2018年度に選ばれた賃貸物件は? (その6)

このテーマでの連載が長くなりましたので、本日で最終回とし、4着以降のコンドミニアムをレビューしていきたいと思います。

当初はトップを独走するクワトロに関して紹介しようと思って書き始めたのですが、このコンドミニアムは何故賃貸物件として選ばれたのか?といった背景を吟味して行くとそこには興味深い必然性や特性が見て取れ、読者の皆様とシェアしたいと言う思いが芽生えついつい長くなってしまいました。

安定成長に入ったバンコクのコンドミニアム投資を語るには、賃貸投資は避けて通れなくなってきた市場の潮目の変化の中で、「こんな物件が人気ですよー。」とお茶を濁して簡単に終わらせるにはいかない、と言う意識も根底にあったのだろうと思います。


※ヨシダ不動産扱い賃貸実績ランキング(2018)バンコク


※ヨシダ不動産扱い賃貸実績にランクインしたコンドミニアムのロケーションマップ

5位に同着した2つのコンドミニアム、HQ by Sansiriと8 Thonglorは近接しており、トンロー通りに面した中央部の立地となります。

HQ by SansiriはQuattroと比較すると敷地面積が小さい為、Quattroのようなスケールの壮大さはありませんが、買い物や食事へのアクセス利便性はQuattroを上回り、築年が新しいといったアドバンテージを有しています。1ベッドルームは40平米台半ばのものがほとんどで、家賃も45,000〜55,000の家賃手当てストライクゾーン真ん中等々が選択される理由となっています。

一方、若干古さが目に付き始めた8 Thonglorですが、階下には24時間営業の大型スーパーが入るショッピングモールがあり非常に便利なのが特徴です。ロケーションはトンロー繁華街ど真ん中、駅以外は全て徒歩圏内です。最近は改装を終えた綺麗なユニットが多く、根強い人気を維持しています。

※8(Eight) Thonglor Residences外観

8位のNoble Remixはお馴染みのトンロー駅直結物件。40平米程のスタジオタイプの家賃は25,000バーツからあり、プラカノンやオンヌット地区の新築コンドミニアムを価格と利便性で圧迫し続けています。買い物や飲食の利便性ではトンロー中心部に及びませんが、大型オフィスビルや日航ホテルが開業するなどトンロー駅周辺はダイナミックに変化しています。又、隣駅はプロンポンとエカマイなので、一駅で大型ショッピングモールにアクセス。考え方によれば、雨の日等は歩いて買い物に行くより快適かも知れません。

10位、初ランクインのEdge Sukhumvit 23はBTSアソーク駅、MRTスクムビット駅に近く2線利用できる稀有な立地。BTSとMRTの乗り換え地点は、バンコクCBD内では他にシーロムしかありませんので、公共交通機関の要衝となるポイントです。40平米台の東向きの1ベッドルームが人気です。

※Edge Sukhumvit 23 1ベッドルーム リビング

Park24は合計5棟の超高層タワーから為るスクムビット24の超大型プロジェクトで、内1棟はアスコット社が運営するサービスアパートです。駅からは離れますが、無料のシャトルサービスが運行しています。敷地が広く、ソイ22、24のマルチアクセスが可能。27平米程の1ベッドルームの供給が多いのですが、こちらは選ばれず、少ない35平米以上1ベッドに人気が集中しています。サービスアパートも好調なようです。

Noble Refineはレジデンスとしてのゴージャスさには欠けるものの、スクムビットロード入口付近の立地でプロンポン駅に近いのが魅力です。つまりはエンポリウム、エムクオーティエ、フジスーパー1号店、大型都市公園ベンジャシリパーク、膨大な数の日本飲食店に近い事を意味します。ソイ24と同じく、北はスクムビットロード、南はラマ4世通りといったバンコクの主要幹線道路に抜けられるのでアクセス力が抜群です。

Mode61は他物件と違いプールを中心にレジデンスが囲む低層コンドミニアム。低層物件にありがちな安っぽさは微塵もなく、高級リゾートのようなクラス感が漂う大人の物件。部屋の間取りが良く、1ベッドルーム、2ベッドルーム共に人気があります。

Beatniqは完成したばかりの新築コンドミニアム。トンロー駅には若干距離があるスクムビット通り沿いの立地。新しさ故の人気か?今後の動向が気になります。

多様なコンドミニアムがランクインしていますが、ロケーションやレジデンスそのものとしての魅力のみではなく、先回のブログでも触れたように、自画自賛にはなりますが弊社に蓄積された賃貸ノウハウが選ばれる要素にもなっているのは紛れも無い事実です。他日系不動産業者では一切扱い無しといった物件もあるだろうと思います。

もう一つ言えるのは、家賃価格設定です。膨大な賃貸需要を形成している日系企業の駐在員層には家賃価格帯のボリュームゾーンがある為、その範疇にないと候補にすら上がりません。ある種ガラパゴス的な基質特異性がバンコクの日本人居住区の賃貸市場にはあるのです。

おすすめ