動産業者や個人が広告対象の物件が、他者により成約され既に賃貸テナントが付いているにも関わらず、それを知っているのか知らないのかは不明ですが、情報更新されずそのままに放置されているといった状態になっているのでは無いかと推測します。

Hipflat広告の信頼性の低さはその点に由来しているものと常々思っています。ですので、広告主にコンタクトを取ると、「既にありません。」の返信が多く、返信自体が来ないというケースも少なくありません。

余談になりますが、僕自身はこのサイト始めて見つけた時から、コンセプト、ビジネスモデル、志の高さを評価していましたが、情報更新等の運用が全く追いついていないのが残念です。サイト自体は大成功を収め、莫大な広告収入を得ているようですが、正確な運用といったアキレス健を克服したサイトが今後登場するとHipflatも危ないのでは無いかと思っています。

前回のブログで紹介した2ベッド2バス100平米のユニットタイプは、月額4.5〜5万バーツで募集されています。

この家賃は日系企業単身者の家賃手当のボリュームゾーンに当ります。

単身者にとって100平米もある2ベッドは必要ありませんので、広いからと言って敢えて古い物件を選ぶ必然性はありません。このエリアを希望するのであれば、エッジ・スクムビット23の1ベッド43平米やちょっと小さくなりますがグレード感の高いアシュトン・アソークの1ベッド34平米をチョイスしています。又駅近に拘らないのであれば、圧倒的なラグジュアリー感を持つエッセ・アソークの1ベッド47平米が最近では選ばれています。

夫婦世帯や家族世帯は6〜8万バーツが家賃手当のボリュームゾーンとなりますので、やはりラスコリナスの2ベッドを選びません。

ですので、このユニットの潜在テナント層は自分で家賃を支払う、駅近で大ぶりな2ベッドルームを必要とする夫婦世帯に限られてくると思います。因みに幼児、就学児童のいる家族世帯はこのエリアには多くいません。

賃貸投資を目指す場合、ラスコリナスの選択は無理があると言うか、あり得ない選択肢です。

投資ではなく自己居住目的での購入が最後の可能性となりますが、自己居住するにしても後で処分に窮するような物件にわざわざ手を出すとは考えにくいですし、築深ならではの広さがあだになって、平米単価は安いが物件価格は高くなる点も流動性にブレーキをかけているものと思います。

よほど安い価格で買わない限り築25年のラスコリナスにキャピタルゲインの余地があるとは思えませんし、昔に安く買ったオーナーがわざわざバーゲン価格でエグジットするとも思えません。

ざっくりした内容ではありますが、ラスコリナスと周辺の新築コンドの投資シミレーションを作成しましたので参照下さい。


※アソーク周辺コンドミニアム 投資シミレーション

皆様は新築、築深のどちらに投資するでしょうか?

その答えは明確かと思います。

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