バンコク〜パタヤ間の高速鉄道情報アップデート

昨年パタヤのコンドミニアム市場状況をレポートした際にタイ政府が推進する大型プロジェクトEEC(Eastern Economic Corridor、東部経済回廊)に触れましたが、バンコクとパタヤを結ぶ高速鉄道はその中の最重要プロジェクトの一つに位置付けられています。

参照過去ログ:パタヤのコンドミニアム市場の現状(その3)

この高速鉄道事業開発は最終的にタイ巨大財閥CPグループと中国国有企業連合が落札、その後若干の紆余曲折はあったものの、来月の6月15日に調印式が執り行われる見通しとなりました。日系企業が後押ししたBTSグループが落札できなかった事は残念ですが、やっとプロジェクトが動き出す運びとなった事自体には、シラチャやパタヤの不動産にとって大きなプラス材料として作用する事が予測されますので、先ずは良かったと思っています。

当初の計画では、2018年以内に調印し開発を開始、2023年開業の予定でしたが、既に計画は遅れている事になります。東南アジアでは工期が遅れる事が当たり前ですので、2023年の開業はまず無理かと予測します。

下図はルートマップになります。

※高速鉄道ルートマップ

始発のドンムアン空港から終点となるウタパオ空港(パタヤに近い国際空港)を含めて、全部で9駅が設けられる予定です。

※高速鉄道予定駅

ドンムアン空港〜スワナブーム空港〜ウタパオ空港と3つの国際空港、首都バンコクと国際的リゾートパタヤ、多数の工業団地が集まるチャセンサオ・チョンブリ・シラチャ地区、そして2021年バンコクの中央駅になるバンスー駅、等々が一つの高速鉄道が結ばれる為、大きな経済効果が期待されます。

ドンムアン空港からスワナブン空港の間はアーバンラインとして時速160キロ、チャセンサオからウタパオ空港の間はインターシティラインとして時速250キロで運行される予定です。

現在の中央駅フアランポーン駅からエアポートリンク駅マッカサン周辺は従来から大規模再開発が計画されてり、ラマ9世周辺を加えて未来のCBDになるとの向きもありましたが、2年程前からチャセンサオにスマートシティ計画が浮上。どうも高速鉄道の開発事業主であるCPグループが既に広大な土地をチャセンサオに確保しているようで、「マッカサン周辺の狭苦しいところはやめてチャセンサオに注力しよう。」と政府に働きかけている様子。

過去ログ:変化するMRTペッブリー駅周辺

さもありなん、という印象ですが、この手の開発計画はタイでは頓挫する事も多いので、鵜呑みにして飛び付くのは危険です。

タイにおいては、具体的な開発計画が発表された後に、政権交代による見直しもあれば、民間企業によるものでも中止や数年延期等々ありますので、あまりこの手の情報に前のめりになるとろくな事はありません。

特に不動産業者などは、販売に役立ちそうだとなると、信憑性の無い情報でも実しやかに説明しますので注意してください。

そういえば過去日本でパタヤのコンド販売しているセミナーに参加しましたが、モノレールができる、カジノができる等々、まだ噂レベルの材料をベースにセールストークをまくし立てていました。モノレールに関してはレールマップのようなものまでありました。そんなもの一体誰が作ったのでしょうか?

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