バンコク築深コンドミニアムVS新築コンドミニアム (その4)

タイ不動産のポータルサイトHipflat上のソムキッド・ガーデンズの売買、賃貸物件の広告を見渡すと、物件により価格の開きが大きく見られる事が分かります。

先ずは売買物件を見てみましょう。


※ソムキッド・ガーデンズ売買広告

安いものは平米単価15万バーツ台、高いものは平米単価21万バーツ台となっています。上記は広告ページの一部を抜粋したものなのですが、更に高く23万バーツに迫る物件も出ていました。

同エリアで建設中のスーパーラグジュアリープロジェクト“28チッドロム”は平米30万バーツ前後〜となっていますので、それに比べれば確かに安いですが1991年築である事をお忘れなく。

平米20万バーツ以上で販売している物件が大半を占めている状況は、その価格で売れるか売れないかは別にしても築30年に迫る物件としては驚きのパフォーマンスです。

120平米前後の2ベッドで20ミリオンバーツ前後、他広告では25ミリオンバーツぐらいのものもあります。366平米のユニットでは78ミリオンバーツ〜、と大ぶりのユニットばかりなので、どうしても価格が高くなります。

でも冷静に考えると、築30年のコンドミニアムにこの価格を払うのにはかなり勇気が要るはずです。

ソムキッド・ガーデンズは長期に渡り所有している所有者が多いので、既にぼろ儲けしているオーナーは、「この価格で売れないなら、売れなくても構わない。」といった余裕の心持ちなのでは無いかと思います。

賃貸人気はかつての黄金期時代からは陰りが生じていても、テナントが付けば十分な利回りを得られるので売り急ぐようなオーナーは少ないのだと思います。

次は賃貸広告を検証します。


※ソムキッド・ガーデンズ賃貸広告

売買同様ほんの一部の抜粋なのですが、120平米の2ベッドで45,000〜70,000バーツ、250平米前後の3ベッドで100,000〜175,000バーツ、366平米の2ベッドで98,000〜185,000バーツと大きな価格乖離が見られます。

広告の写真を見るとどれも改装されており綺麗なユニットです。

中に売買と賃貸の両方に広告を載せている物件を見つけました。赤枠でマークしております。

366平米の2ベッドタイプで、売買価格78ミリオンバーツ(約2.7億円!!)、賃貸価格140,000バーツとなっています。これを購入してイールドプレイをしても利回りはたったの2.15%になっちゃいますので、利回り投資で買う人は先ずいないでしょう。

ここに売主の思惑が見て取れます。売るのであれば同エリア“チッドロム”のラグジュアリー物件の相場から見ても平米単価21万バーツぐらいで売りたい、かと言って賃貸価格設定を高くし過ぎるとテナントが付かないので欧米人ファミリー狙いの14万バーツぐらいに抑えておこう、それでも新築で安く買っているので10%以上のリターンは稼げるからね、といったところでは無いでしょうか?そして、利回りはまだ十分稼げそうなので売れなくても構わない、と考えているのだと思います。

余談になりますが、日本人駐在員では家族世帯でも14万バーツの家賃手当を得ている人はごくわずかで、この価格帯になると大手企業のトップは少なく、中小企業のオーナー社長といった割合が高くなります。身銭を切るからこそできるわけです。

欧米系の企業では、家賃を丸ごと会社が負担するケース以外に「予算に限らず好きなところを借りて構わないけど、会社は7〜8割だけしか払いません。」といった規定の会社も多く、役職が高い高収入の欧米系企業の駐在員にとっては14万バーツの家賃は選択肢に入っています。

話を戻します。

販売価格と家賃価格のバラつきは、確かに市場価格を顧みない乱暴な値付けといった側面は否めないものの、それ以上にいくらでこの物件を購入したのかという点に大きく起因しているのでは無いかと思います。

物件価格が売り出し時よりも5倍となっているようなレジェンドマンションにおいては、得てしてこのような特徴が表れがちです。

そしてこのコンドミニアムはバンコクを代表する圧倒的な勝ち組物件である点を念押ししておきます。

勝ち組の影に負け組ありは世の理、勝ち組にはなれなかった物件の検証なしにはこの話の完結をみることはできません。

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